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ここではこの2頭が抜けている!/ヴィクトリアマイル

  • 2017年05月10日(水) 18時00分

■ヴィクトリアマイル(G1・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録17頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 牝馬限定戦で「牡馬混合戦で好走していた馬を狙う」のは、いわば基本中の基本。前走クラス別成績を見ていただけばわかるように、前走が牝馬限定戦だった馬がトータル[4-7-6-106]で複勝率13.8%であるのに対して、牡馬混合戦からのローテは[6-3-4-42]で同23.6%と、大きく勝ち越している。前走が「牡馬混合戦の重賞」であればさらにベターで、こちらは回収率も単複ともに100%以上である。

 次のデータは、好成績である「前走牡馬混合重賞組」をさらに条件別でソートしたもの。関東所属騎手の好調さが目立っており、こちらは勝率33.3%で単勝回収率554%と、かなりの爆発力を秘める。また、5歳以下であることや距離短縮組が強いことなども、この組をふるいにかける上で注目すべきポイント。今年の登録馬でただ1頭、こういった条件をすべてクリアするのが、ルージュバックだ。次点でスマートレイアーソルヴェイグレッツゴードンキ

【コース総論】東京芝1600m Bコース使用

※今回は「18頭立ての牝馬限定戦」を対象に集計しています

・コースの要所!

★人気薄の強さが目立つ条件で7〜9番人気や10〜12番人気が激アツ。
★信頼度だけでなく回収率も外枠が優秀。回収率は飛び抜けて高い。
★イメージよりも格段に先行勢優勢。逃げ残った馬もけっこう多い。





 先週のNHKマイルCに続き、今週も東京芝1600mでのG1開催。同じような内容を繰り返すのはつまらないので、データ母数が大幅減となるのは承知の上で、今回は「18頭立ての牝馬限定戦」を集計対象とした。このコースの正確な傾向については、先週分のコース総論をご覧いただきたい。

 とはいえ、傾向はそれほど変わらない。まずは人気別成績だが、3番人気以内[14-9-10-36]で連対率33.3%、複勝率47.8%と、信頼度は「並」程度である。しかし、4〜6番人気は大不振で、勝率、連対率ともに、7〜9番人気のほうが高いという逆転現象が発生。10〜12番人気も好内容で、人気薄を狙うなら迷わずココ。13番人気以下になると、激走はほとんど期待できなくなってしまう。

 枠番は意外なほどに外枠有利。最初のコーナーまでが非常に長いコースであるため、外枠でもいいポジションにつけやすいのである。勝率、連対率、複勝率のいずれも、外枠である馬番13〜18番がトップ。平均人気がもっとも低いのにこれだけの結果を残しているのだから、高く評価すべき内容といえる。回収率の高さも図抜けており、枠番値もプラス圏。先週に続き、今週も外枠からの激走が大いに期待できそうだ。

 直線の長い東京コースだが、脚質は先行勢が優勢。「最速上がり馬よりも上がり2位のほうが好成績」というのが、差し優勢の条件ではないことをよく物語っている。4コーナー13番手以下から突き抜けたのは1頭だけで、こちらは2〜3着にくるのが精一杯。軸馬には必ず、ある程度は前のポジションが取れる馬から選ぶようにしたい。

【レース総論】ヴィクトリアマイル(G1) 過去10年

・レースの要所!

★7〜9番人気や10〜12番人気が大活躍。ここから勝負する手も大アリ。
★内枠が好成績だが、平均人気の高さを考えると当然。過信は禁物か。
★脚質はコースデータ同様に先行勢優勢。年齢別では5歳以下が強い。
★前走馬体重459キロ以下馬はわずか1勝。毛色は、なぜか栗毛が激弱。








 レースの平均配当は、単勝1514円、馬連1万282円、3連複32万5220円というもの。2015年には3連単2070万馬券が飛び出したように、波乱傾向のかなり強いレースである。1番人気は[3-3-0-4]で連対率60.0%とソコソコの成績を残しているが、ほかの人気サイドは全体的に低調。7〜9番人気や10〜12番人気など、人気薄の激走を積極的に狙ったほうが、ここは好結果を呼び込みやすいと思われる。

 枠番別成績では、内枠である馬番1〜6番が複勝率23.3%という優秀な結果に。回収率も単勝149%、複勝122%と非常に高い。ただし、平均人気が8.2とダントツで高く枠番値はマイナス圏と、額面通りに受け取れない部分がありそう。枠番についてはレースデータではなく、コースデータを重視する方針をオススメする。

 脚質面は、コースデータと同じく先行勢優勢。勝率や連対率は中団待機組も差はないが、複勝率や回収率を比較すると雲泥の差だ。昨年3着のショウナンパンドラのように追い込みでの好走も可能ではあるが、1着まで突き抜けるのは至難の業。2011年にはブエナビスタも、先に仕掛けたアパパネを捉えきれず2着に敗れている。かなりの能力馬でないと、勝ち負けには持ち込めないだろう。

 年齢別では、若くて勢いのある4歳馬が[6-7-2-73]と好調。昨年は7歳馬のストレイトガールが制したが、高齢馬は総じてイマイチだ。5歳以下馬を狙ったほうがいいのは、間違いない。また、前走馬体重が459キロ以下だった馬の成績も低空飛行で、勝ったのは過去10年で2013年のヴィルシーナだけ。信頼度、回収率がともに高い前走馬体重460キロ以上馬を狙ったほうが、効率は格段にいいと思われる。

 そして最後に、小ネタをひとつ。ヴィクトリアマイルで不思議なほど弱いのが「栗毛」で、トータル[0-1-1-38]と絶不調。4番人気以内に推された馬も8頭が含まれているが、2015年に断然人気でぶっ飛んだヌーヴォレコルトなど、すべて4着以下に終わっている。ちなみに今年の登録馬では、オートクレール、ソルヴェイグ、レッツゴードンキの3頭が栗毛である。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Bコース替わり。馬場の内はかなり荒れていたので、傾向が激変しそう。

・天候予測
 週末にかけて下り坂。土曜日〜日曜日の降雨で道悪となる可能性も十分。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、メイショウサムソン産駒○、ダイワメジャー産駒▲

 道中のペース次第で、前も残るし差しも届くフラットな馬場だった先週の東京芝。ただし、内はかなり荒れており、ジョッキーも直線ではそこを避けて乗っていた印象だ。今週からのBコース替わりで内の悪さは是正されるが、どういった馬場バイアスにシフトするかはけっこう読みづらい。週末にかけて、天候が崩れる予報が出ているのも気がかりだ。

 血統面は、ディープインパクト産駒が「断然」といえる内容。連対率30.2%、複勝率38.0%という鬼のような強さで、他の追随を許さない存在と化している。意外に侮れないのがメイショウサムソン産駒で、信頼度の高さはもちろん、回収率もかなりの高さ。あとは、先週もボンセルヴィーソが3着に粘ったダイワメジャー産駒も、プラス評価の対象としている。

★出走登録馬・総論×各論

 現在netkeiba.comの予想オッズでは、ミッキークイーンが単勝1.9倍という圧倒的な支持を集めている。以下はレッツゴードンキ、スマートレイアー、ルージュバック、クイーンズリングと続くが、このあたりは混戦模様。どうやら、ミッキークイーンからの相手探し──という見立てのファンが多いようだ。

 当データ分析でのトップ評価も、順当にミッキークイーンとなった。これまでにオークスと秋華賞を制しており、昨年のヴィクトリアマイルでも2着に好走。馬券圏内を外したのは、牡馬が相手だったジャパンCと有馬記念だけで、そこでも僅差のレースをしている。ここでは一枚も二枚も上の存在で、プラス評価となった項目の多さも文句なし。不安材料は、前走馬体重が438キロである点くらいのものだ。

 二番手評価にスマートレイアー。7歳と高齢であるのが割引材料だが、前走が牡馬相手の京都記念で2着という「特注データ」対象馬で、距離短縮組であるのも大きなプラスといえる。血統面や前走馬体重など、その他にも買い材料はかなり豊富。さらに昨年4着という実績もあるのだから、もし逆転があるとすればこの馬ではないか。

 三番手評価にクイーンズリング。海外遠征明けで、しかも道悪だった前走は15着に大敗したが、あっさり巻き返してきておかしくない地力の持ち主である。ある程度は前のポジションを取りに行ける馬で、うまく立ち回れば差はないはず。この馬の特性を知り尽くした鞍上が引き続き手綱を取るのも、この大一番では大きなプラスとなる。

 四番手評価にソルヴェイグ。こちらは高松宮記念からのローテで、マイル戦への出走は桜花賞以来となる。この距離ならば楽に先行が可能なはずで、血統面や「特注データ」の後押しもある1頭。人気薄になりそうな馬のなかでは、もっとも食指が動かされる。決して侮れない穴馬とみて、ここは積極的に買いたいところだ。

 以下は、ルージュバック、フロンテアクイーン、レッツゴードンキ、ジュールポレール、デンコウアンジュ、アスカビレンという評価の序列。ミッキークイーンとスマートレイアーの2頭が、ここでは少し抜けているという見立てである。相手は混戦模様なので、紛れると読んで手広く取りたいところ。ミッキークイーンとスマートレイアーから7〜12番人気に流す3連複や3連単は、かなり厚めに狙っていきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース NHKマイルC(G1)
1着 16アエロリット
2着 14リエノテソーロ
3着 06ボンセルヴィーソ

逆単勝的中(#^ω^)ビキビキ

というわけで、上位に評価した馬が10着以下にズラリと並び、さらに「単複勝負した馬が最下位」という恥ずかしい結果に。「外枠の人気薄」を積極的に買うという考え方自体は間違っていなかったものの、正解は14リエノテソーロでございました(切腹)。調教メチャクチャ動いてたけど……う〜ん、やっぱり買いづらいよなあ。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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