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キレる上位人気馬は素直に買えるか?/皐月賞

  • 2018年04月10日(火) 12時00分


◆ひねった穴狙いが可能、1着から荒れるということも視野に

 ダノンプレミアムの回避で、今年の皐月賞はワグネリアン、ステルヴィオ、キタノコマンドールといったところが人気になりそうだ。 この3頭の共通点は前走で上がり最速をマークしているということである。

 上がり最速で来るということはゴール前伸びているということであり、見た目がよいので人気になりやすい。そのぶん、そこから先の峻別を考えないと、的中頻度はあるが回収率(期待値)が低いというような馬券になってしまいやすい。

 上がり最速というのは最後方からそこそこ差を詰めただけの馬がマークすることもあるが、今回は便宜上、順位だけを基準に話を進める。

 過去20年の皐月賞で、前走上がり最速をマークしていた馬の成績は[9-6-6-70]。うち皐月賞で1〜3番人気だった馬は[6-4-5-13]で半分以上馬券に絡んでいるのだが、回収率は単58%・複78%で、やはり人気が先行していることが見てとれる。

 最悪なのは「前走上がり最速→今回上がり4位以下」となるケースで、[1-0-0-61]とアグネスタキオン以外全滅。今回前述の3頭で皐月賞の上がり1〜3位となればいいが、他の差しタイプもいるわけだから、他馬が入ってきた場合(3位タイということもあるが)その馬は厳しい立場になる。

 もうひとつ気にしておきたいのが、前述3頭のうち2頭がディープインパクト産駒ということだ。これまで前走上がり最速をマークしてきたディープインパクト産駒は皐月賞で[1-3-1-5]と勝ちきれておらず、勝ったのはディープ産駒の中でもキレない部類のディーマジェスティ。こうしてみると、人気3頭の組み合わせを素直に買うというよりは、ひねった穴狙いが可能のようにも思う。特に1着から荒れるということも視野に入れたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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