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枠番や特注データからは波乱の気配が!/皐月賞

  • 2018年04月13日(金) 18時00分

■皐月賞(G1・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録17頭


【特注データ】〜レースデータより〜 中山過去10年(9回)



 皐月賞で効果抜群の、まさに特注といえるデータがこちら。掲載しているのは、皐月賞出走馬の「2走前→前走」における、馬体重増減別での成績である。まぎらわしくて恐縮ながら、「前走→皐月賞」のデータではない点をご注意いただきたい。

 見て驚くのが、皐月賞で3着以内に好走した27頭のうち、約半数である13頭までが「前走プラス体重」であること。勝ち馬については、ほとんどが前走プラス体重といっても過言ではない。データ集計対象とした中山での過去9回で、前走プラス体重馬が連対しなかったケースはゼロ。その信頼度はご覧のとおり、「前走増減なし」馬や「前走マイナス体重」馬に比べて、格段に高い。

 さらに驚きなのが、ひとケタ人気馬に限ればトータル[7-4-2-15]で連対率39.3%、複勝率46.4%、複勝回収値155と、期待値がさらに向上するという点だ。明暗ハッキリで、前走プラス体重の馬であっても、皐月賞でふたケタ人気ならば「消し」が正解。前走プラス体重かつ、皐月賞でひとケタ人気に推された馬だけを狙うべきなのである。

 今年の出走馬は「前走プラス体重」馬が少なく、該当するのは01タイムフライヤー、08ケイティクレバー、12グレイル、14サンリヴァル、15ステルヴィオ、16ジュンヴァルロの6頭だけ。ここから、ふたケタ人気となりそうな08ケイティクレバー、16ジュンヴァルロをのぞいた4頭を、特注データからの推奨馬としたい。

【コース総論】中山芝2000m Bコース使用

・コースの要所!


★1着馬の3分の2以上が3番人気以内。基本的には人気サイドが強いコース。
★中山芝ながら内容がいいのは外枠。イメージとは異なる点に注意したい。
★勝負になるのは中団待機組まで。後方に置かれるとその時点でアウト。





 弥生賞の舞台でもある中山芝2000m。ホームストレッチの右端スタートで、直後に中山名物の急坂が待ち構えている、最初のコーナー進入までそれなりに距離があるので、序盤のポジション争いはそれほど激化せず。とはいえ、最後の直線がそれほど長くはないので、悠長に後方でじっと構えていては間に合わない。

 人気別で目立っているのは、人気サイドの勝率の高さである。18頭立てのレースでは、勝ち馬の67.4%が3番人気以内というシェアの高さで、回収率ベースの数値もかなり優秀。対照的に、13番人気以下馬が馬券に絡んだケースは、わずか2回だ。基本的には人気サイド優勢のコースで、1着に大穴を狙うような馬券はオススメできない。

 次に枠番だが、信頼度の高さだけでなく回収率ベースの数値も、トップは外枠である馬番13〜18番。数値にそれほど大きな差があるわけではないが、枠番値プラス0.4はかなり優秀である。最初のコーナーまで距離があるのがプラスに出ているのか、外枠を割り引く必要はまったくなし。これを理由に人気を落とすようなら、逆に「買い」だ。

 最後に脚質だが、こちらは先行勢と中団待機組が拮抗しているイメージ。単勝適正回収値に関しては、中団待機組が先行勢を上回っている。しかし、後方に置かれた馬は完全に蚊帳の外で、直線一気の追い込みを期待するのはナンセンス。「後方のポジションになりそうな馬を大幅に割り引く」というのが、正しいジャッジである。

【レース総論】皐月賞(G1) 中山過去10年(9回)

・レースの要所!

★人気サイドの信頼度は「並」程度で、7〜9番人気など中穴狙いがオイシイ。
★コースデータ同様に外枠が好成績。内枠はイマイチで人気馬でも過信禁物。
★上がり3位馬の好成績が示すように、先行策から押し切れる馬がベスト。
★「継続騎乗×人気薄」と「乗り替わり×上位人気」の組み合わせが儲かる。








 レースの平均配当は、単勝1103円、馬連4684円、3連複3万1814円。一昔前は、荒れるときにはドカン!と荒れるレースだったのだが、このところは鳴りを潜めている。だからといって順当決着傾向が強いわけではなく、上位人気の信頼度は「並」程度。近年は、7〜9番人気や4〜6番人気といった中穴が強いレースとなっている。

 深く掘り下げたのが「馬番」について。コースデータと同様に、もっとも内容がいいのが外枠である馬番13〜18番という、中山芝のイメージとは異なる結果が出ている。レースデータになって目立つのが内枠である馬番1〜6番の不振で、枠番値はマイナス1.1という猛烈な低さ。平均人気の高さを考えると、信頼度についても不満が残る。

 勝負にならない人気薄がノイズとなっているのかも──と考えてひとケタ人気に限定した枠番データも出してみたが、ここでもやはり外枠の強さが目立っている。それなりの人気馬であれば内枠がマイナスとはならないようだが、それでもプラス評価には至らない。枠番が買い材料となるのは、外枠に入った馬だけだ。

 面白いのが脚質別成績で、ほとんどの芝レースで信頼度がもっとも高くなる「最速上がり」の馬が、同3位の馬に逆転されている。つまり、前々からの競馬で、最後もソコソコいい脚を使っていたような馬が、皐月賞で好成績を残していることになる。4コーナー通過順位別でみても、内容がもっとも優秀なのは先行勢。差せるレースではあるが、馬券の軸足は「前」に置いておきたい。

 前哨戦別の成績で、異様に強いのが共同通信杯組。1頭が出走するかしないかという該当例の少なさで、昨年はスワーヴリチャードが6着に敗れているが、その前はゴールドシップ、イスラボニータ、ドゥラメンテ、ディーマジェスティと連続して勝ち馬を出している。あとは、若葉S組が意外に侮れないというのも、覚えておきたいポイント。中穴人気であれば、押さえておく価値は十分にある。

 最後に騎手関連データだが、簡潔にいえば「継続騎乗×やや人気薄」と「乗り替わり×人気サイド」という組み合わせが好成績。G1では乗り替わりが割引材料となることが多いが、人気馬におけるスイッチならば、皐月賞では積極的に買ったほうがいい。外国人ジョッキーも好成績だが、これに関しては「M.デムーロが鬼のように強い」というのが正しい表現。05キタノコマンドールで今年はどのような競馬を見せるのか、注目したい。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 引き続きBコース。かなり荒れてきているが意外に前が残る。フラット前提で。

・天候予測
 日曜日の降水確率が高いので注意。道悪となるケースも想定したい。

・注目血統
 ルーラーシップ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ハービンジャー産駒▲、ハーツクライ産駒△

 気になるのが空模様で、土曜日から日曜日にかけて天候が崩れそう。日曜日の降水確率が高いので、降り出す時間よっては道悪となる可能性もある。中山開催の終盤で馬場の見た目はかなり荒れているが、根付きがいいのか意外に前が残るケースが多く、極端に差し優勢のバイアスにはなっていない様子だ。

 血統からは4種牡馬の産駒をプラス評価の対象に。筆頭評価はルーラーシップ産駒で、勝率・連対率・複勝率のいずれもディープインパクト産駒を上回った。桜花賞でのロードカナロア産駒もそうだが、種牡馬の勢力図に少しずつ変化が訪れている印象で、そういう意味ではハービンジャー産駒も侮れないところである。

★出走馬・総論×各論

 まずは、筆者の事情で公開が遅れに遅れたついてお詫びを。枠番が決まっているどころか、前々日発売まで始まっているというのに……ご愛顧いただいている皆さま、申し訳ございませんでした。

 ……というわけで本編に入るが、やはり重視したいのが枠番だ。繰り返し述べてきたように、皐月賞はコースもレースも「外>内」で、内枠に入った馬は人気でもけっこう買いづらい面がありそう。枠番から買いやすい人気馬を1頭だけあげるならば、間違いなく15ステルヴィオだ。

 あとは、冒頭の「特注データ」からの注目馬が、外のほうに偏って入ったのも面白い。12グレイル、14サンリヴァル、15ステルヴィオの3頭は、これによってさらに期待度アップ。また、01タイムフライヤーも「鞍上が乗り替わる人気サイドの特注データ該当馬」であり、最内に入ったのは割引だが、そのマイナスを補えそうである。

 逆に、プラス評価となった項目の少なさが気がかりなのが02ワグネリアン。ダノンプレミアムがいないとなると、実績からもこの馬が人気になって当然。しかし、意外なほど買い材料が少ないのだ。内枠に入ったのもマイナスで、データ面からは今年の皐月賞における「危険な人気馬」とジャッジしている。

 データ分析からの最終的なトップ評価は「ひとケタ人気になった場合の」14サンリヴァルで、二番手評価に15ステルヴィオ。以下は少し離れて、「ひとケタ人気の場合の」12グレイル01タイムフライヤー09オウケンムーンという序列である。


■総論×各論・先週の馬券回顧



阪神11レース 桜花賞(G1)
1着 13アーモンドアイ
2着 01ラッキーライラック
3着 09リリーノーブル

自業自得とはいえ(#^ω^)ビキビキ

分析での上位評価3頭がキッチリ1〜3着を占めるも、ラッキーライラックが最内を引いたことで、スケベ心がムクムクと……。その結果、「リリーノーブルからラッキーライラック以外に流す」というドスケベ馬券で勝負して、1着3着と相成ったワケでござる(反省)。しっかし、アーモンドアイの末脚には正直たまげた。

※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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