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波乱含みのコース&レース&メンバー!/阪急杯

  • 2018年02月21日(水) 18時00分

■阪急杯(G3・阪神芝1400m内)フルゲート18頭/登録18頭


【コース総論】阪神芝1400m内 Aコース使用

・コースの要所!

★人気薄の激走率が高め。波乱傾向が強いコースであるのは間違いなし。
★内枠有利&外枠不利。開幕週のAコースで、なおさら傾向が強まりそう。
★勝率が高いのは中団待機組だが、2〜3着には先行勢が残るケースが多い。





 阪神の芝1400mは内回りコースを使用。スタート地点は2コーナー出口付近のポケットで、短距離戦ながら最初のコーナー進入まではけっこう距離がある。とはいえ、レースの流れはマイル戦よりもスプリント戦寄りで、序盤〜中盤から速い消耗戦の流れになることも多いコース。最後の直線も356.5mと短く、一気の脚で差し切るのは難しい。

 人気別成績からも、紛れがあるコースであるのは明らか。1番人気を筆頭に、上位人気の信頼度はそれほど高くはなく、7〜9番人気など穴馬の激走率が高めである。ふたケタ人気の超人気薄もけっこう馬券絡みしており、単勝適正回収値が122.7と高い10〜12番人気あたりも、狙う価値が大アリだ。

 次に枠番だが、内枠である馬番1〜6番と外枠である13〜18番では、かなり大きな成績差が出ている。平均人気の差を考慮しても「内>外」であるのは間違いなく、外枠は評価を割り引くべき。開幕週であるのを考えると、外枠不利の傾向は、このデータよりもさらに強まる可能性が高い。

 最後に脚質面だが、馬券絡みが多いのは連対率16.1%、複勝率23.2%をマークしている先行勢。しかし、勝率は中団待機組がもっとも高く、上がり最速の馬も[10-4-6-19]で勝率25.6%、単勝適正回収値201.4という素晴らしい結果を残している。以上のデータから、イメージすべきは「差し→先行」、もしくは「先行→先行」での決着で、「差し→差し」決着はそう多くはないと考えたい。

【レース総論】阪急杯(G3) 過去10年

・レースの要所!

★人気馬の信頼度はやはり低め。4〜6番人気や7〜9番人気など中穴が強い。
★開幕週の影響が大きいレース。コースデータ以上に好成績の内枠が特注。
★馬券絡みした馬の過半数が先行勢で後方待機組は全滅。ハッキリ前有利。
★年齢は5歳以下馬が優勢。斤量は「背負っている組」が断然強いレース。








 過去10年の平均配当は、単勝812円、馬連3466円、3連複3万4323円。昨年の阪急杯が3連複23万馬券、3連単248万馬券という大波乱だったことで、平均配当がグッと押し上げられている。では、昨年が「例外」だったかといえばそんなことはなく、1番人気は[2-2-1-5]で勝率20.0%という信頼度の低さ。波乱傾向が強いか弱いかでいえば、間違いなく強い。

 狙い目なのが4〜6番人気や7〜9番人気の中穴ゾーンで、そのトータル成績は[4-5-6-45]と、馬券に絡んだ馬の半数がここから出ている。また、ふたケタ人気馬が[0-0-2-66]と不振であるのも特徴で、ここはスパッと「消し」で勝負するのもアリ。穴馬券が「狙って獲れる」レースといえそうだ。

 続いて枠番についてだが、外枠不利だったコースデータとは異なる結果が出ている。レースでは極端なまでに内枠である馬番1〜6番が強く、複勝率35.0%、複勝回収値132と内容も優秀。平均人気が6.6と抜けて高いとはいえ、平均着順6.7と結果をともなっているのだから大したものだ。開幕週の影響もあって、内枠有利の傾向が強まっているのだろう。馬番1〜6番に入った馬は、今年も期待大である。

 そして脚質面にも、開幕週の影響が色濃く見られる。コースデータよりも格段に前が強く、4コーナーを6番手以内で回った馬が7勝をあげる活躍を見せている。逃げた馬が3勝しているというのも、先行勢優勢を裏付けるデータだ。上がり上位馬は好成績だが、だからといって差し優勢ではない──という点をしっかり頭に入れておきたい。

 年齢別では、5歳以下馬がトータル[8-6-8-51]で複勝率30.1%と圧倒的に優勢。1着は5歳馬が多く、3着にはやたらと4歳馬が来るという点も覚えておいて損はない。6歳以上馬と比較すると回収率ベースの数値も優秀で、人気馬だけでなく穴馬も5歳以下馬を重視するのがベター。7歳以上の高齢馬は、かなり割り引いて考えたほうがいい。

