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【M.デムーロ×C.デムーロ】第3回『25歳のクリスチャン騎手、日本の同世代に思うこと』

  • 2018年01月24日(水) 18時01分
with 佑

▲25歳のクリスチャン・デムーロ騎手が、日本の同世代ジョッキーに向けて思うこととは?


現在25歳のクリスチャン・デムーロ騎手。その若さにしてフランスではトップジョッキーであり続け、様々な国での騎乗経験も積み重ねてきています。「各国の競馬の違いを“経験”として自分のなかに吸収したい」というクリスチャン騎手が発した、日本の同世代ジョッキーに向けてのメッセージとは? 海外経験を積む意義と、自身が体感した変化を語ります。(構成:不破由妃子)


フランスで必要なテクニックが、アメリカで磨かれた


佑介 クリスチャンは見るたびにフォームが変わっていて、年々進化しているのがすごくわかる。1年ぶりに乗っているのを見たりすると、まるで違うジョッキーかと思うほど。だから、同じジョッキーとして、純粋にすごく興味があるんだよね。まず、25歳にしていろんな国での騎乗経験を積んできたわけだけど、どういう心構えでチャレンジしてきたの?

クリスチャン 各国の競馬の違いを“経験”として自分のなかに吸収したいという思いが一番だね。新しい経験を通してもっと勉強したいし、今もまだ成長しようとしている真っ最中だけどね。

佑介 日本の同世代のジョッキーについては、何か思うところはある?

クリスチャン ん〜、悪くはないと思う。ただ、僕がいろんな国に乗りにいって、いろんな経験をしているのに対し、日本の若手ジョッキーは日本でしか乗ってない。やっぱりそのあたりで違いが出てくるんじゃないかな。もっと世界にトライしたほうがいいんじゃないかという思いはあるよ。

佑介 トライするとしたら、どこの国がいいと思う? まずヨーロッパは難しいし。

ミルコ アメリカはどう? 僕の経験からすると、最初からチャンスをもらうのは難しいけど、半年くらい頑張ればチャンスをもらえるようになる。ヨーロッパとなると、半年くらいでは全然乗せてもらえないけどね。

佑介 そうだね。クリスチャンは、アメリカにはどのくらい行ってたっけ? 意外と短かったような。

クリスチャン 2カ月くらいだけど、思ったよりたくさん乗せてもらえたよ。

佑介 アメリカに行ったあと、すごく騎乗スタイルが変わったよね。だから、短期間とはいえ、吸収できることがたくさんあったんだろうなと思って。

クリスチャン うん、フランスで乗る際に必要なテクニックはすごく勉強になった。

with 佑

▲「アメリカにいたのは2カ月くらいだけど、フランスで乗る際に必要なテクニックはすごく勉強になった」


佑介 スタートもめっちゃ上手になって帰ってきたよね。

クリスチャン そうかも。スタートからスピードに乗せていくあたり、アメリカと日本はちょっと似てるよね。

ミルコ 佑介もスタートが巧いよね。なんでそんなに巧いのかなって、いつもこっそり見てる(笑)。

佑介 そうなの? ミルコだって、最近は出遅れなくなったと思うけど。

ミルコ 最近はね。一生懸命頑張ってますから(笑)。

クリスチャン騎手のトレーニング事情


佑介 クリスチャン自身、今の自分のストロングポイントはどこだと思ってる?

クリスチャン そうだなぁ、常に勉強して知識を得ているところかな。騎乗馬については、すべてを把握する努力をするし、そのおかげで、どう乗るかまで全部イメージができたうえでレースに臨めている。まぁ、本来ストロングポイントは、人が見て決めることだと思うけどね。

佑介 なるほどねぇ。僕から見ると、とてつもなく高いレベルの“総合力”こそ、クリスチャンのストロングポイントだと思うよ。弱点がないし、しかも精神的にもあまり波がない。レースのあとでも、カーッとしているところを見たことがないもんね。

クリスチャン カーッとしたとしても、すぐに収まるんだよね。

ミルコ それは僕も同じ。

佑介 えッ? ないない(笑)。

ミルコ はい、嘘です(笑)。僕の場合は、一週間怒ってる。次の週までずーっとイライラ(笑)。

佑介 そのあたり、兄弟でも全然違うよね。ミルコから見て、クリスチャンのストロングポイントはどこだと思う?

ミルコ すごくパワフルなところ。最後の直線はとくにね。そこはちょっと僕と似てるかもしれない。

with 佑

▲「クリスチャンはパワフル、最後の直線はとくにね。そこは僕と似てるかも」


佑介 あと、クリスチャンはトレーニングとかしてるの?

ミルコ してない! 全然してない! 僕はいっぱいトレーニングをしているのに、クリスチャンは寝てるか食べてるか。しかも、3食きっちり食べてる。

クリスチャン フランスは日本と違って毎日どこかでレースがあるから、とにかく移動が大変で、トレーニングをしている暇なんてないよ。その点、日本は時間的な余裕があるから、朝昼晩とリラックスして食事ができる。時間があっても、トレーニングはしないけど(笑)。

ミルコ クリスチャンは、3食しっかり食べても全然太らないもんね。いつも51キロ。羨ましいよ。

佑介 聞いておいてなんだけど、トレーニングはしてないだろうなと思ってた。でも、そう見えて実はやっているのかも…と思って聞いてみたんだけど、やっぱりやってなかった(笑)。

クリスチャン 馬に乗るのが一番のトレーニングだからね。この前、ミルコと一緒に競馬場を走ってみたりしたけど、半周で止めちゃった(笑)。

佑介 クリスチャンは、レースに限らず、本当に馬に乗るのが好きだよね。調教も好きでしょ?

クリスチャン うん、大好き。

佑介 見ていればわかるよ。

ミルコ 僕も馬に乗るのは大好きだけど、それとは別に、トレーニングはしっかりやったほうがいいと思うよ。今はまだ若いからいいかもしれないけど、30歳になったら大変だよ。

佑介 さすがお兄ちゃん、ごもっともです(笑)。

クリスチャン そうだね。10年後くらいに始めようかな(笑)。

(文中敬称略、次回へつづく)
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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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