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闘志も自信も、一気に取り戻してくれる/東京新聞杯

  • 2018年02月03日(土) 18時00分


◆骨折を克服、完全復活に近いこの馬を狙う

 土曜日の昼には、コースに関係する「雪」はきれいに取り除かれているので、日曜日の芝は多少湿り気は残っても、心持ち時計を要するくらいの「良馬場」に回復すると思われる。

 期待以上の好カードになり、候補(買いたい馬)を絞り切れないが、すっかり軌道に乗って、一段と迫力ある動きを見せる6歳クルーガー(父キングカメハメハ)から入りたい。

 同じ6歳のグレーターロンドン(父ディープインパクト)も、不安のあった脚部難を克服し、珍しく今回は順調な調教をこなしている。とても完調とは言えなかった昨年の「安田記念」を、勝ったサトノアラジンから0秒1差の4着だった。昨秋は好調とは言えない状態で善戦止まりが連続したが、距離もベストではなかったろう。このまま順調にいくなら、今年の安田記念は昨年以上に期待できるはずだ。

 同じく6歳のダノンプラチナ(父ディープインパクト)も、再三の爪不安で、4歳時も、5歳時も長い休みを挟んでそれぞれ年間に2〜3戦しただけ。朝日杯FSを制し、3歳秋には確勝態勢に入っていたサトノアラジン(のちの安田記念馬)を差し切り、トップマイラーの資質を示したが、立ち直りに時間がかかった。だが、8分くらいのデキと映ったニューイヤーSを地力の違いで快勝し、今回は着実に一歩前進。立ち直りを示している。これがまだ15戦目。一気の評価回復も期待できる。

 しかし、馬券の狙いはクルーガー。2回の骨折を克服し、4歳春にマイラーズCを1分32秒6で勝った当時の迫力を取り戻している。合わせて半年以上の休養が3回もあったので、持てる能力を出し切れる状態に戻れるのか? と、心配された5歳(3戦できただけ)の後半、昨秋の富士Sを3着に突っ込み、マイルCSも差は0秒3だけ。京都金杯も57.5キロ(今回は56)で2着だから、もう完全復活に近い。

 母の父ディクタット(英)は、安田記念2着馬。長くドイツで発展してきたファミリーらしい底力があるはずで、思われていたよりはるかにタフである。心持ち時計のかかりそうな芝コンデションも味方するだろう。京都金杯からコンビを組むことになった浜中俊騎手(3年連続して100勝したのは12〜14年)も、ここ2年ほど元気がなく、今年も先週まで【5-8-11-40】の着順バランスは、12年にリーディング1位に輝いた注目の若手騎手とは思えないスランプを示すが、人馬ともに総合力の求められる東京マイルで、この相手に勝ち切れるようなら、思いきりの良さも、闘志も、自信も、一気に取り戻してくれると思える。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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