スマートフォン版へ

ダート上級クラスへの出世が見込めるオルフェーヴル産駒リヤンドール

  • 2018年03月28日(水) 12時00分
≪3歳≫

●ウンメイノデアイ(牝 美浦・田村康仁 父ハービンジャー、母ユーアーマイン)
 母ユーアーマインは未勝利戦2着の成績がある。2代母ドリームインザサンはメジロランバダ(97年日経新春杯-GII、98年中山牝馬S-GIII)の半妹で、3代母メジロマーリンは牝馬三冠馬メジロラモーヌの全妹。旧メジロ牧場が発展させたアマゾンウォリアーの牝系に属しており、最近ではコウソクストレート(17年ファルコンS-GIII)やフィールドルージュ(08年川崎記念-Jpn1、07年名古屋グランプリ-Jpn2)がこの牝系から出ている。「ハービンジャー×ディープインパクト」の組み合わせは、ケイティクレバー(17年京都2歳S-GIII・3着)、サトノリュウガ(17年京都新聞杯-GII・4着)などが出ており悪くない。芝向きの中距離タイプ。

●エイシンエトワール(牝 栗東・中尾秀正 父ディープインパクト、母エーシンマダムジー)
 母エーシンマダムジーは現役時代にダートで3勝を挙げ、1000万クラスで上位争いをする存在だった。3代母Triple StrikeはNY牝馬三冠のひとつエイコーンS(米G1・ダ8f)で名牝Open Mindの3着となった馬で、4代母Seeker's Goldは名種牡馬Fappianoと同じく「Mr.Prospector×Dr.Fager」の組み合わせ。母エーシンマダムジーはStorm Cat、Blushing Groom、Deputy Ministerなど、母方に入って成功する血を豊富に抱えており、繁殖牝馬としては期待できる存在。ディープインパクトとの相性も上々だ。芝向きのマイラーだろう。

●ピエナルシオル(牝 栗東・飯田祐史 父ハービンジャー、母ピエナヴィブレ)
 2代母レセヴィブレはイブキマイカグラ(90年阪神3歳S-GIなど重賞3勝)の半妹で、3代母ダイナクラシックはアンバーシャダイ(83年天皇賞・春、81年有馬記念)、サクラハゴロモ(名種牡馬サクラバクシンオーの母)などと全きょうだいの関係にある良血。「ハービンジャー×クロフネ×サンデーサイレンス」の組み合わせからはノームコア(18年フラワーC-GIII・3着)、サトノアリシア(16年アルテミスS-GIII・5着)、アドマイヤローザ(17年エルフィンS-OP・2着)などコンスタントに活躍馬が出ている。本格化は古馬になってからだと思われるが、芝中距離向きで出走してくれば侮れない。

●リヤンドール(牡 栗東・矢作芳人 父オルフェーヴル、母キョウエイカルラ)
 母キョウエイカルラは「アフリート×アジュディケーティング×Raise a Native」というゴリゴリの北米血統馬らしく、パワーとスピードを武器とし、現役時代にダート短距離戦ばかり6勝を挙げた。そのなかにはジャニュアリーS(OP・ダ1200m)が含まれる。本馬はその初子。父オルフェーヴルは初年度の現3歳世代からラッキーライラック(17年阪神JF-GIなど重賞3勝)、ロックディスタウン(17年札幌2歳S-GIII)、エポカドーロ(18年スプリングS-GII・2着)などを出しているが、連対率ベースで見ると最も優れている条件は1800m以上のダート。この条件では38戦14連対(連対率36.8%)と圧倒的だ。本馬は最終的にはこのカテゴリーに収まるのではないかと思われる。父と相性のいいMr.Prospectorを持っており、上級クラスへの出世が見込める。

●ワンダーショコラ(牝 栗東・杉山晴紀 父マンハッタンカフェ、母ロックオブサリサ)
 母ロックオブサリサはロックオブジブラルタルを父に持つ外国産馬で、日本で競走馬となり、芝短距離で4勝を挙げ、準OPまで出世した。4代母Passing LookはTrumpets Blare(89年アーリントンワシントンラッシーS-米G1)、Passing Vice(93年ベイメドウズオークス-米G3)、In My Cap(85年メイプルリーフS-加G3)などの母で、大きく牝系を広げて多数の活躍馬の祖となっている。「マンハッタンカフェ×ロックオブジブラルタル」の組み合わせからはシンザン記念(GIII)2着タイセイスターリー、クレスコモア(3勝)、ショウナンタイザン(2勝)、クラウンアゲン(2勝)と、少ないサンプルからコンスタントに勝ち馬が誕生している。芝向きのマイラー。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング