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馬群をさばき前回の雪辱を果たせるか/アーリントンC

  • 2018年04月13日(金) 18時00分


◆侮りがたい強敵は多いが、快走できれば展望は大きく広がる

 前回が、結果として脚を余したに近い残念なレースだからといって、一転、今回はスムーズに能力全開が望めるというものではないが、インディチャンプ(父ステイゴールド)の前回はちょっと残念な3着だった。

 どの馬にも、どの陣営にもあることだが、この時期の重賞であと一歩の3着(条件分けの賞金加算0円)はせつない。インディチャンプの母ウィルパワー(父キングカメハメハ)は、NHKマイルCを3着などのアイルラヴァゲイン(父エルコンドルパサー)の半妹であると同時に、安田記念のリアルインパクト(父ディープインパクト)や、香港GIのQエリザベス2世Cを制したネオリアリズム(父ネオユニヴァース)の半姉にあたる。

 マイル路線を展望していたのか、ネオリアリズムのように中距離路線(つまりこの段階ではクラシック路線)も考えていたのかは定かではないが、もし、前回、ブラストワンピース(日本ダービー予定)の2着に食い込んでいたら、楽に皐月賞に向かえる賞金額に達していた。今年の場合は、皐月賞に大手を振って出走していたかもしれないのである。2着ギベオンとはクビ差の3着だった。

 3コーナー手前でちょっとかかり気味になったので引いたら、あっという間に最後方。インから抜けたブラストワンピースが上がり33秒9で楽勝した「毎日杯」のことだが、直線は前の空きそうもないインから外に回って、インディチャンプは後半33秒6で猛然と差を詰め、0秒3差の3着。道中のロスを最小限にとどめていたら、ブラストワンピースとも差はなかったと思える脚だった。

 今度は能力接近の13頭立てなので、前回(10頭立て)以上に馬群をさばくのは難しくなるが、1600mのそれなりの流れなら折り合いの心配はないだろう。残念な印象の残った前回の雪辱を果たしたい。タワーオブロンドン、エアアルマス、レッドヴェイロン、パクスアメリカーナなど侮りがたい強敵が多いので、ここで快走するとき改めて展望は大きく広がるはずである。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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