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史上初!“牡牝2歳無敗チャンピオン”が揃う週末

  • 2018年03月03日(土) 12時00分


◆ラッキーライラックがチューリップ賞に、ダノンプレミアムが弥生賞に勝ったら?

 さぁみなさん、いよいよ競馬の春到来ですよ!なんてったって今週は、土曜日にチューリップ賞、日曜日に弥生賞が行われますからね。クラシックシーズンは、もうすぐそこに迫ってきました。

 しかも今年は、どちらのレースにも無敗の2歳チャンピオンが登場してきます。最優秀2歳牡馬と牝馬が両レースに出てくるのは、09年の弥生賞にセイウンワンダー、チューリップ賞にブエナビスタが出走して以来9年ぶりのことですが、その2頭はいずれもデビュー戦で負けていました。

 ためしにそれ以前を調べてみましたが、前年に土つかずで最優秀2歳牡馬と牝馬になった馬が、揃って弥生賞とチューリップ賞から3歳シーズンをスタートさせたことはありませんでした(チューリップ賞が創設された1984年以降)。

 ということは、この週末は史上初めての“牡牝2歳無敗チャンピオン揃い踏み”が見られるわけです。これって、皆既月食の翌日に皆既日食が見られるようなもの(そんなことがあるのかどうかわかりませんが)?なので、とても貴重な2日間と言えそうです。

 それじゃあ、ラッキーライラックがチューリップ賞に、ダノンプレミアムが弥生賞に勝ったら、どういうことになるのか?それも調べてみました。

 まずはラッキーライラックから。これまでに阪神ジュベナイルフィリーズとチューリップ賞を“連勝”した馬は、01年テイエムオーシャン、07年ウオッカ、09年ブエナビスタ、11年レーヴディソール、17年ソウルスターリングの5頭がいました。

 もうおわかりでしょうが、レーヴディソール以外の4頭は、桜花賞、オークス、ダービーのうちのどれかを勝って、春のクラシックでは例外なく馬券に絡んでいます。(ブエナビスタは桜花賞、オークスの2冠を制覇)。ラッキーライラックがチューリップ賞に勝って桜花賞、オークスに出てきたら、単勝と1頭軸の3連複か3連単マルチで勝負ですよ。

 一方、朝日杯と弥生賞の連勝は意外に難しいようです。今回、ダノンプレミアムが勝ったら、03年のエイシンチャンプ以来15年ぶりの快挙になります。それ以降、朝日杯を勝って弥生賞に出てきた馬の成績は、05年のマイネルレコルトと07年のドリームジャーニーが3着、09年のセイウンワンダーが8着、16年のリオンディーズが2着と勝てていません。

 そして、朝日杯を勝って弥生賞に出走し、のちに春のクラシックを制覇した、という馬は90年のアイネスフウジン(弥生賞4着、ダービー優勝)が最後。さらに朝日杯、弥生賞の両レースを制して、となると、88年のサクラチヨノオー以来現れていないのです。ダノンプレミアムは強いと思いますが、はたしてこのステップでどんな成績を残すでしょうか?

 とにもかくにも、今週のトライアルレースは興味津々ですね!

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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