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【フィリーズR】北村友騎手の“派手さのない技術”に太鼓判「もっと大きな舞台で活躍してもおかしくない」

  • 2018年03月15日(木) 18時03分
哲三の眼

▲北村友一騎手がフィリーズRで見せた“2つの好プレー”とは? (c)netkeiba.com


フィリーズレビューは8番人気のリバティハイツがアンコールプリュの猛追を半馬身差しのぎ快勝。その手綱を取った北村友一騎手は、ネクストブレイクとして関係者の中から度々名前が挙がるジョッキーで、その騎乗ぶりは哲三氏が「もっと大きな舞台で活躍してもおかしくない」と評価するほど。今回はその実力に裏打ちされた、派手さのない2つの好プレーを紹介。また後半ではこのレースで落馬となった浜中騎手に対し、元ジョッキーとしてのある気づきを解説した上で、今後のさらなる飛躍を期待します。(構成:赤見千尋)

勝敗を分けた“好スタートと好判断”


 今週振り返るのはフィリーズレビューです。8番人気だったリバティハイツが大接戦をモノにして勝利。とても見ごたえのあるレースでした。北村(友一)君の騎乗ぶりは、「ここがファインプレー!」というような派手さはないけれど、重要な部分がそれぞれ上手くいっていたと思います。

 まずスタートの切り方がとても良かった。リバティハイツは調教で見ている限りでは、まだクビの動かし方が一定ではなくて、クビの軌道がブレているところがあるように見えます。そういう馬は京都の下りだと脚が溜まり難く、良さが活かせない可能性があるんですけど、阪神の1400mならばリカバリーできるかなと思って見ていました。

■3月11日 フィリーズR(10番:リバティハイツ)

 スタートで馬の気分に任せつつもしっかり出して、その前進気勢(馬が前に進もうという勢い)を邪魔しない体幹で騎乗していたところがまずファインプレーだったと思います。

 スタートの重要性はこのコラムでも毎回のようにお話していますが、ただがむしゃらに出せばいいというものじゃない。今回の北村君は、ジョッキーが求めるスタートの中でもとてもいいスタートの切り方だったのではないでしょうか。

 トップスタートでかなり速かったのですが、その中で焦って下げずに、せっかく出た馬のスピードを持続させて3コーナーまで向かっていくという、非常にいい乗り方でした。

 以前、スプリンターズSの振り返りで、「ミルコはゲートを出しつつスピードに乗せていて、結果位置は後ろになったけれど、その方が進路が見えやすい」というお話をしました。それと一緒の理屈で、自分でしっかりスタートを切って、自分のスピードの中で他の馬をコントロールできているから、進路の取り方も見えやすかったのではないかと思います。

 それに、今回は空馬がいて外の馬が少し早めに進出する形になったけれど

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1970年9月17日生まれ。1989年に騎手デビューを果たし、以降はJRA・地方問わずに活躍。2014年に引退し、競馬解説者に転身。通算勝利数は954勝、うちGI勝利は11勝(ともに地方含む)。

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