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開催ごとに楽しみな、かしわやそば・うどん

  • 2018年03月13日(火) 18時00分


◆定番はかき揚げ天の、天ぷらそば・うどん!

 月に1回くらいと考えて始めたグルメネタだが、なんとなくきっちり5回に1回というローテーションとなっていて、今回はその競馬場グルメネタの回。

 競馬場グルメに限らず一般論として、リピートしたくなる飲食店というのは、メニューの多少にかかわらず、何度食べてもいいと思える定番のメニューがあることに加え、週替りや月替りで定番メニューにはない食材のメニューが登場するようなお店が多い。

 大井競馬場のゴール前スタンド、L-WINGの2階にある立ち食いのそば・うどん『かしわや』は、まさにそんなお店だ。食べながらガラス越しに、やや距離はあるものの、パドックが眺められるというロケーションもいい。

 さすがに麺は手打ちではなく、一般的なゆで麺だが、麺も出汁も、街中や駅などにある立ち食いのそば・うどんと比べても高いレベルにあると思う。

 そして立ち食いのそば・うどんやさんで、まずぼくが個人的に求めたいのは、天ぷらが揚げたてであるかどうかということ。冷えてコチコチに固まった、まるで工業製品のような天ぷら(特にかき揚げ)を出すような店はリピートしたいと思わない。

 ここでいきなり話は逸れるが、関東圏で天ぷらそば・うどんといえば、まずはかき揚げだ。それも玉ねぎがメインのかき揚げであることが多い。メニューの先頭や食券の券売機の一番目立つところにあるのが、かき揚げ天でもある。

 しかしこれが福岡周辺の九州北部や高知の一部では、ほとんどのお店でお品書きの先頭にあるのが、ごぼう天であることに気づいたときは、ちょっとしたカルチャーショックだった。競馬場でも、北は門別競馬場から、南は佐賀競馬場まで、ごぼう天そば・うどんが食べられるお店があるので、それはまた別の機会に紹介したい。

 例によって前置きが長くなったが、大井競馬場の『かしわや』さんである。定番は、もちろんかき揚げ天の、天ぷらそば・うどんだ。

冷し天ぷらうどん

ボリュームたっぷりの冷し天ぷらうどん


 写真は、たまたま夏に食べたときのものなので、冷し天ぷらうどん。厨房の奥に業務用のフライヤーがあって、客の流れを見ながら天ぷらを揚げているので、ほとんどいつ行ってもサクサクの揚げたてが食べられる。厚さは3cm以上あろうかというボリュームたっぷり、玉ねぎメインであるものの季節によって具材は微妙に変わるようで、桜エビが入っていたり、春菊が入っていたり。今の時期なら、熱々のそばやうどんに分厚いかき揚げを浸して食べるのもおいしいし、暑い夏の時期には冷たい出汁に揚げたてのかき揚げというのも絶品だ。

 そして、かしわやで素晴らしいのが、冒頭で一般論として触れたように、限定メニューがあること。3〜4開催ごとに具材が変わる「L-WING丼」という、ご飯の丼ものは以前からあったのだが、2年ほど前から、同じく3〜4開催ごとの限定メニューとして「かしわやそば・うどん」が登場した。そういうわけで、これまでに「かしわやそば・うどん」として登場したものを紹介する。

春菊天

衣はほとんどつなぎ程度で、たっぷりの春菊が味わえる春菊天


 じゃん! まずは春菊天。個人的な好みとして言わせてもらえれば、そば・うどんの天ぷらの具材として、春菊とかゴボウはかなり上位にランクされる。しかしこれがいいかげんな立ち食いそばの店で春菊天を注文すると、衣ばっかりの冷えた春菊天が出てきてがっかりということもあるのだが、もちろんかしわやではそんなことはない。衣はほとんどつなぎ程度で、たっぷりの春菊が味わえた。

みつば天

この量のみつばの天ぷらそば・うどんが500円で食べられる


 お次はコレ。見た目は春菊天と同じ緑であまり代わり映えがしないが、これはみつば天。春菊やみつばというと、子供のころは「どこがおいしいんだろう」と思っていた人も多いと思うが、ビールの苦味と同じように、青臭い苦味のおいしさは大人になってわかるもの。かしわやそば・うどんは、だいたい500円(具材によって520円だったり550円だったりのこともある)なのだが、この量のみつばの天ぷらそば・うどんが500円で食べられるのはすごいでしょ。

ナス天

器からはみ出さんばかりの大きな長茄子


 そしてコレは、秋の味覚、ナス天。見てのとおり、器からはみ出さんばかりの大きな長茄子。このときは冷しうどんでいただいた。季節にもよるが、ほとんどのメニューで、たしか50円増しで「冷し」にもできる。秋の味覚では舞茸天もあったが、残念ながら写真が見つからない。

 そして番外編が、コレ!

豪華700円そば・うどん

星型コロッケ2個のほか、海老天、揚げ餅、ワカメという豪華版


 的場文男騎手の地方通算7000勝達成(2017年5月17日・川崎)を記念して、その後の大井開催で提供された、豪華700円そば・うどん。勝負服デザインの星型コロッケ2個のほか、海老天、揚げ餅、ワカメという豪華版だ。「的場ジョッキー、7,000勝おめでとうございます!! 今開催限定メニューです。7,000円じゃ高すぎるので、700円で販売します」ということが券売機の上のポップに書かれていた。

 そして今現在提供されている、かしわやそば・うどんは、どうやら菜の花の天ぷらであるらしい。「らしい」というのは、自分で確認したわけではなく、ネットの情報から。フジノウェーブ記念(3月7日)は現地で見たのだが、競馬場に着いたのがメインギリギリだったので、残念ながらかしわやには行けなかった。菜の花の美味しさというのも、大人になってわかるものではないだろうか。3月最終週の京浜盃の開催まで、かしわやそば・うどんが菜の花天であることを願いたい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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