スマートフォン版へ

秋の飛躍狙う人気馬のデキは? 東西2重賞の最終追い切りチェック!

  • 2017年06月28日(水) 18時00分


状態に関しては問題無さそうなサトノクロニクル


 先週に続いて、追い切りが集中する水曜日が雨となった栗東トレセン。先週に比べると雨量は少なく、風もなかったので、その影響はさほどでした。でもカッパを着用して追い切られると、すぐにどの馬かの判別がつきにくく、結構、苦労してしまいます。にもかかわらず、馬場開場直後に一斉に追い切りが集中して「直線しか見られなかった」なんて追い切りもたくさん。私にとっては、宝塚記念が終わっても、いつもと変わらないといった感じです。

 今日は帝王賞。ウマい馬券では予想コラムを公開させていただいています。なかなか地方競馬を予想する機会はなく、予想と馬券の組み立てに悩みましたが、シンプルにすることに。担当させていただいた以上、現状でできることをやったつもりですが、やっぱり中央競馬の環境が揃ったところでの予想作業がいかにありがたいかを知る機会にもなりました。

【ラジオNIKKEI賞/サトノクロニクル】

 白百合S勝ちに京都新聞杯2着。この実績から57キロも仕方なしだと思いますが、個人的にはコーナー4つの芝1800mという設定にも苦労するような気がします。というのも、芝1800mで2勝ですが、いずれもワンターンのコース。水仙賞ではイブキの逃げ切りを捕まえることができなかったわけで、直線の短いコースも気になります。

 調教内容に関しては、在厩で調整されており、追い切り本数は多すぎず少なすぎず。最終追い切りは朝一番のCWコースで4Fからの併せ馬でしたが、内に入れて、最後の反応もしっかり。ここ2走の最終追い切りと比較しても、特にマイナスになるような点もなく、状態に関しては問題ありません。

サトノクロニクル(6月27日撮影)

特にマイナスになるような点は無いサトノクロニクル(6月27日撮影)


【ラジオNIKKEI賞/クリアザトラック】

 前走がマイル戦とはいえ、古馬に混じっての勝利。価値ある1着だと思いますが、この馬の3勝はいずれもレース間隔があいている時。新馬、そして中10週の2回。でも間隔が詰まっている時は朝日杯FSと毎日杯なので、本当にレース間隔が成績に関係しているかは今回の走りを見ないことにはなんとも言えません。

 中2週でも角居勝彦厩舎らしく、追い切り本数はしっかりと積んでいます。最終追い切りは雨が降ったこともあってか、芝コースでしたが、前半をガッチリ抑えて、最後の直線で伸ばす形。あれだけを見ていると、やっぱりためて伸ばすことがこの馬の最大パフォーマンスにつながると思います。あとは福島競馬場まで輸送して、先行して立ち回った時にその走りができるかどうか、でしょう。

クリアザトラック(6月27日撮影)

追い切り本数はしっかりと積んでいるクリアザトラック(6月27日撮影)


【CBC賞/メラグラーナ】

 オーシャンSでは勝った勢いもあって、3番人気に支持された高松宮記念。10着惨敗にはいろんな要素があったと思います。そこから巻き返すには、十分なレース間隔とメンバー構成になったと思いますが、いかんせん追い切り本数が少ない現状。もともとそれでも好走するタイプであることは、休み明けのオーシャンSを勝ったことから承知していますが、当時よりまだ1本少ない本数です。

 最終追い切りはオーシャンS時とほぼ同じ内容で動けており、仕上がりが良いと判断することもできるでしょう。ただ、今週の雨が週末まで影響を与えた場合に、重い馬場で現状の調教内容だとスタミナ不足にならないか、その点が気になります。

【CBC賞/アルティマブラッド】

 53キロのハンデには音無秀孝調教師も不満顔でしたが、前走2着馬キングハートがすぐにオープン特別を勝ち、函館SS2着だったことも考慮されているのかも知れません。でもこの馬自身は今回が休み明けなので、やっぱり53キロは見込まれていると思います。

 1週前追い切りはミッキーロケットとの併せ馬で完全な遅れ。追い切りは抜群に動くタイプですが、先週の馬場状態も関係していたかも知れません。最終追い切りはしっかりと動いて、2走前1着時とほぼ同じ内容。この動きは高く評価したいのですが、もともと休み明けに実績があるタイプでもないだけに、馬券的にどの位置にするべきか最後まで悩むことになりそうです。

【CBC賞/エイシンスパルタン】

 阪神C以来となりますが、休み明けは斑鳩S1着やスワンS3着など実績があります。使い込むよりもむしろフレッシュな一発目が高いパフォーマンスを出せるという印象すらあります。実際、この中間の馬体や動きの雰囲気を見ていても、非常にいい感じです。

 最終追い切りは馬の少ない時間帯に単走でしたが、坂路馬場の右ラチ沿いからスタートして、中間地点で馬場中央に持ち出す走り。ラスト1F地点で失速するかと思いきや、鞍上が追い出して、もうひと踏ん張り。4F目最速とはなりませんでしたが、最後まで力強い走りでフィニッシュ。これならほぼ仕上がった状態で出走できると思いますし、力のいる馬場は他馬が苦にするなら歓迎でしょう。

エイシンスパルタン(6月28日撮影)

ほぼ仕上がった状態で出走できそうなエイシンスパルタン(6月28日撮影)


◆次走要注意

・6/24 3歳未勝利【オースミメテオール】(8人/6着)

 ウマい馬券で◎を打ちました。追い切りの動きの良さを出すためには最適条件だと思っていましたが、鞍上が必死に促してくれたおかげで中団より前でのレース。最後までバテない内容でしたが、逆に切れることもありませんでした。

 現状はまだ気持ちが乗っていませんが、28日の調整では行きたがるようになっていたと担当者。次走はもっと前進するでしょう。

[メモ登録用コメント] [中距離]最終追い切りトラックでラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【トロワゼトワル】

 先週のCWコースでの追い切りから雰囲気を感じた馬。併せた時のセンスの良さが新馬らしからぬ印象でしたが、28日の最終追い切りでも全く同じ。併せた相手がオメガヴェンデッタという超格上でしたが、最後はどちらが年上か分からないくらい。普通に回ってくれば、普通に結果は出ると思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング