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ちゃぶ台をひっくり返すチャンスがあるとしたら、今年か?

  • 2017年11月23日(木) 12時00分


個人的に勝手にシリーズ化して、楽しんでいたMデムーロのチョイス・シリーズ。その第2弾もパーフェクトに終了した。

第1弾
秋華賞 モズカッチャン 3着(5人気・単8.6)
菊花賞 キセキ     1着(1人気・単4.5)

第2弾
エリ女 モズカッチャン 1着(5人気・単7.7)
マイルCS ペルシアンナイト 1着(4人気・単8.8)

第1弾のチョイスポイントは「非社台グループ生産馬騎乗」だった。社台グループの馬にも騎乗しようと思えば騎乗できたのに選んだ馬は非社台生産馬の2頭。2週連続で非系に騎乗するのが印象深くて、セットで注目したのだった。

第2弾のチョイスポイントは「G1勝利のない3歳馬騎乗」だった。G1勝利実績のあるお手馬がちゃんといたのに、そちらには騎乗せずにG1未勝利の3歳馬を選んだ。そこが興味深くて、セットで注目したのだった。

結果はご存知のとおり。そして、Mデムーロの馬上感覚の冴えに脱帽しつつ、そういうチョイスが可能なMデムーロの立場を改めて実感したのだった。

だが、しかし。
しかし、だが。

Mデムーロの冴えと一緒に歩むことはできていなかった。秋華賞でも、菊花賞でも、エリ女でも、み〜んな少しずつずれて、自分の馬券は全然当たらなかった。そしてついにエリ女の絶妙な(?)ズレで自分は「あ〜〜〜〜れ〜〜〜〜」と奈落へと落ちたのだった。

でも落ちながら考えた。自分に足りなかったものは何か? 根本的な競馬力か!? だとしたらもはや回復不可能! でも途中まではそこそこいい線いっている! でもとりあえずは、奈落から脱出したい! なんとかならないか!?
 
ん? そんなあなたにピッタリな本がある?

「競馬力が劇的に上がる一撃馬券ノート」 著・古澤秀和

ウマい馬券での予想提供を本来の直前予想スタイルに替えて、超抜好調の古澤秀和クンの最新刊? 古澤クンといえば、好走する可能性の高い馬を極限まで絞り込んで、単複やワイド1点、馬連1点で勝負する予想家だ。3連複のヒモをズラ〜〜〜っといっぱいに広げて買う、無駄遣い系の自分とは真逆の男だ。自分に学べる要素など……ワオ! あった!

単勝か!
せめて単勝だけでもちゃんと買っておくべきだったか!
モズカッチャンの単勝は7.7倍! そこさえ押さえておけば、大儲けはできなかったとしても、奈落へは落ちなかった!

というわけで、マイルCSはペルシアンナイトからの3連複だけじゃなく、単勝も買った。そしたら、単勝のみならず3連複もちゃんと当たってしまった。うまくいくときは何もかもうまくいく。自分は命からがら地上へと戻れたのだった。

そして本書を読んで、改めて思った。現代競馬ではレースから発信される様々な情報をどう整理するかが大事だと。その情報をうまく整理することで本当に使える「傾向」が浮かび上がって来るのだと。情報整理の重要性は頭では理解しているけれど、やってるつもりになりがちだ。

最前線に陣取り、パドックや返し馬を見る現場派の古澤クンでさえ、その日の情報を整理して、傾向を掴み、精査している。現場に行かずに映像観戦している自分はもっともっと傾向を掴むレベルを上げねば!

それにしても本書で登場する実例馬券には無駄がない。ギャンブルで大事なことは「勝てる時に勝ち切ること」という古(いにしえ)の教えがあるけれど、古澤クンの的中馬券がまさにそれだ。勝ち切ってる臭がすごい! 自分もそういう臭いを放ちたいものだ。

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ジャパンカップのちゃぶ台
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秋の流れの中でのおさらい。
1 Mデムーロのチョイスの冴えは鋭い。

Mデムーロ選択可能馬 サトノクラウン・シュヴァルグラン
Mデムーロ騎乗予定馬 サトノクラウン

2 ルメールとMデムーロが一緒に騎乗したら、どちらかが高確率で馬券圏内(このことを春からずっと書いてるけど、世間の注目は完全にMデムーロのG1連続馬券圏内だ)。こっちも結構使い勝手はいいと思うので自分はひっそりとそこを大事にする。以下は、その数値。

重賞同時騎乗 38回(先週まで)
どちらか、もしくは両方馬券圏内 33回
確率 .868

去年 .765
今年の4月時点 .800(NHKマイル週に掲載)
今年の9月時点 .840(ローズS週に掲載)
そして、先週までで、.868。
数値はずっと上がり続けている。

ルメール騎乗予定馬 レイデオロ
Mデムーロ騎乗予定馬 サトノクラウン

この2頭を相手にした3連複を買えばだいたい当たる。
キタサンブラックとこの2頭を絡めれば、一件落着か!

