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今週は3日間開催!東西3重賞の追い切りを徹底分析!

  • 2018年02月07日(水) 18時00分


京都記念はかなり判断が難しいレース


 先週の重賞。東京新聞杯、きさらぎ賞ともにウマい馬券の予想は的中したものの、馬券のデキはひと息。それも相手を無印にしてしまったことが原因ですが、東京新聞杯のリスグラシューに関しては、本当にごめんなさいです。自己ベストを更新するスピードを見せていながら、4F目が最速ラップでないことを理由に評価せず。4歳になって成長しているからのスピードだと柔軟な頭に切り替えることができませんでした。というよりも、冬の牝馬は過少評価してしまう自分が悪いんです(笑)。

 そういった意味でも今週の京都記念もかなり判断が難しいレース。4歳馬がしっかりと成長したところを見せているものの、その中に牝馬が2頭。この扱いをどうするべきなのか。共同通信杯は栗東所属馬と美浦所属馬の力関係ですよね。ここをどう考えるか。やっぱり難しい週末重賞ですが、自分の本命馬が馬券になっている現状のいい流れは維持したいところです。

【共同通信杯/グレイル】

 極悪馬場だった新馬戦でラスト2Fを11秒台のラップでまとめて「これは強くなる」と思っていましたが、京都2歳Sでもほぼ同じ内容の競馬。むしろ本来差せない展開を差したあたりは能力が高いとしか言いようがなく、その相手が後にホープフルSを勝ったわけですから、ここは8分の状態でも結果を出したいところ。

 1週前追い切りの段階で8分の状態にはあります。あの素軽い動きならそれ以上の状態まで仕上がってきている印象すらあります。ここまで丁寧に乗り込まれており、追い切り本数も10本を超える量。最終追い切りは5F追いでしたが、武豊騎手が跨って、ダイナミックかつ機敏な動きで併せ馬に先着。初めての東京競馬場になりますが、そんな心配も杞憂に終わりそうです。

グレイル(写真左・2月7日撮影)

ダイナミックかつ機敏な動きを見せたグレイル(写真左・2月7日撮影)


【共同通信杯/ステイフーリッシュ】

 ホープフルS時には中1週ということもあり、評価できなかった馬。それでもきっちり3着と好走したように、素質の高さは明らかですよね。1月24日にグリーンウッドから栗東へ帰厩して、追い切り本数は最終追いを含めて5本。調教内容としては十分の量をこなしていると思います。

 最終追い切りは前走同様坂路。時計自体はあまり変わっていませんが、優秀だったのは4F目のラップ。12.4秒はかなり速い数字ですし、4F目最速という踏み方も評価できます。中京競馬場でデビュー勝ちしているように、左回りは魅力ですし、前走の経験から先行するレースができれば、かなり有力な1頭になりそうです。

ステイフーリッシュ(2月6日撮影)

調教内容としては十分の量をこなしているステイフーリッシュ(2月6日撮影)


【京都記念/アルアイン】

 今年になって、明らかにパワーアップしています。それを最初に感じた追い切りが1月24日。重心の低い走りで、確実に地面を蹴って走るという力強さを感じました。3歳時から力強さはあったと思いますが、現状はそれ以上だと感じています。

 それをより強く感じた最終追い切り。2コーナーからCWへ入り、テンはかなりゆったりしたラップ。そこから徐々にラップを速めて、4コーナーを回る頃にはスピードに乗っていました。最後の直線は力強く掻き込み、重心はかなり低め。きっちり併せ馬に先着しており、射程に入れた目標はしっかり捕まえるという走りでした。

アルアイン(2月7日撮影)

きっちり併せ馬に先着したアルアイン(写真奥・2月7日撮影)


【京都記念/クリンチャー】

 菊花賞後は有馬記念出走も視野に入っていましたが、そこは見送って、京都記念を目標に調整されてきました。CWでの追い切りも最初は鈍さがあったものの、先週の1週前追い切りでは藤岡佑介騎手を背にリズムある走りで休み明けの印象はありません。むしろ4歳になって成長した上積みがありそうなくらい。

 そして最終追い切りはいつも通りの坂路。これが抜群の動きで、4F52.7秒は自己ベストを大幅に更新する数字。その要因は3F目のラップの速さ。これまでは13秒台が当たり前でしたが、今回は12.3秒。それでいながら、4F目が12.2秒で最速ですから、明らかに4歳時よりパワーアップしています。ひと叩きした方が良いタイプであることは間違いありませんが、ここで好走しても全く驚けない調教内容だと思います。

クリンチャー(2月6日撮影)

好走しても全く驚けない調教内容だったクリンチャー(2月6日撮影)


【クイーンC/ツヅミモン】

 前走シンザン記念は本来なら押し切れるところを差されて2着。この内容をどう評価するかですが、デビュー戦よりも上手にレースが出来たと思いますし、決して悲観する内容ではないと思います。

 前走後は一旦放牧へ出されていますが、ここまで坂路でしっかりと調教を積んでおり、緩んだ感は一切なし。むしろ1週前追い切りでは4F51.6秒と坂路の自己ベストを更新する時計をマークしており、前走以上にパワーアップ。レースが月曜日の12日ということで、最終追い切りは8日に予定していますが、場所はいつもと同じCW。きっと終いしっかりの動きを見せてくれるでしょう。

ツヅミモン(2月7日撮影)

前走以上にパワーアップしているツヅミモン(2月7日撮影)


◆次走要注意

・2/4 東京新聞杯【ハクサンルドルフ】(8人6着)

 競馬予想TV!で今年重賞を勝てる馬と発言しましたが、それが現実味を帯びる走りだったと思います。外を回したら届かないところを、上がり33.4秒で6着。もっと違う馬場になれば、きっちり届くだけの末脚です。今回の休み明けを叩いて、もっと良くなってくると思います。

[メモ登録用コメント] [芝マイル]最終追い坂路4F目最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・松籟S【アドマイヤロブソン】

 最終追い切りはCW。単走でしたが、向正面に入ると自然と速いラップを踏んで、スピードの持続力を見せつけます。最後まで止まらないスピードは素晴らしく、明らかに重賞で通用する走り。ここは単なる通過点としてほしいところ。

アドマイヤロブソン(2月7日撮影)

明らかに重賞で通用する走りを見せたアドマイヤロブソン(2月7日撮影)


【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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