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実は東京が花舞台だったのですね。

  • 2018年02月15日(木) 12時00分


(実は強かったのですね)

ちゃんと心の中で突っ込めた共同通信杯のオウケンムーンだった。

単勝1360円

いい配当だ。
2勝がどちらも1人気だったから、この配当は言うまでもなくキャリア最高配当。北村宏騎乗馬のお宝単勝ホース探しは楽しいし、今年もお宝馬が存在してよかった(いない場合もある)。
今後、どんな人気になって、どんな単勝オッズを背負っていくのかな。1年後、共同通信杯の単勝配当が一番美味しかったとドヤっと振り返りたいので、オウケンムーンには是非とも出世して欲しいものだ。

ところで共同通信杯も1戦1勝馬が馬券になった。クイーンCも馬券になった。
これで今年の3歳限定重賞ではすべてで1頭馬券に食い込んでいることになる。ホープフルSのステイフーリッシュも1戦1勝で3着してたから、暮れからずっと1頭馬券に絡んでいることになる。


ホープフルS 8人気3着 ステイフーリッシュ
フェアリーS 7人気3着 レッドベルローズ
シンザン記念 7人気2着 ツヅミモン
京成杯 6人気3着 イェッツト
きさらぎ賞 4人気1着 サトノフェイバー
共同通信杯 3人気2着 サトノソルタス
クイーンC 5人気2着 フィニフティ

ただ興味深いのは1戦1勝の身で馬券になった馬が次走では馬券圏外にみんな負けてることだ。

ステイフーリッシュ 次走共同通信杯2人気10着
レッドベルローズ 次走クイーンC4人気10着
ツヅミモン 次走クイーンC2人気12着
イェッツト 次走ゆりかもめ賞1人気7着

みんな人気になって期待を裏切っている。はたしてサトノの2頭とフィニフティの次走はいかが相成るのか。ほんまもんなら関係ないけど、ほんまもんかはまだわからない。とりあえず人気になったら疑ってみる必要はありそう。

次の3歳限定重賞は3月のチューリップ賞と弥生賞。1戦1勝馬はだんだん出走しにくくなるし、出走できたとしてもレースレベルも上がっていくのでますます好走は難しくなるだろう。1戦1勝馬を壇上に上げるのはそろそろ店じまいかもしれない。

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フェブラリーS
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予想
1人気 テイエムジンソク 2.6
2人気 ゴールドドリーム 2.7
この2頭はチャンピオンズCで雌雄を決した2頭であり、自分も注目した2頭だ。
でもその時はテイエムジンソクが1人気になるとは思っていなかった。G1初出走だし、ギリで2人気かと思っていた。
ゴールドドリームはムーア騎乗で人気になると思っていた。しかし8人気だった。

結果は、
1着ゴールドドリーム 8人気
2着テイエムジンソク 1人気

個人的にはテイエムジンソクに勝って欲しかったけれど、馬券的には儲かったのでよかった。

それにしてもゴールドドリームがムーア騎乗で8人気だったなんて、今考えてもミラクルだ。仮にも去年のフェブラリーSの覇者だ。臨戦が嫌われたとしても天下のムーア騎乗で8人気の馬にはG1では滅多に遭遇できるものではない。

今回のゴールドドリームは、去年のフェブラリーSの覇者で、昨秋のチャンピオンズCの覇者でもあるから、今度こそ正真正銘のディフェンディングチャンピオンだ。鞍上もムーアのままだ。しかもまだ5歳。十分連覇の狙える馬齢だ。しかし、予想とはいえ、接戦とはいえ現在2人気。ワオ!

どんだけテイエムジンソクは人気があるってんだ。
G1未勝利の6歳馬だというのに。ほんと困ったもんだ。

でもこの2頭が1・2人気を分け合うのは必至だし、他の馬がそこに割って入ることもないだろう。はたしてどちらが1人気になるのだろう?

