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難解な高松宮記念、実績馬と勢いのある馬どちらを取るかが問題

  • 2018年03月23日(金) 18時00分


◆レッドファルクスは取りこぼしのリスクも

 今年の高松宮記念は前哨戦がやや荒れたこともあり、予想の難しいメンバー構成に。実績馬と勢いのある馬のどちらを取るかも問題だ。

 人気はやはりレッドファルクスだろう。強さについてはいまさら言うまでもなく、前走は叩き台のレースだったうえに、伸びにくい外をよく伸びた。普通に考えたらここは勝ち負け。ただ、高松宮記念は意外と叩き2,3戦目の馬が走っていないことと、どうしても脚質ゆえに取りこぼしのリスクはある。ここまで勝ったレースも着差はわずかなわけで、ちょっとしたミスでも惜敗に繋がる。

 レッツゴードンキもタイトルホース。香港スプリントとフェブラリーSについてはノーカウントにしてもいいレースで、むしろ香港ではそれなりに走っている。桜花賞の頃とはキャラクターが変わって、いまは短距離の差し馬。ここは良い条件替わりの一戦となる。

 前哨戦の好走組ではセイウンコウセイがタイトルを持っている立場。前走が復活の足がかりになるのだとしたら、ここも当然期待できる。ただ昨年は馬場が渋りぎみで、今年とは条件が異なる。また、4回負けた後の前走好走なので、そのまま信じてよいのかという面はある。極端な枠を引いたことにもプラスとマイナスがあると思うので、そこをどう評価するかだ。

 前哨戦好走馬で買いやすいのはファインニードル。このレースに強い5歳馬で、前走もハンデ戦とはいえ背負う立場だったので斤量に対する不安はない。問題は昨年のセントウルS→スプリンターズSを考えると、いわゆるトライアルホース的な存在の可能性が残るという点。そこは今回で結論が出てくるのだろうが。左回りの好走歴が無いというか、ほとんど経験が無い点も懸念材料だ。

 ダンスディレクターは鞍上の人気もあってある程度人気になりそう。ただ阪神カップの際の乗り方が上手すぎて、そこからさらにGI勝ち負けレベルへの上積みを期待するのは酷のようにも思える。年齢的にも大きな伸びシロはないだろうし、ヒモに入れるか入れないか、というのが個人的な評価だ。

 ダイアナヘイローは好走と凡走が極端な馬なので人気が無いなら手を出してみたいような気もするが、これも前走時の立ち回りが上手かったので、再現を期待するのは酷のように思う。条件馬時代に中京で2回凡走しているのも気になる。

 レーヌミノルはマイルCSで4着できているので単なる早熟等の問題ではないと思うのだが、それにしてもこのところ冴えない。ただ前走にしても着差はわずか。いきなり勝てるかどうかは別として、きっかけひとつで馬券圏内には入りうる。

 ヒモ穴的な存在としてはナックビーナスも魅力がある。昨年が8着だから強気なことは言えないが、それ以降芝で大崩れしていないし、脚質にも幅が出てきた。今回あまり人気はなさそうなのだが、2,3着候補には意識したい。

 香港のブリザードは、向こうでやるとこのメンバーに勝てるかもしれないが、日本、それも左回りではどうか。エアロヴェロシティとは来日前の勢いが違うし、あちらは一応デビュー戦(ニュージーランド)で左回り経験があった。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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