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波乱になって当然のレース&登録メンバー!/フィリーズレビュー

  • 2018年03月07日(水) 18時00分

■フィリーズレビュー(G2・阪神芝1400m内)フルゲート18頭/登録27頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 よく知られているように、フィリーズレビューは「前走芝1600m戦組」が強いレース。昨年は前走芝1400m戦のカラクレナイが制したが、それでも2〜4着には、前走芝1600m戦組が食い込んでいる。トータルで見ればその差は歴然で、前走で芝1200〜1400mに出走していた馬は、人気でも過信は禁物。アンヴァルとラブカンプーはかなり買いづらく、アマルフィコースト、デルニエオール、モルトアレグロあたりも相応の割引が必要といえる。

 好成績である前走芝1600m戦組については、鞍上が「乗り替わり」のほうが期待大。フィリーズレビューというレース自体もそうだが、乗り替わりで新味を引き出されての好走例が多いのである。また、前走が東京芝1600m「以外」のほうが期待できるというのも、覚えておきたいポイントだ。

 以上のデータから、今週はクリノフラッシュ、シグナライズ、ナディア、レッドレグナントの4頭を、特注データからの注目馬としたい。次点で、キャッチミーアップ、コーディエライト、トロワゼトワル。今年は前走芝1600m戦組が少ないので、例年にも増して活躍が期待できそうである。

【コース総論】阪神芝1400m内 Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドよりも人気薄の活躍のほうが目立つコース。波乱傾向が強い。
★外枠不利で馬番13〜18番に入った馬は割引。内と中はそれほど差がない。
★中団からの差しも届くが基本的には先行勢優勢。逃げ残るケースも多い。





 2週前の阪急杯でも解説しているが、レースの流れはマイル戦よりもスプリント戦寄りで、序盤〜中盤から速い消耗戦の流れになることが多い阪神芝1400m内。距離差はたったの200mだが、チューリップ賞や桜花賞の舞台である阪神芝1600m外とは、性質のまったく異なるコースといえる。

 まずは人気別成績だが、1番人気を筆頭に人気サイドの信頼度は「並」以下で、波乱傾向は強め。素直に人気馬から入るよりも、思いきって7〜9番人気や10〜12番人気あたりを狙ったほうが面白いコースである。さすがに13番人気以下の超大穴となると手を出しづらいが、それでも10回の馬券絡みがあるのだから、ノータイムで「消し」とはいかない。人気薄の精査には、かなり時間をかけたいところだ。

 次に枠番別成績だが、外枠である馬番13〜18番の信頼度はハッキリと低め。回収率ベースの数値も物足りず、さらに枠番値まで低いのだから、これは「外枠不利」と結論づけていい。ただし「内枠有利」ではないようで、内〜中の成績はほとんど横並び。外枠に入った馬の評価を少し割り引けば、それでオッケーだろう。

 最後に脚質面。1着数に関しては先行勢と中団待機組が互角で、最速上がり馬もなかなかの成績を残している。ただし、2〜3着にきた回数は先行勢の圧勝。先行勢が勝ち切れていない面はあるが、それでも基本的には先行勢優勢だ。想定すべきは、「差し→先行」決着や、「逃げ→先行」や「先行→先行」の前残り決着。先行勢が総崩れになるパターンは、ちょっと考えづらい。

【レース総論】フィリーズレビュー(G2) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気は[2-3-0-5]と低信頼度。コースデータ同様に人気薄のほうが強い。
★内と外が強く中が弱いという面白いレース。脚質とリンクさせて考えたい。
★中団待機組が成績不振。行くかタメるかという極端なレースが功を奏する。
★鞍上が乗り替わって激走するパターン多発。キャリアの浅い馬は過信禁物。








 レースの平均配当は、単勝1536円、馬連1万2822円、3連複4万8719円という猛烈な高さ。近年こそダイナミックに荒れていないが、波乱傾向が非常に強いレースであるのは間違いない。1番人気の[2-3-0-5]という成績を見てもわかるように、人気サイドの過信は禁物なレース。思いきった穴狙いで、積極的に高配当を狙いにいったほうが面白いはずだ。

 面白いのが枠番データ。もっとも高く評価したのは内枠である馬番1〜4番で、ここから4頭の勝ち馬が出ている。枠番値もプラス0.6と優秀で、内枠に入った馬はややプラスに評価したほうがいいだろう。ならば外枠が不利に──と思ってしまうが、馬番13〜18番に入った馬の成績も優秀で、実際にイマイチなのは「中枠」なのである。このあたりは、まだキャリアの浅い3歳牝馬限定戦であるのが大いに関係していそうだ。

 さらに、脚質別成績も両極端な結果に。1着がもっとも多いのは4コーナーを11番手以下で回った後方待機組で、連対率もこの組がトップ。対照的に、複勝率が高いのは4コーナーを5番手以内で回った先行勢で、複勝回収値もこの組がいちばん高い。流れ次第ではあるが、行くか引くかという極端な競馬をした馬が好成績で、中途半端な競馬をすると勝ち負けに持ち込むのが難しいようである。

