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【新人騎手】富田暁騎手(最終回)『5年以内にはGIタイトルが欲しいです』

  • 2017年07月05日(水) 18時01分
富田暁騎手のインタビューも今回が最終回

最終回となる今回はトップジョッキーになるための構想を明かしてくれました


“師匠”である木原先生のバックアップで5月には早くも重賞で騎乗を任され、一戦一戦すごく勉強になっていると話す富田暁騎手。最終回の今回は木原先生の人柄・教えについて、そしてトップジョッキーになるため富田騎手が描く今後の構想を明かしてくれました。
(取材・文/森カオル)


プラスになる人たちとの出会いに感謝


──座右の銘は、「不自由を常と思えば不足なし」。徳川家康の遺訓の一節ですが、これはどこで出会った言葉ですか?

富田 競馬学校時代に、寮監の先生にいただいた言葉なんです。ちょうど、ものすごく悩んでいた時期だったので、グッときましたね。すごく親身になってくれた先生で、わざわざ紙に書いてくださって。

──富田騎手のために?

富田 そうです。今でも大切に取ってあります。

──いい先生に巡り合ったんですね。その先生といい、四位さんといい、富田騎手には人を引き寄せる力がありそうです。恵まれた環境を自ら作り出す力というか。

富田 それは…どうなんでしょう(苦笑)。ただ、周りの人に恵まれているなというのは、小学生の頃からずっと思っています。本当にずっとです。自分にとってプラスになる人たちとの出会いばかりで、本当に感謝してるんです。そこは自信を持って言えます。

──師匠である木原先生も、まさに全面バックアップといった感じで。富田騎手がデビューして以降、92回出走して、そのうち55回が富田騎手ですからね。

富田 そうですよね。毎週毎週、競馬場によってはほぼ僕なので。

──何かの取材で、「人ひとりの一生が掛かっていることだから」と、新人を預かる責任の重さを口にしてらっしゃいました。5月には早くも重賞での騎乗も任されて(京都新聞杯・ユキノタイガ12着)。先生の器の大きさを感じました。

富田 本当にその通りです。オーナーと先生には感謝しかありません。レース前、川田さんや浜中さんに「この時期に重賞に乗れるなんてめったにないことなんだから、しっかり楽しめよ」と言っていただいたり、そのほかのジョッキーの方にも「お前、重賞に乗れていいなぁ」と言われたり。自分は本当に恵まれてるんだなぁと改めて実感しました。

──実際、初めての重賞はいかがでしたか?

富田 なんか…緊張しましたね(苦笑)。メインレースに乗るのも初めてで、ましてやクラシックへの切符がかかっている一戦で…。一流のジョッキーに囲まれて、なんかフワフワした変な気持ちでした。もちろん、とてもいい経験になりましたし、“もっと乗りたい!”と思いましたね。

──木原先生は、どんな師匠ですか?

富田 普段は優しくて穏やかな先生ですが、仕事に関してはすごく厳しくて、メリハリのあるご指導をいただいてます。レースに関しては、「お前はどう乗りたいと思ってるの?」とちゃんと意見を聞いてくださって、そのうえで「流れに乗って、自分の思った通りに乗れ」と任せてくださることが多いです。自分で考えられるぶん、一戦一戦、すごく勉強になってます。

──新人ジョッキーとして、たくさん学べるとてもいい環境ですね。

富田 はい。でもその環境に甘えることなく、頑張っていきたいです。

ファンのみなさんも「あかつき」と呼んでください!


──では、最後に今年の目標を。

富田 デビューしたばかりの頃は、「新人賞を獲ることです」と答えていたんですが、今はひとつひとつ考えて乗りながらも、もっと新人らしくがむしゃらに積極的な競馬をして、勝ちまくりたいという気持ちが強いです。10年目までにはトップジョッキーに…という理想があるので、1年目はしっかり基礎を作っていきたいと思っています。

──10年後をしっかり見据えていらっしゃるんですね。ちなみに、5年後の構想はありますか? リーディングでどのあたりに付けたいとか。

富田 あります! ありますけど…、まずは3年で減量を取りたいと思っていて、そこからが本当の勝負だと思っているので。5年目にはやっぱり…いや、5年以内にはGIのタイトルが欲しいです。厳しい時代なのはわかっていますが、川田さんや浜中さんなど、5年以内にGIを獲っているジョッキーは、その後、トップジョッキーになっていますからね。そのためにも今はひとつひとつ勝ち星を積み重ねて、チャンスを与えてもらえる騎手になりたいです。あと、現実的な目標としては、自厩舎以外の馬で勝つことですね。

──ここまでの3勝は自厩舎の馬ですものね。先生は「他の厩舎も積極的に手伝え」というスタンスですか?

富田 はい。「どんどん行け」と言ってくださいますし、それはきっと、現状に満足するなよということだと思っているので。自厩舎の馬でもっと勝ちたいのはもちろんですが、学校生時代からずっと調教を手伝わせていただいている厩舎もあるので、そういった厩舎でも早く結果を出したいです。

──今日はありがとうございました。それにしても、「暁(あかつき)」さんて、いいお名前ですね。

富田 ありがとうございます。そこは親に感謝です。珍しいので、子供の頃は「嫌だな」と思っていたんですが、今は早く覚えてもらえるので気に入ってます。ただ、競馬サークルでは、まだあまり覚えてもらえていなくて…。暁が名字だと思っている方も多いんですよ(苦笑)。

──えっ!? それはまた…(苦笑)。

富田 先輩ジョッキーはみなさん「あかつき」って呼んでくださいますが、もっと調教師の先生や厩舎スタッフの方たちにも名前で呼んでほしいです。もちろんファンのみなさんにも!

──一度聞いたら忘れませんからね。ファンのあいだでも、きっとすぐに浸透しますよ。

富田 そのためにも活躍しなくては…。早く名前で呼んでもらえるよう、もっともっと頑張りますので、応援よろしくお願いします!

キシュトーーク

早く名前で呼んでもらえるよう、もっともっと頑張りますので、応援よろしくお願いします!


(了)

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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