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【シルクロードS】セイウンコウセイに見る、馬の現状に合わせたレースの組み立て方

  • 2018年02月01日(木) 18時01分
with 佑

▲(内)昨年の高松宮記念以来の連対となったセイウンコウセイ (c)netkeiba.com


今週はシルクロードSより、3戦連続着外からの復調をアピールしたGI馬・セイウンコウセイと松田大作騎手のコンビをピックアップ。最初の3ハロンに隠された人馬のコンビネーションの分析から、騎手として馬の現状や条件を考慮してレースを組み立てることの重要性を解説します。(構成:赤見千尋)

最初の3ハロンで約2馬身、得をしている


 今週注目したのはシルクロードSです。ファインプレーというよりは、ジョッキーがやるべきこと、やりたいことをしっかりできたんじゃないかという印象を受けました。勝ったファインニードルの川田君もそうですが、今回は2着だったセイウンコウセイ&(松田)大作君に注目します。

 ここのところ着順を落としていたセイウンコウセイでしたが、大作君の騎乗は迷いがなく、今のセイウンコウセイの「走りたい」という気持ちをどうレースに繋げていけばいいかなというところに主眼を置いたレースだったと感じました。

 スタートが決まって、周りはあまり速くなかったので、早い段階で「行き切れそうだ」と判断したと思うんです。そうなるとすぐにスピードを落としたくなるところだけれど、変にペースを落とそうとせずに、しっかりとスピードに乗せてからコーナーに入って減速するという乗り方でした。

■1月28日シルクロードS(7番:セイウンコウセイ)

 最初の3ハロンが34秒で入っているんですけど、1200m戦だったら33秒台で入ってもおかしくない場面です。でも、大作君とセイウンコウセイのリズム取りの中で、しっかりコンビネーションというか意志の疎通ができていて、馬の体幹に騎手の体幹がしっかり合っているから、スピードに乗り過ぎないんです。

 前回もこの話をしましたが、レースの中でただ単にスピードを出せばいいわけじゃない。33秒6くらいになってもおかしくないところを34秒で行けているところに、コンマ4秒、約2馬身ですね、最初の3ハロンで得した乗り方をしているんです。

 中途半端に減速しない、引っ張り過ぎない、しっかりした体幹で乗ってあげられているので、ブレ幅が少ないんですよね。スピードに対してもそうだし、馬の走りのフォームに対してもそう。スピードに乗せたまま、地面と平行移動できているようなイメージです。

 セイウンコウセイは力のある馬ですし、絶好調の時期だったら

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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