 次にレースキャリア別成績だが、簡潔にいえば「キャリア4戦以上」であるのが望ましい。そのなかでも狙ってオイシイのがキャリア5〜6戦の馬で、トータル[4-6-5-51]で複勝率22.7%、複勝回収値192と、期待値の高さはかなりのものだ。逆に評価を割り引きたいのがキャリア3戦以下馬で、連対例はすべて2番人気以内。回収率ベースの数値も低く、リスクに対してリターンが見合っていない印象を受ける。

 かなり重視したいのが、鞍上が継続騎乗か、それとも乗り替わりかである。後者のほうが格段に好成績で、単勝適正回収値や複勝回収値については、比較にならないほどの大差が出た。あとは、前走が特別だった馬のほうが格段に強いことや、前走が牝馬限定戦だった馬が強いというデータも、しっかり押さえておきたい。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きAコース。やや差し優勢で、内外では内のほうが明らかに有利な状況。

・天候予測
 木曜日〜土曜日と雨が続く。日曜日は晴れ予想も、道悪が残る可能性は大。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ダイワメジャー産駒○、ロードカナロア産駒▲、ディープインパクト産駒△

 気になるのが天候で、木曜日以降は土曜日まで雨マークがズラリ。降雨量によっては、日曜日までかなりの道悪が残る可能性がある。また、土曜日の競馬で馬場が一気に荒れるケースもありうる。先週まではやや差し優勢で、内を通れる馬のほうが間違いなく有利な状況だったが、この天候だとバイアスがガラリと一変するかもしれない。

 血統面は4種牡馬の産駒をプラスに評価。意外だったのがハーツクライ産駒の強さで、勝利数こそ4位だが、内容に関しては間違いなくトップである。あとは、多数出走となりそうなロードカナロア産駒も、コース適性の高さはかなりのもの。ダイワメジャー産駒の強さはイメージ通りで、ディープインパクト産駒も侮れない存在といえる。

★出走登録馬・総論×各論

 27頭と多数がエントリーしており、収得賞金400万の馬にとっては、かなり狭き門となりそうな今年のフィリーズレビュー。netkeiba.comの予想オッズは現在のところ、1番人気がモルトアレグロ、2番人気がアマルフィコースト、3番人気がアンコールプリュである。しかし、この3頭はいずれも「前走芝1400m戦組」であり、その信頼度が低いのは前述した通り。そうそう順当には決まらないと考えるべきだ。

 除外される可能性もあるが、注目したいのがキャッチミーアップ。出走できたとしてもまったくの人気薄だろうが、プラス評価となった項目がもっとも多いのは、なんとこの馬である。格上挑戦のクイーンCでは13着に大敗するも、ここは前走10着以下からでも平気で巻き返せるレースであり、今回と同コースで勝っているのも強み。最大の伏兵として、真っ先に名前を挙げておこう。

 二番手評価にレッドレグナント。重複登録しているアネモネSに回る可能性のほうが高そうだが、もし出走してきたら非常に面白い1頭である。前走中山芝1600mのサフラン賞(牝馬限定戦)というのは文句なしのローテで、割り引く点は3戦という浅いキャリアくらいのもの。ここで強気に逃げる競馬でもしてくれれば、データ的にはアッサリ勝ち負けになって、何の不思議もない。ぜひ、こちらでお願いしたいところだ。

 三番手評価にコーディエライト。昨年の阪神ジュベナイルFは13着という振るわぬ結果に終わったが、その前にはファンタジーSで2着、新潟2歳Sで2着と重賞で上位に食い込んでおり、ここならば十分に通用する力を有している。タイプ的に芝1400mへの距離短縮は大歓迎だろうし、プラス評価となった項目の数も十分。前走の大敗で、大きく人気を落としそうなのも魅力的だ。

 以下はトロワゼトワル、シグナライズ、ナディア、ラテュロス、アンヴァルという評価の序列で、モルトアレグロはこの次。データ的に「買い」といえる人気馬が1頭もいないという、なかなかカオスな出走メンバーとなりそうだ。3連単100万馬券すら狙えそうな雰囲気で、今から枠番決定が待ち遠しいほど。ここは徹底的に攻めの姿勢で、ブンブン振り回すのをオススメしたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース 弥生賞(G2)
1着 09ダノンプレミアム
2着 08ワグネリアン
3着 03ジャンダルム

馬連300円的中

完全な元返しだが覚悟の上(*^ω^)

それにしても09ダノンプレミアムは強かった。負けるなら「上がりだけの競馬でキレ負けするケース」と思っていましたが、番手追走から余裕綽々で押し切っちゃいましたね。中内田厩舎らしい入念な仕上げで、デキも良かったんでしょう。馬券が的中するもまったく儲かりませんでしたが、これはやむなし(自己弁護)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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