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意外と大変、「背負う3歳馬」

  • 2017年10月31日(火) 12時00分


◆3歳馬は斤量を問わず勝ちきっていない

 アルゼンチン共和国杯で注目といえば、やはりスワーヴリチャード。アルバートやセダブリランテスがいるので人気は分散するだろうが、1番人気候補であることは間違いない。

 ダービー2着、それも僅差の2着とあれば注目されるのは当然だし、56キロという斤量も見た目の数値としては重くないように見える。

 ただ、3歳の実力馬がハンデ重賞に出走するというのは意外とリスクもあることなので、馬券上どういう扱いにするのかは気をつけたい。

 1997年以降、3歳上のJRA平地ハンデ重賞に3歳馬が出走したケースはのべ355例ある。

 今回のスワーヴリチャードより重い56.5キロ以上を背負った馬も4頭おり、うち2頭は勝っているのだが、いずれも2003年以前の古い事例だ。最近はハンデが軽くなる傾向にあるので、なかなか3歳で56キロを超えるハンデはつかない。

 ちなみに、4例のうちの1つがグラスワンダーのアルゼンチン共和国杯で、唯一57キロだったケース(他の3例は56.5キロ)。ご存知のように1番人気で6着に負けている。

 56キロはというと、のべ10頭で[1-1-3-5]。勝ったのは06年愛知杯のアドマイヤキッスで、これは牝馬だから実質的にはもっと重いハンデだったことになる。しかし残り9頭の牡馬は、うち8頭までもが3番人気以内(残り1頭も4番人気)だったにもかかわらず勝ちきれていない。

 アルゼンチン共和国杯に出走した3歳馬というのも斤量を問わず勝ちきっていない。過去20年で[1-4-3-13]で、20年前のタイキエルドラドが唯一の勝ち鞍だ。1番人気馬が4頭、3番人気馬が3頭いて1勝はやや物足りない。

 スワーヴリチャードが強い馬であることは間違いないが、今回、馬券の扱いとしては3連単の2着付け、3着付けにとどめる必要があるのでは、というのが私の考えである。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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