スマートフォン版へ

ここで負けるようでは、菊花賞タイプではない/セントライト記念

  • 2017年09月17日(日) 18時00分


◆この相手の中山2200mで馬群に沈む危険は少ない

 マンハッタンカフェ(小島太厩舎、蛯名正義騎手)がセントライト記念をステップに菊花賞を勝った2001年を最後に、菊花賞では関東馬の「15連敗」がつづいている。2002年以降の15年間、セントライト記念をステップに菊花賞で「1〜2着」したのは、15年の1着キタサンブラック、2着はスカイディグニティ、フォゲッタブル、ホオキパウェーブ。計4頭のうち関東馬は1頭。セントライト記念の地元の関東馬は「セントライト記念⇒菊花賞」のローテーションでは、36頭出走して1頭しか連対がないのである。菊花賞では現在「西=西」の1着2着独占が12年もつづいている。

 乱暴でも、セントライト記念では、本番「菊花賞」のことを考えた短期のローテーション展望をする必要は少ない。次週に神戸新聞杯があるのに、わざわざセントライト記念に遠征してくる関西馬は、どういう理由なのか?と、そしてここで勝ち負けした関西馬は、菊花賞でチャンスがあるだろうか。菊花賞展望に入る馬は、例年、ごく少数になる。ただ、今年の場合は菊花賞の有力どころの名前を、現時点では挙げられないくらい難しい年なのだが……。

 菊花賞を絡めた展望にしなければ、人気のアルアイン(父ディープインパクト)は強力。皐月賞の直線を思い起こすと、この相手の中山2200mで馬群に沈む危険は少ない。月曜日の午後には馬場も急速に回復に向かうはずである。なぜ、セントライト記念なのか、同厩舎のサトノクロニクルも…。

 アルアインの場合は、理由は明白。菊花賞には出走しないが、神戸新聞杯にはルメールで出走する予定のレイデオロがいる。同じ生産牧場の強敵でもある。だからといって、セントライト記念に回るアルアインが、単なるステップのひと叩きで遠征してくるわけはない。セントライト記念には強敵がほとんどいないことを早くから見込んでいたうえでの、秋の始動戦。ぬるい仕上げではない。ここで負けるようでは、やっぱり菊花賞タイプではないことが現実になりかねない。

 対するのは、菊沢一樹騎手から、伯父の横山典弘騎手にチェンジしてきたミッキースワロー(父トーセンホマレボシ)。こちらは、ふつうに考えれば菊花賞の出走権のレースになるが、ファミリーからみて長距離OKタイプともいえず、この後の展望は、ここで結果が出てからのことと思える。

 2頭はかなり強力。3番手は、ふつうは皐月賞を小差4着のクリンチャー、デムーロのサトノクロニクル、プラチナヴォイスあたりだが、穴馬にはパワー十分の上がり馬サンシロウを買いたい。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング