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超ハイレベル戦でもこの馬が押し切る!/弥生賞

  • 2018年02月28日(水) 18時00分

■弥生賞(G2・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録11頭


【特注データ】〜レースデータより〜




 牡馬クラシックの登竜門とも呼ばれる弥生賞。よく知られているように、人気サイドが強いレースである。詳しくはレースデータの項目で解説するが、2番人気以内馬はトータル[8-3-2-7]で勝率40.0%、連対率55.5%と高信頼度。また、前走での人気が今回の成績に直結する傾向が強いのも、大きな特徴といえるだろう。

 前走1番人気馬は[6-3-2-15]で勝率23.1%、単勝適正回収値128.0という素晴らしい成績。「前走1番人気かつ今回2番人気以内」という条件に限れば、トータル[5-1-1-1]で勝率は62.5%まで向上する。この条件を満たしそうなダノンプレミアムとワグネリアンは、素直に「買い」が正解だろう。

 好走の必要条件である「前走3番人気以内」をクリアする馬でも、前走で芝2000m戦に出走していた馬や、前走馬体重が480キロ以上の馬は、さらに期待できるはず。この両方を満たす可能性があるのは、サンリヴァルとジャンダルムの2頭。ダノンプレミアムとワグネリアンの比較では、前走馬体重が490キロである前者のほうが信頼できる──というのが、このデータからの分析結果となる。

【コース総論】中山芝2000m Aコース使用

・コースの要所!

★多頭数でも1番人気の強さが目立つ。全体的に人気サイド優勢のコース。
★枠番の内外による成績差は意外なほど小さい。外枠でもとくに問題なし。
★差しも決まるし最速上がり馬は好成績も、優勢であるのはやはり先行勢。






 ホームストレッチの右端からスタートで、直後には中山名物の急坂が待ち構えている、中山芝2000m。最初のコーナーまでそれなりに長いのもあり、序盤はゆったり流れることが多いコースである。人気別成績では、1番人気が連対55.0%、複勝率69.7%と高信頼度で、基本的には人気サイドが強いコース。穴で狙って妙味があるのは7〜9番人気あたりで、極端な穴狙いは避けたほうがベターだ。

 最初のコーナー進入までが長いコースなので、枠番の内外による成績差は小さめ。中山芝というだけで内枠有利とのイメージを持つが、このコースに関してはそれを捨てるべきだ。もっとも成績がいいのは外枠である馬番13〜16番で、回収率ベースの数値も完全に「外>内」。ファンのイメージ先行で、内枠が過剰に人気していると思われる。外枠に入った馬でも、評価を割り引く必要はまったくない。

 最後に脚質。先行勢と中団待機組の複勝率にほとんど差がないように、イメージよりは格段に差せるコースである。最速上がり馬も、[12-4-8-26]で勝率24.0%、単勝適正回収値235.1という好内容を残している。とはいえ、基本的にはやはり先行勢が優勢で、逃げた馬がそのまま残るケースも決して少なくはない。馬場が極端に差しバイアスにでもなっていない限りは、先行勢重視の姿勢をオススメする。

【レース総論】弥生賞(G2) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気[5-2-0-3]、2番人気[3-1-2-4]と上位人気が素直に強いレース。
★内枠である馬番1〜4番が複勝率42.5%をマーク。少頭数でも要注意か。
★先行勢優勢で上がりだけでは勝てないレース。好位が取れる馬を重視。
★前走芝2000m組は1着で、前走芝1600m組は2〜3着で狙うのが面白い。









 レースの平均配当は、単勝731円、馬連7430円、3連複1万2036円と、イメージよりも高めの水準。1番人気が[5-2-0-3]、2番人気[3-1-2-4]と人気馬が非常に強いレースだが、2012年や2013年のように、紛れるときは紛れる。とはいえ、今年は少頭数となるのが確実で、実績上位とそれ以外の差が非常に大きいメンバー構成となりそう。ここでの大穴狙いは、やはり避けるべきだろう。

 コースデータと大きく異なる結果が出たのが、枠番データである。少頭数となることが多いレースとはいえ、内枠である馬番1〜4番の強さは出色。複勝回収値147、枠番値プラス0.9と内容も優秀で、狙っていく価値が十分にある。今開催の中山芝は生育がイマイチで、例年と同様にはいかない可能性もあるが、それでもこういうデータが出ているのは念頭に入れたい。

 脚質はコースデータと同様の傾向で、「やや先行有利」と見たい。上がり1〜2位の馬が5勝9連対しかしていないのは正直なところ意外で、どうやらイメージ以上に先行勢が粘っている様子。4コーナー6番手以下から差し切ったのは過去10年、2010年のヴィクトワールピサと2016年のマカヒキだけだ。クラシックを勝てる器でなければ差し切れない──といっても過言ではないか。

 面白いのが前走距離別成績。勝率が高いのは6勝をあげている前走芝2000m戦組なのだが、勝っているのはすべて2番人気以内馬。そして、馬券に絡む確率がもっとも高いのは前走芝1600m戦組で、なんと複勝率50.0%をマーク。複勝回収値も高く、こちらは2〜3着で狙うのが良さそうだ。いわば「その中間」が前走芝1800m戦組で、信頼度はイマイチだが単勝適正回収値が高いように、爆発力アリ。こちらは人気薄をマークしたい。

 前走クラス別では前走G1組が強いが、2〜3着に取りこぼすケースが多発。前走がオープン特別やG3だった馬のほうが勝率は高く、アタマを決め打つならばこちらを重視すべきか。前走が条件戦だった組からも5頭が馬券に絡んでいるが、トータルで考えると割がいいとはいえず、やはり割引。素直に、前走で重賞やオープン特別で好成績を残している馬を重視したほうがいい。

 意外だったのが、鞍上の乗り替わりがマイナスではないこと。とくに優秀なのが「乗り替わり×5番人気以内」のパターンで、その半分が馬券に絡んでいる。田辺ジョッキーから藤岡佑ジョッキーに乗り替わる想定のサンリヴァルが、上位に食い込んでくるケースも十分にありそうだ。あとは、外国人ジョッキーの継続騎乗が「1-1-1-0」とパーフェクトであるのも、覚えておきたいポイントである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 引き続きAコース。例年よりも芝馬場の内側にダメージが感じられる。

・天候予測
 週明けに天候が崩れそうだが土日は大丈夫。良馬場前提の予想で。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ルーラーシップ産駒○、ハーツクライ産駒△、クロフネ産駒△

 先週開幕した2回中山開催だが、芝の生育が遅かったのか、馬場の内側にいきなりダメージが感じられた。そのわりには前がしっかり残っていたので、実際は「見た目だけ悪い」のかもしれないが、開催が進むにつれて、内ラチ沿いがさらに荒れるケースは十分に考えられる。差し優勢の馬場へとシフトしていく可能性は、けっこう高そうだ。

 血統面では、4種牡馬の産駒をプラスに評価。ディープインパクト産駒の強さは「いつも通り」だが、注目したいのがルーラーシップ産駒の見せている高いコース適性だ。勝率や連対率はディープインパクト産駒と互角で、複勝率では上回り、回収率ベースの数値はいずれも大台を突破。今後、このコースの最強種牡馬として君臨するかもしれない。弥生賞以外のレースでも要注目だ。

★出走登録馬・総論×各論

 かなりの大器と目されている無敗馬3頭と、G1ホープフルSで上位に食い込んだ2頭が、ここで激突。少頭数になるのは確実だが、同時に超ハイレベル戦となるのも確実という、予想しがいのあるレースとなった。

 トップ評価は、朝日杯FSの覇者であるダノンプレミアム。マイルであまりに強く、気性的にも距離延長がプラスではないかもしれないが、この馬には道中かかりながら勝てるだけの能力がある。さすがにこの相手で「アタマ鉄板」とまでは思えないが、早め先頭から押し切る競馬で、大きく崩れるケースは考えづらい。この相手で今度はどんなレースを見せてくれるのか、今から楽しみである。

 二番手評価にワグネリアン。いかにもディープインパクト産駒という、素晴らしいキレ味の持ち主だ。前走馬体重が454キロと牡馬にしては小柄で、時計のかかる現在の馬場に一抹の不安を残すが、パワー兼備であるのは野路菊Sで証明済み。この強豪相手に、一気の脚で差し切るようならば、クラシックでの活躍は約束されたようなものだ。

 三番手評価にサンリヴァル。この乗り替わりがマイナスではないのは前述した通りで、ルーラーシップ産駒という血統面での「強み」を持つのも魅力的。おそらくかなり偏ったオッズになるはずで、この馬が馬券絡みした場合、配当が一気にハネることだろう。藤岡佑ジョッキーには、この馬の持ち味をフルに生かす騎乗を期待したい。

 以下はオブセッション、ジャンダルムという評価の序列だが、このあたりまで僅差であるのは言うまでもない。この条件下で大波乱が起こるとは考えづらいので、最終的な買い目はかなり絞り込みたいところ。下手すると本番である皐月賞以上に、ワクワクするレースが見られるかもしれない。


■総論×各論・先週の馬券回顧




阪神11レース 阪急杯(G3)
1着 13ダイアナヘイロー
2着 17モズアスコット
3着 06レッドファルクス

いっぱい買ってもアカンか(#^ω^)ビキビキ

キタサンブラックの有馬記念を思い出させる、13ダイアナヘイローの見事な逃げ切り。こういう「空気」が後押しするケースにおける武豊ジョッキーって、メチャクチャ強いんですよねえ。3〜6着馬を力一杯買っていてはドモナラズ(消沈)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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