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“人と馬の共生”を題材にした映画制作 Creem Panが描く「今できること」(3)

  • 2018年04月24日(火) 18時00分
第二のストーリー

▲企画書の内容に筆者も共感「人には馬の本当の幸せが何かは実際にはわからない」


「何かを悪として非難するのではなく、今できることを考えたい」



 人と馬との共生がテーマのドキュメンタリー映画「今日もどこかで馬は生まれる」の制作費を募るクラウドファンディングが4月22日午前0時で終了した。パトロン(支援者)は210人、支援総額は269万7千円と目標の170万円を大きく上回る結果となった。
 
 今回取材するにあたって企画書を読み、制作するCreem Panの平林健一さんと平本淳也さんの話を聞く中で共感できたのは、「馬の幸せ」という文言が出てこなかったことだ。私自身も当コラムでは「幸せ」という表現は例外を除いてはほぼ使用していない。というのも「馬の幸せ」と人が表現する場合、それは人の目から見た「馬の幸せ」だし、人には馬の本当の幸せが何かは実際にはわからないと日頃から考えているからだ。

 さらに言えば、馬は今という時を淡々と生きていて、幸せという概念は持っていないとも思っている。虫がまとわりついて不快と感じていたり、馬の気持ちを無視した接し方をされてイラ立つこともあるだろう。それでも馬たちは文句も言わず、今を淡々と生きている。

 私たちにできるのは、馬の身になって想像し、馬が快適に過ごせる環境をできるだけ提供することだと思う。「幸せ」という言葉を使うのは簡単だ。だが安易に「馬の幸せ」と謳うのではなく「人と馬の共生」がテーマというあたりが私の感覚にピッタリ合った。

 認定NPO法人引退馬協会の沼田恭子さんに企画書を持っていき、プレゼンテーションをした時には、心に残る励ましの言葉をもらったという。

「プレゼンテーションをした後にどうでしょうかとお聞きした時に、

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北海道旭川市出身。少女マンガ「ロリィの青春」で乗馬に憧れ、テンポイント骨折のニュースを偶然目にして競馬の世界に引き込まれる。大学卒業後、流転の末に1998年優駿エッセイ賞で次席に入賞。これを機にライター業に転身。以来スポーツ紙、競馬雑誌、クラブ法人会報誌等で執筆。netkeiba.comでは、美浦トレセンニュース等を担当。念願叶って以前から関心があった引退馬の余生について、当コラムで連載中。

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