だが、しかし。
ちょっと気になることもある。

先週のマイルチャンピオンでサトノアラジンは12着に負けた。
前走の天皇賞・秋で8.6の超大差で負けたのは、最後次走に備えて流したからではないか? そう思っていた。

でも12着。川田騎手のコメントは「天皇賞・秋の疲れが残っていたことくらいしか考えられない」だった。これをそのまま信じるか、信じないかは人それぞれだろう。でも自分はそれを信じたくてしょうがない。

信じる場合の考え方は2つだ。
1 サトノアラジンだけが不良馬場を走って疲れてしまい、8.6秒も負けてしまった。
2 多かれ少なかれ不良馬場で走った疲れがどの馬にもある。

もちろん自分はアラジンだけではなく、塊で信じたい派だ。

前走が天皇賞・秋組は9頭
キタサンブラック
サトノクラウン
シャケトラ
ソウルスターリング
ディサイファ
マカヒキ
ヤマカツエース
レインボーライン
ワンアンドオンリー

この9頭を少しでも下げることができれば、馬券的可能性はずいぶん広がる。いや、もっと正確に言えば、ちゃぶ台に手がかかる。

前走・非天皇賞・秋組は8頭(トーセンバジルとタンタアレグリアは回避扱い)
アイダホ
イキートス
ギニョール
サウンズオブアース
シュヴァルグラン
ブームタイム
ラストインパクト
レイデオロ

当たり前だけど、外国馬がみんな残った。こうなると、無性に自然にいつもどおりに外国馬が気になりだしてしまう。

毎年、毎年、今年の外国馬は一味違う?
そう言ってはジャパンカップのちゃぶ台返しをほんのりと期待している自分だけれど(あくまでもほんのり)、今年は例年以上にちゃぶ台返しを期待してしまいそうだ。

例えば。
サウンズオブアースの前走からは走る気が見出しにくい。
シュヴァルグランにMデムーロは騎乗しない。
ラストインパクトはピークを過ぎたように見える。

日本馬3頭を消すと、残るのは外国馬4頭とレイデオロのみ。
ワオ!

仮に天皇賞・秋組がそんなに疲れてなかったとする。
でも、この秋は例年より雨中の競馬が多かった。少なくとも例年よりは芝が荒れている可能性はある。例年より時計がかかるようなら、外国馬も例年より馬券圏内に接近遭遇できるかもしれない。

アイダホの直近の成績はそそられるものではない。香港ヴァーズの登録もあり、ここは調整的出走かもしれないし、お付き合いの出走かもしれない。でもよくよく考えると、この馬は本国でもG2を1勝しかしてない。いくらオブライエン厩舎が世界的厩舎だとしても、香港国際は招待レースだ。招かれなければ出走できない。実際、現状、オブライエン厩舎の馬で招待があるのはハイランドリールとセブンスヘヴンの2頭のようだ。

招待されそうにないから、日本へ連れてきた可能性もある。でも、ムーアが日本の芝が向いていると助言していたらどうだろう。

ちなみにこの10年でジャパンカップの掲示板に一番載ってる騎手は、ムーアだったりする。

ムーア   6回
Mデムーロ  4回
武豊    4回
岩田    4回
四位    4回

東京競馬場の芝をよくわかっているムーアが助言したという話は聞いてないけど、馬場状態にこだわるオブライエン師がムーアに聞かないとも思いにくい。

アイダホは予想10人気。人気ならばリスクばっかりだけど、この人気なら買えなくはない。

イキートスとギニョールはドイツで何度も対戦していて、今年はすでに4回戦って、ギニョールが3勝して、そのときの2着はすべてイキートスだった。イキートスの先着は一度だけで、イキートス2着、ギニョール4着だった。

逃げるのがギニョール、追い込むのがイキートス。
イキートスは去年のジャパンカップで、上がり2位で追い込んで7着した。去年より時計がかかることで、よりイキートスの末脚に磨きがかかるようなら…、
そしてギニョールも頑張って逃げられるようなら…

イキートス 予想13人気
ギニョール 予想11人気

うむ、これまた悪くない人気だ。

ブームタイムは香港ヴァーズに招待されているようだ(出走するかはわからない)。予想16人気。

というわけで、今年は少々思い切ってもいい年ではないか? と思うことにした。

1 不良の天皇賞・秋に出走した馬が少し疲れている
2 数度の週末の雨で馬場が例年より荒れていてパワーを要する

この2つの理由で、外国馬が例年よりも接近遭遇できるようなら、
10年以上、日本馬だけしかのっていない馬券圏内のちゃぶ台をひっくり返せる、
かも、
しれない。

不良馬場で走ったから疲れちゃったとは誰も言わないだろうし、認めたくもないだろう。出るからには「万全」がエチケットのはずだろうし。ただ今回出走する前走・天皇賞・秋組は、過去に不良馬場を走ったことのない馬ばかりだった。不良馬場を全速疾走したのは天皇賞・秋が初めてだった。

キタサンブラックには敬意しか抱いていない。ただ前走外枠で出遅れていても勝つことはできただろうか? 内枠だから闘志がかき立てられたということはないか? 宝塚記念は外、外を回されて、走る気が失せたように見えた。

たとえキタサンブラックには疲れはないとしても、外枠に入って、出遅れて、外を回される展開になったら、うむ、ちょっと心配だ。

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ジャパンカップ注目馬
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以上の理由で、今年は外国馬がもうちょっと上位に接近遭遇できるのではないか?
そして、ほんの少しの幸運が降り注げば、馬券圏内に走れるのではないか?
と思うことにした。

アイダホ
イキートス
ギニョール
ブームタイム

馬の調子だとかはぜんぜん知らないし、わかんない。関係者のコメントはいつだって「グッド・コンディション」だ。参考にならない。

だから、外国馬は全馬買う。
買ってもいい人気だ。

「今年ダメなら外国馬はもう買わない!」と最初に誓ったのはいつだったろう。もう忘れた。

だから、忘れないように今年も誓う。

今年ダメなら外国馬はもう買わないぞ!

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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