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エイシンフラッシュの京成杯から振り返る必勝条件

  • 2018年01月13日(土) 12時00分


◆そこまでのレース内容が重要視される

 京成杯優勝馬でダービーを勝ったのは、1976年のクライムカイザーと2010年のエイシンフラッシュの2頭だけ。距離が2000米になったのは1999年からだから、現在の条件では一頭だけということになる。

 中山のこの距離は持続力、パワーがもとめられる上に、ペースによっては器用さも必要なので、浅いキャリアの中でも、そこまでどんなレースをしていたかが特に重要視されると言っていい。

 唯一のダービー馬に輝いたエイシンフラッシュの京成杯を振り返ることで、このレースの必勝条件を探ってみたい。

 そこまでの戦績は4戦2勝。その2勝は、2戦目の未勝利戦と4戦目の500万特別のエリカ賞でいずれも2000米。特に前走のエリカ賞はスローの流れでも折り合い、クビ差でも強いという印象だった。京成杯では1番人気だったが、1000米63秒2のスローペースの3番手から、直線、逃げ馬の外に並びかけ、長い競り合いをハナ差で制して重賞初制覇を決めていた。逃げ馬も差し返して来たのによくしのいでくれたと、初騎乗の横山典弘騎手は語っていたが、この馬の勝負強さもキラリと光っていた。

 この時期の3歳馬は、大きい舞台で力を出すための準備段階だが、そこでどういう結果を出せたかでその先が少しは見えてくる。エイシンフラッシュはこれで2000米は3戦全勝のパーフェクトで、少なくともクラシックの有力候補と言っていい状況だった。ダービーは、ひと息入れてぶっつけでのぞんだ皐月賞の3着のあとを受け7番人気だったが、前走から手綱を取った内田博幸騎手が、緩い流れの中、巧く脚をためて仕掛けどころもどんぴしゃり、栄冠を勝ちとっていた。

 スピードの持続力にパワーが加わっていれば、もちろんいいのだが、それにも増してこの一月の時期で大切なのが、レースで折り合えるかどうかだ。ペースが速くなることは殆んどないからだ。今年の顔ぶれでは、ジェネラーレウーノが2000米連勝できているので条件にはかなっている。折り合えるか注目したいが、これまで一度も2000米で勝っていない2戦目の馬デルタバローズが人気になるぐらいだから、とにかくレースをしっかり見ておきたい。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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