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雨予報でさらにややこしくなってきた秋華賞

  • 2017年10月13日(金) 18時00分


◆穴馬は重馬場2勝のあの馬

 今年の秋華賞はローズSが荒れたうえに、週末が雨予報でさらにややこしくなってきた。すべてプラス材料という馬はいないと思うので、個人ごとにどの要素を重視し、あるいは軽視するかをはっきりさせていくしかないだろう。

 そのローズSはラビットランが素晴らしい差し脚を発揮して勝った。追い込み一辺倒の馬だけに、内枠を引いてしまったのは微妙。速い上がりを使う馬だけに馬場が渋りすぎるのもプラスではないだろう。和田騎手がこの枠順からどうさばくか興味深い。

 カワキタエンカは道悪実績があるが、今回は脚質的にバッティングするアエロリットが自分より内に入っている。初距離の2000mというのも微妙だが、そこで消極的な競馬をすると見せ場のないままになりそうなので、自分の形を崩さないほうがよいだろう。

 リスグラシューは能力が高いし安定味がある。良馬場ならば確実に3連複の軸になってくれそうだが、雨は歓迎ではない。ガサのない馬でもあるので、できれば良馬場寄りでやりたい。

 同様の悩みはミリッサにもある。こちらはさらにガサがないうえ、時計勝負をしたい馬。ダイワメジャーそのものは重に強い種牡馬だが、この馬のキャラクターはちょっと違うように思える。

 ならばダイワメジャーでレーヌミノル……という意見もありそうだが、個人的には2000mも距離が厳しいと思う。ローズSの大敗組ならばファンディーナモズカッチャンを優先して検討したい。ファンディーナはそろそろ人気も落ち着いてきそう。ディープ産駒にしては道悪もこなせそうだ。モズカッチャンは内枠からうまく立ち回るという本来のスタイルを生かしたい。デムーロ騎手が前走の敗戦をどう総括しているか。

 別路線組ではアエロリットが人気になりそう。距離と、カワキタエンカとのアトサキが課題になってくる。緩急をつけるタイプではないので、距離を気にしすぎてペースを落とすと今度はラップが自分に向かなくなる。最内枠を引いて自分の競馬はしやすくなった。あとはそれをしたうえで2000mを乗り切れるかどうか。

 紫苑Sのディアドラもかなり有力だ。紫苑Sは以前ほとんど本番の好走馬を出せずにいたが、重賞に昇格した昨年はいきなり2頭が馬券に絡んだ。今回の出走メンバーの中ではオークスの先着順第2位だし、ルメール騎手とコースの相性も抜群。雨がマイナスにならないのも、今回の有力馬の中では貴重な存在だ。

 最後に1頭穴馬として挙げておきたいのがローズS5着のメイショウオワラ。天気が大きく崩れるようなら、重馬場2勝はやはり魅力。前走にしてもそれほど差はないし、有力馬が馬場を苦にするようならば入れ替わりに浮上しうる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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