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上位拮抗の混戦であるのは間違いなし!/大阪杯

  • 2018年03月28日(水) 18時00分

■大阪杯(G1・阪神芝2000m内)フルゲート16頭/登録17頭


【特注データ】〜レースデータより〜



 昨年からG1へと昇格したばかりの大阪杯。G2時代のデータを含めての分析となるので、分析結果をアテにできない面があるのは事実だが、そのあたりはどうかご了承いただきたい。少なくとも、昨年だけのデータを信じるよりはナンボかマシである。

 というわけで、特注データのコーナーでは、昨年同様に「前走距離」に注目してみた。芝1800mからの距離延長で4頭の勝ち馬が出ているレースだが、芝での距離延長組はトータル[4-2-0-34]で複勝率15.0%、複勝回収値36という低調な成績。昨年はアンビシャスなど4頭が出走して、そのすべてが4着以下に終わっている。人気でも、過信は禁物なパターンといえるだろう。

 対照的に絶好調なのが距離短縮組で、前走で芝2200〜2500m戦に出走していた馬は、総じて好成績。昨年の覇者キタサンブラックも、前走有馬記念からの距離短縮だった。距離延長組よりも高信頼度であるのはご覧の通りで、複勝率は41.7%という高さ。このレースで強い「5歳以下馬」に限れば、トータル「6-4-4-15」で連対率34.5%、複勝率48.3%と、信頼度はさらにアップする。

 今年の登録馬で「距離短縮組」かつ「5歳以下」であるのが、皐月賞馬アルアインと、前走で初重賞制覇を果たしたダンビュライト、前走のAJCCで2着に好走しているミッキースワローの3頭。いずれも、今年の重賞で好成績をあげている現4歳世代である。狙ってオイシイ配当になりそうで、ここはなおさら期待大だ。

【コース総論】阪神芝2000m内 Bコース使用

・コースの要所!

★1着馬の70%以上が3番人気以内。人気薄を1着で狙うのは難しいコース。
★枠番の内外による有利・不利は基本的に小さい。脚質次第、展開次第。
★安定感があるのは先行勢だが追い込みも決まる。決め脚はかなり重要。





 スタート直後に急坂を駆け上がり、その後に最初のコーナーへと進入。最後の直線が短い内回りで、さらにAコースよりも幅員の狭いBコースでもあるため、勝ち負けには器用さが相応に必要だ。中団〜後方のポジションからだと、下り坂である3〜4コーナーで勢いをつけて、早めにマクリに行くような競馬が求められてくる。

 そんな総合力を求められるコースであるためか、人気別では人気サイドの好成績が目立っている。勝ち馬の70%以上が3番人気以内という極端な結果で、その割を食っている4〜6番人気は、期間内になんと1勝しかできていない。基本的には人気薄を1着で狙いづらいコースだが、トータル[6-2-7-87]で単勝適正回収値157.8の7〜9番人気ならば、思いきって買ってみる手もありそうだ。

 次に枠番別成績。コース形態を考えると内枠有利&外枠不利という結果になりそうなものだが、外枠である馬番13〜16番の信頼度がもっとも高いという、意外なデータが出ている。枠番値がマイナス0.4と低いので全面的には信頼できないが、少なくとも外枠不利ではなさそう。この程度の成績差であれば、枠番をいっさい気にしないというスタンスで勝負するのもアリだろう。

 最後に脚質面だが、ここで重視すべきは決め脚の有無。もっとも信頼度が高いのは先行勢なのだが、4コーナー11番手以下から突き抜けた馬も多く、イメージ以上に差しや追い込みが決まっている。中団からの競馬で中途半端な競馬をするくらいなら、前に行くか、もしくは後方でじっと脚をタメるかという、両極端な競馬をしたほうが好結果に繋がるコース。ジョッキーの「勝負度胸」が問われるコースと言えるかもしれない。

【レース総論】大阪杯(G1) 過去10年

・レースの要所!

★順当決着傾向がきわめてに強いレース。ふたケタ人気馬の好走例ゼロ。
★枠番は判断が難しいが、「やや内」である馬番3〜8番あたりがベスト。
★後方からでも届くケースが多い。決め脚のある馬を重視すべきレース。
★年齢別では5歳以下馬がハッキリと優勢。前走の「格」も問われる一戦。








 G2時代も含むレースの平均配当は、単勝650円、馬連4882円、3連複3772円。3連複平均のあまりの低さに、ちょっと驚いてしまった。その背景にあるのが順当決着傾向の強さで、7番人気以下はトータル[0-4-0-59]と絶不調。過去10年で馬券絡みした馬の約87%が6番人気以内という、順当決着傾向が猛烈に強いレースとなっている。しかも、1番人気は連対率70.0%、複勝率90.0%という鉄板級の信頼度。高配当はいかにも狙いづらい。

 ただし、中穴ゾーンである4〜6番人気は買う価値が大アリ。トータル[3-2-6-19]で複勝率36.7%と高信頼度で、単勝適正回収値114.5、複勝回収値95と回収率ベースの数値も優秀なのだ。信頼度の低い7〜9番人気や、好走例ゼロのふたケタ人気馬ではなく、中穴から買って「どう儲けるか」を徹底的に考えるべき。買い目の構成力が求められるレースといえるだろう。

 次に枠番だが、これはなかなか判断が難しい。コースデータでは大きな有利・不利が見られなかったが、レースデータでは「どの枠番も一長一短」という印象となる。ひとケタ人気馬に限定したデータを確認したところ、最内である馬番1〜2番の成績がイマイチであることと、「やや内」である馬番3〜8番の成績が比較的優秀であることが判明した。脚質にもよるが、基本的には最内ではなく「やや内」をプラスに評価するようにしたい。

 そして脚質面。コースデータでも触れたが、コース形態から受けるイメージよりも格段に多く、差し・追い込みが決まっている。逃げ馬から後方待機組までまんべんなく馬券に絡んでいることから、大阪杯は「脚質不問」といえそうだ。ただし、上がり最速〜2位の馬が素晴らしい成績を残しているように、勝ち負けする上で決め脚は必要不可欠。前走中央G1〜G2で最速上がりをマークしている馬は、やはり侮れない。

 明暗ハッキリなのが年齢別成績。「特注データ」でも触れたが、大阪杯は5歳以下馬が非常に強いレースである。過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、じつに20頭までが5歳以下馬。6歳馬ならば実績や相手関係次第で買えるが、トータル[0-1-0-27]の7歳以上馬は、かなりの割引が必要となる。今年のように4〜5歳馬が多いと、なおさら買いづらい。

 あとは、前走レースの「格」が問われるのも特徴だ。前走が「中央G1〜G2もしくは海外レース」であるのは好走の必要条件で、前走が「5番人気以内かつ9着以内」であれば、信頼度はさらに向上。逆に、トリオンフやマサハヤドリームのように前走G3からのローテだと、ここはかなり厳しい戦いとなる。関東馬が[0-3-0-24]、関東所属騎手が[1-2-2-24]と、西高東低の傾向が相変わらず強いのも、覚えておいて損はない。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 A→Bコース替わり。内有利の傾向が加速する可能性があるので要注意。

・天候予測
 週末まで春らしい穏やかな気候が続く見込み。良馬場前提で問題なし。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ルーラーシップ産駒▲、ハービンジャー産駒▲、ハーツクライ産駒△、ステイゴールド産駒△

 今週からBコース替わり。先週までは脚質的な強いバイアスを感じない、能力や展開次第のフラットな馬場だった印象である。ただし、内外に関しては内のほうが良かった印象で、今週からのBコース替わりで、その傾向がさらに強まる可能性がありそう。土曜日の芝で先行勢がどの程度残るかで、日曜日の予想を調整するべきだろう。

 血統面は6種牡馬の産駒をプラスに評価したが、コース適性の高い種牡馬の産駒がこれだけ多いとなると、血統を基準とした評価の上げ下げ自体が、意味のないモノになってしまうかもしれない。「血統をいっさい気にしない」というスタンスで予想しても、まったく問題ないと思われる。

★出走登録馬・総論×各論

 現在の中距離戦線における主役級が、ズラリと勢ぞろいした今年の大阪杯。キタサンブラックが座っていた王座を、果たしてどの馬が継承するのか? ファンの注目度も高い、たいへん面白い一戦になりそうだ。netkeiba.comでの現在の予想オッズによると、1番人気はスワーヴリチャード。アルアインとサトノダイヤモンドが僅差で続いている。

 当データ分析の結果も、上位拮抗の大混戦。ほんのわずかの差でトップ評価となったのが、皐月賞馬アルアインだ。マイナス評価となった項目がなく、それでいてプラス評価となった項目が非常に多いという、文句なしの好内容。菊花賞、京都記念と道悪での競馬が続いたが、良馬場のほうがこの馬の持ち味は生きるだろうし、距離短縮でベストの芝2000mに出走というのも買い材料。阪神芝実績もバツグンである。

 二番手評価にサトノダイヤモンド。前走の金鯱賞は凱旋門賞以来でもあり、まだまだ万全のデキにはほど遠かったと思われる。それでも最速上がりで3着と格好はつけており、叩かれてデキも上向いてくるはず。こういった混戦模様では、この馬の最大の長所である「操縦性の高さ」が大きな武器となる。前走ではなく、今回こそが狙い時だ。

 三番手評価にシュヴァルグラン。昨年はジャパンカップで1着、有馬記念で3着と、トップクラスの能力馬であることを改めて証明してみせた。もう少し長い距離のほうがいいタイプではあるが、有馬記念から直行という距離短縮ローテは、このレースで多くの馬が結果を出してきたもの。今回は意外なほど人気を落としそうだが、この馬が勝っても誰も驚きはしないはずだ。

 以下はペルシアンナイト、スワーヴリチャード、ミッキースワロー、ダンビュライトという評価の序列。スワーヴリチャードはやはり、右回りが気がかりだ。順当決着傾向が非常に強いレースで、しかもここまでハイレベルなメンバーになると、波乱となる可能性はかなり低いはず。少ない点数でキッチリ獲るのを目標に、どう買うかを締切直前まで熟考したい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中京11レース 高松宮記念(G1)
1着 09ファインニードル
2着 08レッツゴードンキ
3着 07ナックビーナス

単勝09 550円的中!
複勝07 750円的中!

分析結果パーフェクト(*^ω^)♪

トップ評価の09ファインニードルが勝ち、二番手評価の08レッツゴードンキが2着、三番手評価の07ナックビーナスが3着という完璧な結果に。コレ以外にもいろいろ的中できて、かなり張り合いのあるリターンとなりました。しかし、3連単09→08→07に万張りしていれば600万円かあ……獲れなくもない気がする(無理)。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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