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ゴールドアクター、買い? 消し?

  • 2018年01月16日(火) 12時00分


◆AJC杯で馬券に絡んだGI馬はスペシャルウィークが最後

 今週のAJC杯で注目は、やはりゴールドアクターの出走だろう。

 GI馬、それも中山実績のある馬がGIIに出走するのだから好走して当然という考え方がある一方で、やはり昨秋の競馬に使えなかった状態面の不安を気にする人もいるはずだ。

 しかも、AJC杯はGIタイトルを持つ馬にとってゲンの良くないレースでもある。

 1986年以降にJRAの平地GIを勝った馬が、その後にAJC杯に出走したというケースはこれまでのべ20頭ある。その成績は[2-2-1-15]。回収率は単17%・複48%と低い。しかも馬券に絡んだケースは99年のスペシャルウィークが最後で、その後はのべ11頭がすべて馬券の対象外に消えている。出走時点で既に人気を落としていた馬もいるが、ドリームジャーニー、キャプテントゥーレ、ゴールドシップと、3頭の1番人気馬も大敗している。

 さらに年齢別に見ると、明け4歳馬が[2-1-0-1]、5歳馬が[0-1-1-9]、6歳以上馬は[0-0-0-5]。年齢を重ねた馬ほど結果が良くない。

 ちなみに、GIタイトル(1986年以降のJRA限定)を持つ馬がGIIに出走するケースでは、阪神大賞典や京都大賞典が好成績。これは勢いのある実力馬が、休み明けとはいえ予定のローテとして出走するからだろう。

 当該期間において「GI馬のGII出走(古馬のみ)」がのべ30走以上あったのは1年12ヶ月のうち、6,7,11月を除く9ヶ月。そのうち1月は勝率・複勝率がいちばん低いのだが、これは完全にAJC杯が足を引っ張った格好で、日経新春杯での成績はそれほど悪くない。

 このような傾向があるということは逆に、もし今回ゴールドアクターが好走した場合、陣営の戦略性と仕上げが優れていたという風にも解釈できる。ただ馬券を買う身としてはリスクの高さが気になるところ。同馬の扱いについては慎重に考えたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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