祖母の父サンデーサイレンス譲りの勝負根性で遅れを取ることはない/スプリングS
◆ここで伏兵が好走しても、皐月賞まで追いかけては良くない
最近4年連続して500万条件を勝ったばかりの伏兵評価の馬が勝っている。ところが、その4頭の本番「皐月賞」での成績は、「10、3、6、8」着止まり。
過去10年、このスプリングSを最終ステップにして「皐月賞」で連対したのは、
▽15年 2着リアルスティール「共同通信杯1着→スプリングS2着」
▽13年 1着ロゴタイプ「朝日杯1着→スプリングS1着」
▽11年 1着オルフェーヴル「きさらぎ賞3着→スプリングS1着」
▽09年 1着アンライバルド「若駒S1着→スプリングS1着」
の4頭だが、みんな路線の主要レースでそれなりの結果を残した「オープン格」の馬であり、それがスプリングSで「1番人気」に支持され、その人気に応えて好走したあと本番に出走した馬である。
残念なことにここで急上昇した上がり馬として「皐月賞」に挑戦した馬は、本番では好走していない。
一見、スプリングSの検討とは関係ないように思えるが、そんなことはない。本番の皐月賞でも「好走必至」と思える人気馬は、このスプリングSでも高く評価していいが、本番で買う気のない馬は、もうこの時点で肩入れしなくていい。
逆に、ここなら好勝負可能という伏兵がいたなら、もちろんここで買っていいが、好走してくれたからといって皐月賞まで追いかけては良くない、という形が(たまたまかもしれないが)、連続しているのである。
この10年に限ってだが、スプリングSで「6番人気以下の穴馬」として馬券に貢献した馬は計「8頭」いるが、皐月賞で3着以内に快走した馬は1頭もいない。
人気のステルヴィオ(父ロードカナロア)は、本番でギリギリ3着ぐらいではないか(3着ならありえる)とみて、あまり強気にはなれないが、この組み合わせならという意味の中心馬にしたい。ロードカナロア産駒の中では、脚が長く見えるスッキリ体型から、2000mまでは距離の心配はないはずである。
4代母スイートコンコルド(父パーソロン)は、1984年の無敗の3冠馬シンボリルドルフの全姉。そこに「トウショウボーイ→サンデーサイレンス→ファルブラヴ→ロードカナロア」と配されて誕生したステルヴィオは、長距離型にはなりにくく、どちらかというならマイラーに出て当然だが、体型からするとあまりロードカナロア似でもなく、1800〜2000mが理想の中距離タイプに映る。
ここ2戦、目下のところ候補の筆頭ダノンプレミアムに完敗の2連敗だが、ゴール前の脚いろで見劣っているわけではなく、2戦ともに上がり33秒台で懸命に追いすがって、ステルヴィオ自身も伸びている。祖母の父サンデーサイレンス譲りの勝負根性もある。この組み合わせで差し比べなら、遅れを取ることはないだろう。
可能性を秘めるホッカイドウ競馬のハッピーグリン(父ローエングリン)と、まだ自在には動けそうもないが、今後に期待できるゴーフォザサミット(父ハーツクライ)が相手本線。