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毎日のように雨が降るアイルランド、タフな調教が強い馬を育んでいる

  • 2018年04月12日(木) 18時01分


いまだにスタート地点がわからない!アイルランドの調教施設


 netkeibaをご覧の皆さん、こんにちは。野中悠太郎です。

 アイルランドに来て調教に乗り始め、早3週間が経ちました。こちらの生活スタイルにも慣れてきて、日々いい刺激を受けながら競馬に向けて調教に騎乗しています。今回はカラの調教場を紹介しながら、日本とアイルランドの調教について、僕なりに感じたことを紹介していきたいと思います。

 普段の調教は、厩舎を出発してからすぐに速歩を始めて調教場へと向かいます。そこでまず驚きなのが、速歩をするのがコンクリートの一般道ということです。日本の馬道は、基本的に砂が敷いてあったり、音に敏感な馬のためにゴム製だったりするので、これにはとても驚きました。

 一般道なので、当然、車やトラックが通ることも日常茶飯事で、後ろから車がついてきたり、対向車線を通過することも多々あります。それでも敏感な馬を除き、ほとんどの馬が物見をすることもなく平然としているので、それもまた驚きです。

キャリアアップ

▲速歩はコンクリートの一般道で、車やトラックが通ることも日常茶飯事


 速歩をしたのち、普段はサンドコースと呼ばれる一周1800mほどのコースでキャンターを行います。サンドコースの他にも、周回コースから緩やかな傾斜につながるウッドチップのコース、直線1500mほどのウッドチップAWの坂路、いまだにスタート地点がどこかわからない芝コースなどがあります。

 ハロン棒もなく、いったい何メートルあるのか不明なコースもあったりして、とにかく広大な草原を利用した数々のコースで、馬の様子、調教のメニュー、馬場状態などから使うコースを選んでいます。

 カラの調教場は、広大な草原にただラチを置いたようなところで、内ラチか外ラチ、どちらか一方があればいいほうです。ちなみに、直線1500mほどの坂路のスタート地点に向かうダートコースには何もありません。また、サンドコースには基本的に内ラチしかなく、外ラチがある場所は限られているので、好きなところにスタート地点を設定できるようになっています。

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1996年12月29日、福岡県出身。実家が小倉競馬場の近くだったことから騎手を目指す。同期は加藤祥太、鮫島克駿、三津谷隼人。2015年に美浦・根本康広厩舎からデビュー。兄弟子の丸山元気、妹弟子の藤田菜七子に囲まれながら腕を磨く。馬券穴派からの支持が厚い。

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