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きさらぎ賞、今年に限って気になること

  • 2018年02月03日(土) 12時00分


◆キャリア1戦の馬が勝利すれば、相当見込みがある

 きさらぎ賞で1、2番人気が揃って連対を外すことは少なく、この10年で3回、5年では1回だけしかない。クラシックを目標におく明け3歳馬の選択肢は、以前より多くなっているので、きさらぎ賞の出走馬はそれほど多くない。そうであれば、この段階でも素質馬が期待に応える確率は高い。

 では、人気で1番苦戦するケースは何かだが、はっきりしているのはキャリア1戦のみの人気馬だ。例えば2013年、1番人気で殿に敗退したリグヴェーダは、12月の阪神1800米の新馬戦を勝って2戦目だったが、3コーナーで息が乱れていた。ゴールドアリュールの半弟で1800米を勝っていたことが支持を集めていたのだった。

 この5年でキャリア1戦のみの馬は5頭出走したが、5着以内に入ったものはいなかった。今年は4頭も出てくるので、果してこれまでの傾向をそのまま引き継いでいいものか、そこがポイントのひとつ。もし勝てれば、相当見込みがあると評価したい。

 もう一点、きさらぎ賞ではっきり言えることが、これまでにはあった。それは2勝している馬が強いということで、この5年の勝ち馬はすべてそうだし、2着馬も4頭がそうだった。

 例外は、2013年の2着マズルファイヤーで、デビュー4戦目になる年明けの京都1800米の未勝利戦を勝って、5戦目がここだった。ソエが良くなり動きがちがっていたのだが、キャリアを積んできた未勝利勝ちには要注意だ。今年は、ラセットがこれに該当する。使うたびにレース振りが安定してきて、3戦連続最速の上がりというのが心強い。

 今年に限って気になるのは、このところ連対を果してきた2勝馬が1頭もいないことだ。それだけ、多くの馬にチャンスが広がっているのだが、ここ5年、6番人気で勝利した馬からなにかヒントがつかめないだろうか。

 昨年の1着馬アメリカズカップは、2連勝してのぞんだ朝日杯FSが出遅れ気味で途中で脚を使って末が甘くなり9着で人気を落していた。松若騎手は、きさらぎ賞ではすんなり前々で運び、長くしぶとい脚を引き出していた。

 2013年のタマモベストプレイも6番人気で勝っているが、スローペースを見越して前々の運びが出来ていた。欠点をどうカバーするか、それを克服できたものにチャンスがあるということだ。1戦組では松若騎手のダノンマジェスティの能力、キャリア2戦組からは3ヶ月ぶりのカツジに注目する。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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