 そして、かなり重要な予想ファクターとなるのが斤量だ。牡馬56キロ、牝馬54キロという「定量」組よりも、それ以上の斤量を背負う実績馬のほうが格段に好成績。昨年のように定量組が上位を占めるケースもあるが、ここは「背負っている組」を狙ったほうが好結果を呼び込めるはずだ。

 最後に騎手関連データ。基本的には「継続騎乗>乗り替わり」という傾向だが、乗り替わりでも5番人気以内であれば、評価を割り引く必要はまったくなし。対照的に「乗り替わり×6番人気以下」だと、トータル[0-0-3-67]で複勝率4.3%とサッパリだ。継続騎乗組は人気でも穴でも狙えるが、「継続騎乗×関東騎手」のパターンだとさらにアツい。今年の登録馬では、津村ジョッキーが継続騎乗予定のアポロノシンザンがコレに該当する。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 開幕週のAコースで絶好の馬場。エアレーションの影響は土曜日に要確認。

・天候予測
 週末まで降雨はなさそうな見通し。良馬場前提の予想でまったく問題なし。

・注目血統
 サクラバクシンオー産駒◎、ハーツクライ産駒○、キンシャサノキセキ産駒△、アドマイヤムーン産駒△

 昨年末以来となる阪神開催で、絶好の芝コンディションで初日を迎えそう。エアレーションの影響で「開幕週から差しが決まりまくる」ケースもなくはないが、例年通りであれば基本的には前有利&内有利である。とはいえ、実際にどのようなバイアスになるかは、土曜日にしっかり確認しておきたいところだ。

 血統面は4種牡馬の産駒をプラス評価。筆頭評価はサクラバクシンオー産駒で、近年の阪急杯では結果を残せていないが、コース適性の高さはバツグンだ。意外だったのがハーツクライ産駒の強さで、複勝率33.3%、複勝回収値159と内容も優秀。キンシャサノキセキ産駒やアドマイヤムーン産駒の強さは、イメージ通りだろう。

★出走登録馬・総論×各論

 スプリンターズSで連覇を果たしたレッドファルクスが、ここから始動。対するは素質馬モズアスコット、初のスプリント戦でいい末脚を見せた牝馬のカラクレナイ、東京新聞杯でも見せ場のあったディバインコードなど。実績的には完全に「一強」だが、想定段階ではモズアスコットの評価が非常に高いのに驚かされた。

 当データ分析からは、かなりの混戦模様という見立て。僅差でトップ評価となったのは、ディバインコードである。阪急杯での好走率が高い4〜6番人気あたりになりそうで、4歳馬であることや、岩田ジョッキーに乗り替わる想定であるのもプラス。関東馬が意外に強いレースであることや、阪神芝での実績も魅力的だ。

 二番手評価にアポロノシンザン。前走の阪神Cでは逃げて14着に大敗したが、刻んだラップを考えると致し方なし。割引材料は6歳という年齢くらいのもので、こちらもプラス評価となった項目が非常に多い1頭だ。津村騎手の継続騎乗という強い材料もあり、人気薄でも侮れないはず。前有利な馬場バイアスにでもなれば、さらに面白い。

 三番手評価にレッドファルクス。スプリント界の王者にこの評価は失礼かもしれないが、阪神芝が初出走であることや開幕週の馬場など、ここはそれなりに懸念材料があるレース。それでも実績が実績だけに、これ以上に評価は落とせないというのが正直なところだ。斤量を「背負っている」組の人気馬らしく、上位へと確実に食い込んできそうである。

 四番手評価にモーニン。前走の阪神Cが芝での初出走で、そこで最後方から6着まで追い上げたのには驚かされた。芝2走目での慣れも見込める今回は、前走以上の結果を出せても不思議ではない。アテにはできないので過剰に高く評価するのは禁物も、だからといって軽くも扱えないという、難しいところのある1頭だ。

 以下はシュウジ、ダイアナヘイロー、ヒルノデイバロー、ペイシャフェリシタ、モズアスコット、カラクレナイという評価の序列。つまり、モズアスコットとカラクレナイはデータ面での買い材料が少なく、リターンよりもリスクのほうが高い一戦ということだ。あとは枠番次第で、高評価組であるディバインコードやアポロノシンザンには、ぜひ内枠を引いてもらいたいもの。この2頭から高配当を狙う──というのが、現時点での青写真である。


■総論×各論・先週の馬券回顧



東京11レース フェブラリーS(G1)
1着 12ノンコノユメ
2着 14ゴールドドリーム
3着 06インカンテーション

スケベ馬券失敗(#^ω^)ビキビキ

ハイペースは完全に読み通りで、差せない馬場でも前が止まれば差せるのは当然。14ゴールドドリームの単勝を買うイメージで3連単に手を出し、抜け出したときは「デキた!」と思いましたが……内田博ジョッキーが上手く乗りましたよねえ(吐息)。でも今週も、過去データに忠実な結果。次の的中も遠くはないはず、たぶん、きっと。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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