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「国の動きを止めるレース」メルボルンCの発走迫る

  • 2017年11月01日(水) 12時00分


◆モレイラ騎手で決まっているだけに、出走枠に滑り込んで欲しい

 “The Race that stops a Nation(=国の動きを止めるレース)“と称されるオーストラリアの国民的行事、G1メルボルンC(芝3200m)の発走が、11月7日(火曜日)に迫っている。

 10月30日現地午前10時に設けられていたエントリーステージで、36頭が登録。フルゲートは24頭だから、この段階で12頭が除外の対象となっている。

 現時点で出走枠に入っている24頭のうち、11頭が海外からの遠征馬と、今年も国際色豊かな顔触れが揃った。

 そんな中、アイルランドの伯楽ウィリアム・マリンズが現地に送り込んでいる3頭のうちの1頭、トーマスホブソン(セン7、父ホーリング)は、現在のところ序列26番目と、かなり微妙な位置に立たされている。マリンズ厩舎の馬らしく、障害と平地をかけ持ちしており、昨年はハードルのG2リーミングトン・ノーヴィスハードル(芝21F)に優勝しているのがトーマスホブソンだ。そして前走、9月16日に行われたG2ドンカスターC(芝17F197y)で2着に好走しての遠征で、出走がかなえば香港の名手ジョアン・モレイラの騎乗が決まっているだけに、序列上位馬から回避する馬が出て、出走枠に滑り込んで欲しい1頭である。

 また、10月25日のG3ジロングC(芝2400m)で重賞初制覇を果たした後、陣営がメルボルンC出走への意欲を見せたヴォンジュールマスク(セン6、父モンスン)は、序列30番目だ。こちらは、11月4日にフレミントンで行われるG3レクサスS(芝2500m)に出走して、権利獲りを狙う予定だ。

 ブックメーカー各社が6倍から7倍のオッズを掲げて1番人気に推しているのが、昨年に続くこのレース連覇を狙うアルマンダン(セン7、父モンスン)である。

 昨シーズンは、メルボルンC以降を休養にあて、今年8月に9か月半ぶりに戦列に復帰。ムーニーヴァレイの一戦(芝2040m)2着、フレミントンのLRJRAトロフィー(芝2500m)1着、前走フレミントンのG3バートカミングスS(芝2400m)4着の成績で本番を迎える。

 昨年の52キロから4.5キロ増量されて56.5キロとなったハンデを背負って、果たして昨年と同じ競馬が出来るかどうか。なお、主戦のダミアン・オリヴァーが28日のG1コックスプレート(芝2040m)で進路妨害を犯して騎乗停止処分になり、急遽、欧州から名手フランキー・デトーリが招聘され、同馬の手綱をとることになった。

 7倍から8倍というオッズで2番人気に推されているのが、ヒューミドー(セン5、父テオフィロ)だ。

 3歳時から重賞戦線に顔を出し、4歳シーズンの終盤にG1オーストラリアンC(芝2000m)を制しG1初制覇。5歳となった今季、3戦目となったG1マカイビーディーヴァS(芝1600m)で2度目のG1制覇後、G1コーフィールドC(芝2400m)が5着。そして、10月28日のG1コックスプレートで、あのウィンクスに半馬身差に迫る2着となっている。

 3番人気以下には、欧州からの遠征馬がずらりと並ぶ。

 ドーヴィルのG2ケルゴレイ賞(芝3000m)を制して2度目の重賞制覇を果たして渡豪し、現地初戦となったG1コーフィールドCが6着だったマーメロ(牡4、父デュークオヴマーマレイド)は、英国のヒューイー・モリソンの管理馬。この馬が、オッズ8倍から9倍の3番人気。

 2歳時に制したG1クリテリウムインターナショナル(芝1400m)を含む重賞3勝馬で、渡豪後既に2戦し、G1コーフィールドS(芝2000m)2着、G1コーフィールドC3着と堅実な走りを見せているヨハネスフェルメール(牡4、父ガリレオ)は、愛国のエイダン・オブライエンの管理馬。そしてこの馬が、オッズ11倍前後で4番人気。

 ニューバリーのG3ジェフリーフリアS(芝13F61y)で2着となった後に渡豪し、現地初戦のG2ハーバートパワーS(芝2400m)でも2着となったウォールオヴファイア(牡4、父キャンフォードクリフス)は、英国のヒューゴ・パーマーの管理馬で、オッズ11倍から12倍の5番人気。

 そして、オッズ13倍前後で6番人気なのが、独国のアンドレアス・ヴォーラーが管理するレッドカーディナル(セン5、父モンジュー)だ。今年夏に北米遠征を行い、G3ベルモントゴールドC(芝16F)に優勝。アウェイでの強さを実証済みの馬である。

 こうして、欧州各国のトップステイヤーたちが参戦しているのを見ると、日本調教馬の不在が、改めて寂しく感じる。メルボルンCは、総賞金が620万豪ドル(約5億5800万円)、1着賞金360万豪ドル(約3億2400万円)と、賞金的にも魅力が大きいだけに、来年はぜひ「国の動きを止めるレース」に参加する日本馬が現れることを期待したい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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