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重賞にしてはハードルが低いフェアリーS

  • 2018年01月05日(金) 18時00分


◆新馬・未勝利組が穴をあけるケースが目立つ

 フェアリーSは年末の1200m戦だった時代には厳しいローテにも関わらず阪神JF組が強かったが、このところはむしろ新馬・未勝利組が穴をあけるケースが目立つ。今回は前走で重賞で馬券に絡んだ馬がおらず、同様に500万勝ちの馬もいない。重賞にしてはハードルが低いレースになっているので、ますます広範囲に目を配る必要があるだろう。

 唯一の阪神JF組・サヤカチャンは前走自分の形を作れず、そのまま大敗となった。今回も内枠なので突っ張っていくことが好走の前提条件か。あとは同型にどれだけ絡まれるかだろう。

 重賞組ではトロワゼトワルのほうが買いやすい。アルテミスSではサヤカチャンに先着を許しているが、レース運びの幅はこちらのほうがある。ごちゃごちゃしがちな中山芝1600m戦では自在性が武器となる。

 500万組で前走着順が最も良いのはスカーレットカラー。この馬はアルテミスSの5着馬でもあるし、既に挙げた2頭と本質的な差は無いだろう。そのわりに今回は人気落ちしそうなので、配当妙味という点ではむしろ魅力がある。

 500万3着は2頭いるが、距離延長にならないほうがベターだと思うのでグランドピルエットのほうがやや上位と見る。アルテミスSで大敗しているので能力差があるのかもしれないが、まだ中山巧者というシナリオは残っている。3連単の3着候補には考慮したい。

 新馬組ではレッドベルローズの評価が高いようだ。確かに前走の決め脚は目立つものがあった。ただ今回はコース替わりで、すんなり差すコースを求めると外に行かざるをえない。同じ競馬を試みるならそれなりにリスクもあることを認識しておきたい。

 それならば黄金配合のジーナスイート、中山で新馬を勝っているデュッセルドルフで配当を追求してもよいのではないだろうか。正直1戦1勝馬どうしの比較というのは難しく、よほど人気薄で勝ってきたとかよほどメンバーレベルが低いところを勝ってきたというケース以外はどれが先着してもおかしくはない。「分からないから配当のつくほう」という発想でもよいと思う。

 未勝利組にも同様のことは言える。プリモシーンは大きな期待をかけられている繁殖牝馬の仔だが、前走の勝ち方を考えるとレッドベルローズと同様の脚質リスクがある。テトラドラクマはコース替わりと、一瞬の脚を要求された場合に対応できるかが課題となる。

 コース替わりのリスクを容認するなら、父(の産駒)のコース成績が良いライレローズという手もあるだろうし、勝ち上がりまで手間どったがレネットも先行して展開が向けばちょっと怖い。フェアリーSの新馬・未勝利組はこのレベルの人気薄馬が結構馬券に絡んできたということも忘れずにおきたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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