心情的にはテイエムジンソクに勝ってほしいけれど、人気馬は心配してみるのが信条だ。だから、信条に従い1・2人気の馬を心配してみる。

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ゴールドドリーム
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ゴールドドリームの心配はスタートにつきる。
13戦して9回出遅れ・出負け。

前走のチャンピオンズCはほんの少しの出負けですんだ。ムーアが上手かったのか、馬がスタートを理解したのか、そこは定かではない。でも1度だけちゃんと出たくらいでは信用はできない。

チャンピオンズC後のムーアのコメントからもそれがわかる。ドバイ遠征の可能性を聞かれ、ムーアはこう応えていた。

「砂の質が違うからやめた方がいいと思う。ファスター(速い馬場)だし、何よりもキックバックを受けないことが大事。あのゲートでは厳しいと思う」(12/4・日刊スポーツより)

「あのゲートでは厳しいと思う」。チャンピオンズCはゴールドドリームとしてはまともなスタートだった。それでもゲート難を指摘するのだから、本質的には常にスタートが心配な馬なんだろう。

以下は、ここ1年ちょっとのゴールドドリームのスタートと着順
16年チャンピオンズC 出遅れ(約1馬身) 12着
17年フェブラリーS ちょい出負け(約半馬身) 1着
17年ドバイWC 出遅れ(約2馬身) 14着
17年帝王賞 普通スタート 7着
17年南部杯 出遅れ(約3馬身) 5着
17年チャンピオンズC ちょい出負け(約4分の3馬身)1着

半馬身までの出負けならなんとかなっている。しかし、出遅れ・出負け馬にありがちな○なスタートと×な出遅れ・出負けを繰り返している。前走は○だった。こうなるとたとえムーアでも今回は大きめの出負けを心配したくなる。人気があるならなおさらだ。

ただし、別の見方もできる。東京ダート1600ではいつも(ゴールドドリームとしては)いいスタートを決めているからだ。

16年ヒヤシンスS 普通スタート 1着
16年ユニコーンS 普通スタート 1着
16年武蔵野S ちょい出負け(約半馬身)2着
17年フェブラリーS ちょい出負け(約半馬身) 1着

東京1600ダートは3-1-0-0。
東京のスタート地点は集中力を保ちやすいのか、芝スタートが好きなのか、常にまともなスタートを決めている。

○×のリズムを取るなら今回は×。
スタート地点を重視するなら今回も○。

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テイエムジンソク
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東海Sを2着に3馬身以上離して1着した馬はフェブラリーSでも1着している。
グレープブランデーとコパノリッキーの2頭が該当していた。
だから東海Sでテイエムジンソクがどんな勝ち方をするか注目していた(東海Sの週のコラム参照)。

東海S
1着テイエムジンソク
3/4馬身
2着コスモカナディアン
6馬身
3着モルトベーネ

2着馬は4分の3馬身(0.1)しか離せなかった。
しかし、3着馬を6馬身以上離した(1.1差)。

ここをどう取るか。
シビアに取るなら「1着はない」となる。
しかし、3着以下を6馬身以上離したことを重視するなら「チャンスあり」となる。

3着のモルトベーネはチャンピオンズCではテイエムジンソクと0.8差だったが、東海Sでは1.1差だった。差は開いていた。ここを重視すればまだわからない。

おっと、1人気馬を心配するつもりが心配を払拭する形になっているな。いかんいかん。

では芝スタートはどうだろう。サウンドトゥルーは芝スタートが苦手でどうしても東京ダ1600では置かれてしまうそうだ。テイエムジンソクは東京が初めてで、芝スタートも初めて。こればっかりは走ってみないことにはわからない。

ただ、枠は内より外、6〜7枠の方がいい。より長く芝を走るのは外枠で、芝が未知数なのは心配だけど、レースは外から徐々に先頭集団につけていける方がいいと思う。だからテイエムジンソクには是非とも6枠か7枠に入ってもらい、内を見ながら……おっと、またしてもエールというか願望を記してしまった。いかんいかん!

ここ4年のフェブラリーSはこんな決着だった。
14年 1:36:0 良馬場
1着コパノリッキー 位置2-2-2 1000M:60.6 リッキーの上がり35.3
15年 1:36:3 良馬場
1着コパノリッキー 1-2-2 1000M:60.0 リッキーの上がり36.2
16年 1:34:0 重馬場
1着モーニン 9-4-4 1000M:58.4 モーニンの上がり35.2
17年 1:35:1 良馬場
1着ゴールドドリーム 9-9-8 1000M:59.0 ゴールドの上がり35.6

テイエムジンソクの参考になるのは15年のコパノリッキーが勝ったレースか。1000M60.0のレースを2番手追走し、36.2で上がって1着したレース。テイエムジンソクの過去歴を見ると、上がり35秒台ではなく36秒台でまとめることがほとんどだ。1600で、東京で、違う走りを見せるかもしれないけど、過去だけみると力のいる馬場のほうがよさそうだ。
ゴールドドリームの参考はもちろん自身が勝った去年のレースで、1000M59.0のレースを9番手(中団よりやや後ろ)を追走し、35.6で上がって1着した。

つまり、1分36秒近辺で決着するレースならばテイエムジンソク、1分35秒前半で決着するレースならばゴールドドリームに有利と大雑把には言える。ペースも大事だけど、馬場の質も大事だ。冬のダートだから良馬場でも随分と時計も違う。どう頑張っても上がり1位が35秒後半の時もあれば、35秒前半の時もある。

ちなみにトランセンドが逃げ切った時も勝ち時計は1:36:4だった。
1000Mは60.1で、トランセンドは上がり36.3で勝った。この時の上がり1位は2着のフリオーソで上がりは35.7だった。

テイエムジンソクは上がり36秒タイプで、ゴールドドリームは上がり35秒タイプと仮定できる。テイエムジンソクは自分のペースで走り続けることができるのが長所だけど、東京でどれだけのスピードを持続させることができるのかはまだ未知数だ。だからペースよりも、馬場が軽すぎないことを願った方がいいように思える。

コパノリッキーやトランセンドが勝った年のような馬場でありますように〜。
う〜む、けっこう重要な心配な気がする。心配事を軽く超えていってくれるといいな〜。

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フェブラリーS・注目馬
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テイエムジンソク 言わずもがな

以下の3頭が絡むとそれなりに配当も期待できそうだ。
ララベル
ケイティブレイブ
サウンドトゥルー

根岸Sを1着2着したノンコノユメとサンライズノヴァの登場で、地方交流で頑張っているケイティブレイブとサウンドトゥルーが人気を落としそうだ。

自分は今回1分36秒0の決着を望んでいるので、この2頭にもチャンスがあるのではないか、チャンスよ、あれ!と願っている。

ケイティブレイブは今回も先行だろう。今月引退する目野師はこの馬に関してはずっと逃げにこだわっている。ここで逃げが打てるかはわからないけど、師の最後のリクエストだとしたら、その期待に応えようとするのではないか。逃げ、もしくは番手でこの馬の良さが発揮できるような流れになったらまだわからない。東京1600ダートで2回ゴールドドリームに負けているけど、どちらも1分35秒前半の決着だった。

サウンドトゥルーは後方待機競馬をさせるために大野からミナリクにスイッチするわけではないだろう。たとえ芝スタートが苦手だとしても、今回は前につける競馬を指示するのではないか? 同じく高木師&大野コンビのスノードラゴンも川田に乗り替わったことがあって、その時もいつもの差しではなく、先行(番手)競馬をさせていた。結果は5着だったけれど、トライしたのは間違いない。今回のチェンジは馬主の要請にすぎないかもしれないけれど、違う戦法を指示する可能性はある。

ララベルは、このレースが引退レースらしいけれど、本当はもっと早くフェブラリーSに出たかったのではないか?
父ゴールドアリュールで、ダート1600が得意で(3-3-0-0)、「実は中央のダートの方が好きでした」なんてことにはならないかな? 牝馬は01年にトゥザヴィクトリーが3着して以来馬券になってないけど、ゴールドアリュール産駒の牝馬も出走したことはない。ただの引退記念出走の可能性もないとは言えない。実際、そうだとしてもそれを覆してくれたら面白いな。

で、おもむろに週末の天気予報を見てみる。雨が降ったら今まで書いてきたことは台無しになる。雨が降らなくても、去年みたいな年もある。しょっちゅうある。だからせめて雨だけは降らないでほしい。東京は金曜日が降水確率40%。土日は10%。金曜日を乗り切れれば大丈夫そうだ。

あとは土日のダートを見て、結論を出そう。

レース後、
(実は東京のダートこそが花舞台だったのですね!)とテイエムジンソクとララベルに声を掛けられるとうれしいな。よし、今週も大向こうでひっそりと観戦だ。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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