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桜花賞の主役ラッキーライラック、管理する松永幹夫調教師にお話を聞いてきました!

  • 2018年04月03日(火) 18時00分


「厩舎もラッキーライラックも、鞍上に信頼を置いています」


 春爛漫、桜満開の中、大阪杯(阪神・芝2000m)が行われました。

 スワーヴリチャード号(牡4歳)に桜吹雪が舞いましたね。おめでとうございます!

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スワーヴリチャード号に桜吹雪が舞いました!(c)netkeiba.com


 庄野厩舎、12年目に見事に咲き誇りました。スタンドでの庄野先生の「よっしゃ!」の声に感極まりました。あふれる涙にぼくもうるっときましたよ。

 流石ミルコ・デムーロ騎手だと唸らせる騎乗ぶりには、元騎手だった頃を思い出しました。こんな乗り方をして早めに仕掛け、失敗し、よく反省しましたね(苦笑)。馬の力と展開をよく読んで瞬時に動く判断力の強さだと思いました。

 ちょっと出遅れ最後方待機の競馬から、3コーナーで捲っていくのはなかなか勇気のいることです。

 向こう正面で馬群の外から一気に上がっていく。あの位置から動くのは馬の力を信じ切っての騎乗ですね。リチャードの能力にも乾杯! 後半1000mのラップは11秒台が続きましたが、ロングスパートを走り切る力がありましたね。

 GI馬に仕上げた厩舎力「チーム・庄野リチャード」。デムーロ騎手が上手い日本語で語ってくれました。

「リチャードとは昨年から一緒に戦ってきました。初めて乗せて頂いたとき、背中から大きなスケールを感じて、“凄い力を持ってるな”と思いました。力を出せず失敗したこともあったからこそ、今日勝つことができたと思います。

 庄野先生と調教の時からいろいろ相談し話し合ってきました。お互い理解し合って競馬に向かうのはとっても良いことだと思います。力を合わせてレースに臨むこんな形が大好きです。これからも結果を出して馬主や厩舎の皆さんに感謝を証明したいです」

 リチャードの成長を慌てずに待ち菊花賞へ行かずアルゼンチン共和国へ。馬がしっかり成長をするまでの我慢が成長に結びつき、結果を出す厩舎力の見極めが大切だと思いました。脱帽ですね。

 さて、ドバイワールドカップデーへは史上最多の日本馬14頭での挑戦でしたが、残念でした。ドバイターフではヴィブロス号は悔しい2着、リアルスティール号も2勝目ならずでしたが、ディアドラ号とともに3着同着と素晴らしい結果を出しました。

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ドバイターフではヴィブロス号は悔しい2着でした(撮影:高橋正和)


 ドバイに出走させることができる馬造りは、日本馬の成長を感じますね。

***

 さて今週は桜花賞(阪神・芝1600m)。クラシック第1弾開幕です。桜も満開の中行われそうですね。

 4連勝中のラッキーライラックに注目です。松永幹夫調教師にお話をお聞きしました。

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4連勝中のラッキーライラックに注目!


常石 いよいよ桜花賞ですね。2歳女王のライラックの成長ぶりを教えてください。

松永幹夫 順調に仕上がってきているので楽しみです。強い競馬もできていますし、いろいろ経験もして成長しています。

常石 4戦無敗は、すごいと思います。この馬の強さは、秘密は、どこにありますか?

幹夫 こんなレースをして欲しいということがないんですね。騎手がライラックのことをよく理解し、上手く乗ってくれていますね。厩舎もライラックも鞍上に信頼を置いています。そのあたりかな?

常石 うーん、騎手冥利に尽きますね。信頼されるのは一番うれしいですね。幹夫先生も騎手時代は信頼され、たくさん結果を出されてきましたよね。

幹夫 いやいや、失敗もして苦労もたくさんありましたよ。でもいい馬にもたくさん乗せて頂きましたね。だから厩舎としても、みんなでいい馬を作っていきたいです。

常石 活躍馬も多くいますね。アウォーディー号でドバイにも挑戦され、結果は残念でしたが、ドバイ国際競走へ出走できることがすごいと思います。過去にはラニで優勝もしてますよね。先生は騎手時代にも挑戦されて、豊かな経験が良い結果につながっていると思います。

幹夫 馬主をはじめ、みんなのおかげです。ライラックも楽しみです。調教を確かめてからドバイへ行きます(3/28取材)。

常石 アウォーディーについては豊騎手が「良い動きをしているから楽しみです」と言ってましたね。あの場に立てることがすごいことだと思います。

 ライラックは牝馬に強い幹夫先生のイメージがあるので、僕も期待が膨らみます。余談ですが元騎手時代、僕も牝馬に縁がありましたね(苦笑)。

幹夫 そうだったね。

常石 いえいえ、幹夫先生の前で恥ずかしいです。本題ですが、ライラックはずっと厩舎で仕上げてきたんですね。

幹夫 前走は10kg増で、全体的に成長し、お尻も張って筋肉が付き、背筋からトモもいい感じです。今回は、在厩で落ち着かせてきました。

 1回使った効果は大きいと思いますね。速いラップを刻みますが、今回は攻めもいらないと思っています。

 反応もゲートも速いのがこの馬の魅力です。強い馬も出走してくるのでいつも挑戦の気持ちで頑張ります。

常石 騎手時代も勝っていますが、桜花賞というレースはどんな感じですか?

幹夫 桜も満開になって気候もいいので、気持ちがいいですよね。晴れやかな気分になるのでいつも走らせたいと思いますね。

常石 一番晴れやかなレースかもしれませんね。楽しみにしています。最近ちょっといいカメラを母からもらってるのでカメラを構えて待っています。

幹夫 じゃあ、いいショットを撮ってもらえるよう頑張ります(笑)。

常石 ありがとうございました。

 いつも丁寧に取材に答えてくれる幹夫先生。ガッツポーズをお願いしましたがシャイな先生が照れて直立ポーズに。それでも、絵になりますね。

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照れポーズも絵になる松永幹夫調教師


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 対抗の牧田厩舎のアマルフィコースト号も取材してきました。

「他馬を気にするところがあるので逃げる競馬をしたいと思います。厩舎ではおとなしいのにちょっと入れ込むとこがありますが、1回使っての上積みがあると思うので、チャレンジしたいです」とのことでした。

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「他馬を気にするところがあるので逃げる競馬をしたい」とのこと



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アマルフィコーストにも頑張ってほしいという思いをこめて


 面白いレースになりそうですね。花見も兼ねて阪神競馬場へ行きましょう!

 先週は、ルーキー西村淳也騎手が初勝利、酒井学騎手は300勝、中井裕二騎手は100勝と若手騎手の活躍もうれしいです。若い騎手の魅力を見つけて、いっぱい応援してください。

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先週は中井裕二騎手がJRA通算100勝を達成!



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中井裕二騎手とヤング騎手の仲間たち


 つねかつこと常石勝義でした

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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