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馬格のある馬が少ない今年の安田記念は波乱必至!?

  • 2017年06月03日(土) 20時00分


 今週末から3回東京と3回阪神が開幕し、夏季競馬がスタート。皆さんもよくご存じの通り、この開催からクラスが再編成され、4歳馬の一部が“降級”するほか、古馬のレースは出走条件が「3歳以上」となります。

 現在のような開催スケジュールとなった2012〜2016年の過去5年間について、3回東京ならびに3回阪神、かつ3歳以上の平地競走における馬齢別の勝利数を集計したところ、3歳の馬が110勝、4歳の馬が230勝、5歳以上の馬が106勝となっていました。割合で言うと3歳が24.7%、4歳が51.6%、5歳以上が23.8%。世代間のレベル差やメンバー構成にもよりますが、買い目作りにあたっては「およそ半分のレースを4歳馬が勝っている」「3歳や5歳以上の馬もそれぞれ4分の1ずつくらいは勝っている」といった傾向をある程度反映させるべきかもしれません。

 明日6月4日のWIN5は総出走頭数が67頭、総組み合わせ数が36万2880通り(土曜16時現在)。総組み合わせ数は前回5月28日(103万2192通り)の3分の1程度です。高額配当決着となる可能性はあまり高くないと思いますが、その分だけ難度は低い回と言えるでしょう。

◆ホンコンJCTはレース間隔に余裕のない馬が不振

 1レース目は3歳以上500万下のホンコンJCT(東京9R)。“降級”してきた4歳馬がいないため、3歳のサーベラージュ、バルデスらが支持を集めると思います。

 2レース目は3歳以上1000万下の洲本特別(阪神10R)。こちらは“降級”の4歳勢が上位人気グループを形成しそうです。

 3レース目は3歳以上1000万下、ハンデキャップ競走の由比ヶ浜特別(東京10R)。比較が難しいものの、このメンバー構成なら重賞で3着となった経験もあるロワアブソリューが断然の人気を集めるかもしれません。

 4レース目は3歳以上1600万下、ハンデキャップ競走のグリーンS(阪神11R)。2連勝中のリッチーリッチーらが注目を集めるでしょう。

 5レース目は3歳以上GIの安田記念(東京11R)。土曜16時の時点ではイスラボニータの支持がやや抜けており、エアスピネルが続いていました。

[伊吹式WIN5ランキング 2017年06月04日版]

1位 東京10R 10.ロワアブソリュー
2位 東京9R 2.バルデス
3位 阪神11R 2.リッチーリッチー
4位 阪神10R 16.ワンダーリーデル
5位 東京11R 11.ブラックスピネル
【以上すべての馬を買うと1点買い】

6位 東京11R 13.ロジチャリス
7位 東京11R 17.ヤングマンパワー
8位 東京11R 14.サトノアラジン
9位 阪神10R 2.ワンダーサジェス
10位 阪神11R 1.クィーンチャーム
【以上すべての馬を買うと16点買い】

11位 東京9R 5.サーベラージュ
12位 東京10R 11.モアナ
13位 東京11R 15.イスラボニータ
14位 阪神10R 12.ベルクリア
【以上すべての馬を買うと120点買い】

15位 阪神11R 3.レイズアスピリット
16位 東京9R 3.チェスナットコート
17位 東京10R 9.ライズスクリュー
18位 東京11R 8.エアスピネル
19位 阪神10R 7.メイショウノボサン
20位 阪神10R 10.タマモユウトウセイ
21位 阪神10R 13.ヨシオ
22位 阪神11R 4.ザトゥルーエアー
【以上すべての馬を買うと1296点買い】

23位 阪神11R 5.スズカルパン
24位 東京9R 8.コスモピクシス
25位 東京10R 6.デアレガーロ
26位 東京10R 13.ホーリーシュラウド
【以上すべての馬を買うと3600点買い】

 5レース目の安田記念(東京11R)は馬格がポイント。「前走が“国内ならびに香港のレース”、かつ前走の馬体重が490kg未満だった馬」は2011年以降[0-0-1-35]と優勝争いに食い込めていません。また「“前年か同年、かつJRA、かつ牝馬限定を除く重賞”において連対経験のない馬」は2011年以降[0-0-0-23]、「馬齢が7歳以上だった馬」は2011年以降[0-0-1-15]。極端に実績が不足している馬や高齢馬は評価を下げるべきだと思います。これらの条件をクリアしているサトノアラジン、ブラックスピネル、ヤングマンパワー、ロジチャリスはそれぞれ楽しみです。

 1レース目のホンコンJCT(東京9R)は臨戦過程に注目したい一戦。ほぼ同じ時期に施行された2013年以降の傾向を見ると、「前走との間隔が中2週以内だった馬」は[0-2-1-27]と苦戦していました。なお、このうち「前走が“JRA、かつ500万下のレース”だった馬」は[0-0-1-20]。クラス再編成前に使い込んだ馬ではなく、クラス編成直後のここを狙ってきたと思われる馬に注目すべきでしょう。今年のメンバー構成なら、サーベラージュ、バルデスの2頭を素直に信頼していいと思います。

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競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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