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大井の大先輩・内田博幸騎手との意外な関係性&京浜盃TR回顧

  • 2018年02月26日(月) 18時01分
ギャロップ翼

▲24日(土)の大井開催では1日3勝をマーク!(撮影:高橋正和)


18日に開催されたフェブラリーSで、大井の大先輩である内田博幸騎手が約4年ぶりにGIを制覇!笹川騎手のデビュー時には、すでにJRAで大活躍の内田騎手でしたが、そこには意外な関係性があって…?さらに自身が惚れ込む愛馬・マースインディが出走した京浜盃トライアルを回顧。4着に敗れはしたものの、直線で見せたキレ味鋭い末脚を自信に変え、クラシックに向けての確かな手ごたえを語ります。(取材・文:赤見千尋)

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。笹川翼騎手へ「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。【⇒質問フォームへ】


期待馬の実力を再認識「あの末脚は同世代トップクラス」



――フェブラリーSは4番人気のノンコノユメが豪快な差し切り勝ちでした。レースの印象はいかがでしたか?

笹川 ゴールドドリームが抜け出したところを上手くノンコノユメと内田(博幸)さんが交わして、すごく見ごたえのあるレースでしたね。内田さんの気迫が伝わって来るような、迫力ある追い込みでした。

――内田博幸騎手はもともと大井出身ですけれども、接点はありますか?

笹川 内田さんの大井時代にはまだ僕はデビューしていなかったんですけど、僕が中央に乗りに行った時には内田さんのバレットさんにお手伝いをお願いしたこともありますし、アドバイスをもらったりとよくしていただいています。本当にすごい方ですし、尊敬する先輩の一人です。

ギャロップ翼

▲大井所属時に“年間524勝”という日本記録を樹立した内田博幸騎手(撮影:下野雄規)


――最近のダート界は続けてGIを勝つ馬がなかなかいないですよね。

笹川 一時期と違って、「この馬が抜けて強い」という感じではないですよね。今は転換期なのかもしれないですし、高いレベルで強い馬がたくさんいるというか。展開とか調子次第で結果が変わって来るレースが続いているイメージです。混戦で見ている方としては面白いです。

――続いては愛馬マースインディについてお聞きします。京浜盃のトライアルである準重賞・雲取賞では1番人気4着でした。道中行きっぷりがあんまり良くないように見えたのですが。

笹川 その前のレースで折り合い重視で乗っていましたし、今回はちょっとペースが速くて。内回りのマイル戦ということもあったし、外回りとはまた流れが違いますよね。馬も少し気負っていたりして、噛み合わない部分があったんです。今、大井の馬場は改修中で、ずっと内馬場で調教しているんですよ。工夫はしているんですけど、その辺りも調整的に難しかったです。

――それでも、4コーナーを回ってからは最速の上がりでした。

笹川 あの末脚は、同世代トップクラスではないかと思っています。1番人気で負けてしまったことは残念だし申し訳ないんですけど、内容は良かったですし、あの馬の力を改めて確認しました。

――今後への課題をあげるとしたら?

笹川 もうちょっとレースの流れに乗らないと、差し切るのは難しいですよね。ただ、反応のいい馬なので、早めにゴーサインを出すと脚を使い過ぎてしまうところがあって。そういう意味では脚の使いどころが難しいです。今回は体の面でもまだ伸びしろがあると感じましたし、今後に繋がるレースはできたと思います。

――今週の水曜にはラインハートが川崎のエンプレス杯に出走します。初の川崎で、距離も初めての2100m。コースに関してはいかがですか?

笹川 正直ちょっと長いかなとは思います。小回りもそんなに得意なタイプではないですよね。この馬はとにかく折り合いが大事なので、距離やコースうんぬんよりもそこを大事に乗るつもりです。能力は高いですし、上手くハマってくれれば十分戦えると思っています。

――ララベルが引退して、牝馬戦線を引っ張っていく存在になりますね。

笹川 そうですね。どこかでダートグレードを獲って、NARグランプリの(4歳以上)最優秀牝馬とか獲れたら嬉しいですね。これまでの成績的にもそれぐらい力のある馬ですし、狙っていきたいです。

ギャロップ翼

▲「ダートグレードを獲って、NARグランプリの最優秀牝馬とか獲れたら嬉しいですね」(撮影:武田明彦)


――――24日(土)に3勝と固め打ちでした。年始はスロースターターと仰っていましたが、だいぶリズムが良くなって来たんじゃないですか?

笹川 馬が速かったおかげです。勝ち切れなかったレースもありますし、まだまだです。ただ、馬との感覚はすごく良くなってきているので、このまま怪我無く順調に行きたいです。

――平昌オリンピックで日本勢がメダルラッシュ。盛り上がりましたが、ご覧になっていましたか?

笹川 スポーツが好きなので、見られる時は見ていました。スピードスケートとか競馬みたいで、見ていて面白かったです。もちろん他競技ですから技術面は全然違いますけど、メンタル面はすごく勉強になりました。メダル確実と言われている中で結果を出すって…、しかもそれが4年に一度の舞台ですから、ものすごいプレッシャーが掛かると思います。その中で結果を出してくれて、メダルを獲ってくれて感動しました。それに、羽生結弦選手や高木美帆選手は僕と同学年なんですよ。本当にすごいなと思いましたね。

――――この世代には野球の大谷翔平選手もいますし、なんだかものすごい世代ですね。

笹川 皆さんすごいですよね。たくさん刺激を受けたので、負けないように頑張ります!

※次回の掲載は3月12日(月)予定です

1994年7月17日生、新潟県出身。2013年4月7日に米田英世厩舎(大井)からデビューすると初年度から43勝を挙げ、NARグランプリ優秀新人騎手賞を獲得。重賞勝利に勝島王冠(15年)、船橋記念(16年)、ハイセイコー記念(16年)。

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