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マツクニ3本の矢に注目/吉田竜作マル秘週報

  • 2017年10月12日(木) 18時00分


◆久しぶりにクラシックロードをにぎわせてくれそう

 中村調教師の半生を追った本紙連載中“努力”を執筆している講談師・旭堂南鷹氏。長くトレセンに通っていることもあって仲のいい関係者も多い。とりわけ彼によく声をかけるのが松田国英調教師。囲み取材をしている横を旭堂さんが通ろうものなら「たまにはうちにも遊びにきてくださいね。取材するような馬が出てくるようにがんばりますから」と声をかけることもしばしばだ。

 で、今年から来年にかけて、松田師の願い通り旭堂さんは厩舎に足を運ぶことになりそうだ。現2歳世代はタニノミステリー、タイムフライヤー、マイスターシャーレというスケールを感じさせる3頭が勝ち上がり。「ザッツPOG」の取材時から手応えを感じていたが、今年の松田厩舎は久しぶりにクラシックロードをにぎわせてくれそうだ。

 その1頭のタニノミステリーは14日の京都500万・紫菊賞(芝内2000メートル)へ出走予定。「前走が強い競馬。小柄な馬ですが、動かしていい。阪神、中京、小倉と経験して、いずれもいい走りをしてくれた。父(タニノギムレット)もそうでしたが、どういうレースでもできそうなタイプ」と松田師は評価する。

 父譲りの機動力に加え、距離が延びてよさが出てきた馬。好メンバーが顔を揃えたが、2勝目は目前だ。

 一方、取材していての“感触”でいうとタイムフライヤー、マイスターシャーレに相当な期待をかけたくなる。

 タイムフライヤーは初戦で後の札幌2歳S勝ち馬ロックディスタウンから3/4馬身差の2着。「外に出して勢いに乗せてほしかったのですが、内に行きましたからね。結果的に少し窮屈になりました。あれがなければ」(松田師)とデビュー戦についても“完敗”とは認めていない様子。来春へ続く足がかりは28日に行われるオープン萩S(京都芝外1800メートル)が予定されている。「前走あたりからやっとよくなってきた。これは上まで行ける馬ですから」と、すでにその目はクラシックロードに注がれている。

 マイスターシャーレはデビュー戦でモーリスの全弟ルーカスに敗れ3着。どこか頼りない走りで、正直期待を裏切られた。しかし、前走でパフォーマンスが一変。中団から追走し、勝負どころでエンジンがかかるとラスト3ハロン33秒6の末脚で差し切った。「うまく乗ってくれました。最後はもう一度突き放そうとしていたし、いい内容でした。広いコースの方がスピードに乗せやすいですね」と目尻を下げる。

 こちらは「オーナーと相談してから」と次走は明らかになっていないが、トレーナーの期待度の高さから“王道”を歩むのでは? もし、本社杯のGIII東京スポーツ杯2歳S(11月18日)へ駒を進めるとなれば、ルーカスとの再戦だけでなく、西の暫定チャンピオン・ワグネリアンとも相まみえることになる。今年からホープフルSがGIに格上げされたが、それがかすむような戦いが東スポ杯で実現する? いずれにせよ、マツクニ厩舎の“3本の矢”の動向と東スポ杯2歳Sのメンバーには注目しておいてほしい。

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