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最近は意外と勝ちきれない「牡馬を相手に好走してきた馬」

  • 2017年11月07日(火) 12時00分


◆該当馬のどれかが勝ちそうに見えるのだが…

 牝馬の能力をはかるひとつの方法として、牡馬を相手にどれだけ好走できるかというものがある。私個人も、牡馬相手に良い結果を出している牝馬を重んじるような予想をしてきたし、そのような原稿も書いてきた。

 しかしいま実際のデータで振り返ってみると、エリザベス女王杯においてはその手法が通用しづらいというか、特に勝ち切るケースが意外に少ないことに気付く。

 なにをもって「牡馬を相手に好走」とするかが難しいが、ここではJRAの芝古馬重賞で牡馬を相手に馬券に絡んだ(3着以内)を好走としてみよう。

 2007年以降、JRAの芝古馬重賞のうち牡馬が出走できるレースで3着以内した牝馬はのべ262頭。短距離も含まれるのでけっこう多い。それらの馬が同年のエリザベス女王杯に出走したケースはのべ21頭(牡馬を相手に複数回好走した馬も重複してカウントはしない)。その成績はというと、[1-5-2-13]なのである。

 勝ったのは2014年のラキシス(中日新聞杯とオールカマーで2着)だけで、単回収率は32%。複回収率は153%あるのだが、これは09年に12番人気2着したテイエムプリキュアが1頭で支えている。ちなみにこの当時から起算すると、「牡馬を相手に好走した牝馬」はもうちょっと成績が良いということになる。

 この条件に該当したうえでエリザベス女王杯に出走した馬は[1-4-2-3]。複勝率70%だから買い目には入れたほうがよいが、馬単や3連単での置き所は考えなくてはならない。今回はスマートレイアー、ミッキークイーン、ルージュバックが該当馬なので目分量ではどれかが勝ちそうに見えるのだが、例えば3歳馬をアタマに据えてこれらの馬は2着3着付け、といったやり方も考えられる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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