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芝転向で重賞ウィナーに! ガンコの能力開花に驚き「まだまだ出世が見込めるんちゃうかな」

  • 2018年04月24日(火) 20時30分
小牧太

ダート時代に騎乗経験のあるガンコが、天皇賞(春)で人気の一角に!


ダート時代は、小牧騎手の手綱で500万を勝ち、1000万でも好走したガンコ。その後、芝に転向し、今週末の天皇賞(春)でも注目を集めるまでになりましたが、はたして小牧騎手は、ガンコの芝適性、ポテンシャルをどう感じていたのでしょうか。また、「逃げ馬に乗る小牧さんが好き!」というファンからの質問に、逃げ馬に対する正直な思いを明かします。(取材・文:不破由妃子)


ガンコの芝適性……正直、わからんかったなぁ



──今週はまず、逃げ馬にまつわるこんな質問から。「私は逃げ馬に乗る小牧さんが好きです。本当に上手だなーと思うことが度々あり、逃げ切るときはほかの騎手よりも鮮やかさを感じます。そこで、逃げ馬に乗るときの考え方や気をつけていることを教えてください! あと、あの鮮やかさは一体何なんでしょう(笑)?」というものです。

小牧 気を付けていることは、当たり前やけどスタートでしょう。でもね、前にも話したけど、逃げ馬はあんまり好きじゃない(苦笑)。得意じゃないという意味ではなくてね。なんせ出遅れたらそこで終わってしまうから、出遅れたときのショックがデカイ(笑)。

──逃げ馬のゲートは、プレッシャーを感じるとおっしゃっていましたよね。だからこそ、スタートが決まったときは、ついつい…。

小牧 叫ぶ(笑)。「よっしゃ、出た!」とか、よく言ってるよ。逆に出遅れたときも叫ぶよ。「あー! 出遅れたッ!」って(笑)。

──そういえば以前、高倉くんが「小牧さんはスタートが決まったかどうかがすぐわかる」とおっしゃってましたね(笑)。 質問にある、逃げ馬に乗るときの考え方については、やはり独自のものがありますか?

小牧 僕の場合、逃げ馬であっても、自分のペースで行くことを心がけてるね。下手にペースを落としたり、4コーナーであえて引き付けたり、そういうことはあんまり考えてない。ペースを落とすとマクられたりするケースもあるからね。だから、その馬のペースで気持ちよく行くようにしてる。

──人気にもよりますが、そうそう可愛がってはもらえませんからね。

小牧 せやねん。だからもう、ペースを落とすことをあまり考えずに、その馬に合ったペースで行くっていうのが僕の考え方かな。

──質問者いわく「勝ったときのあの鮮やかさは一体何なんでしょう」ということですが、“気持ちよく走らせている”というのも、そう見える一因かもしれませんね。

小牧 うん、そうかもしれんね。でも、よくよく考えたら、しばらく逃げ馬で勝ってないような…。

──そうなんですよね。調べてみたら、最後に逃げ切ったのは昨年7月のレントラー(7月8日・中京9R・茶臼山高原特別)。

小牧 そやろ? 逃げ馬に限らず、自分から動いていける脚がある馬のときは、これからも積極的な競馬をするつもりやけどね。

──続いての質問は、「小牧騎手に是非、お聞きしたいことがあります。ガンコという馬が、芝に替わってから一気に重賞ウィナーにまで上りつめ、ついにはGIにも手が届きそうな勢いです。このガンコには、ダートを使っていた時代に小牧さんもよく乗っていらっしゃいましたが、そのときから“芝に向いているな”という感触はあったのでしょうか? また、ここまで出世するほどのポテンシャルをどこか感じられたことはありましたか? 今が旬のガンコについて、いろいろ聞かせてください」というものです。

小牧太

芝転向後に日経賞を制したガンコ(撮影:下野雄規)


小牧 芝向きの感触かぁ……正直、それはわからんかった。でも、今思えば、渋ったダートは得意やったね。

──脚抜きのいい、時計の出るダートが得意だったということですね。

小牧 うん、その印象はある。ただ、乗り味とかから芝適性を感じたことはないなぁ。まぁ、僕に回ってきたときは、すでにダートをけっこう使われてきたあとやったし、選択肢もなかったからね。だから今になって、「ああ、芝のほうがよかったんやなぁ」と思いながら走りを見てるよ。

──芝適性はともかく、後々出世しそうなポテンシャルを感じたりは?

小牧 僕が初めて乗ったときに500万を勝って、2戦目の1000万も2着にきたんやけど、1000万はすぐに勝てるやろうと思ったし、上でもけっこうやれるんちゃうかなっていう手応えはあったよ。でも珍しいよね、ここまでダートを使ってから芝で能力が開花するなんて。もう5歳やけど、今の走りを見ていると、まだまだ出世が見込めるんちゃうかな。

小牧太

「ここまでダートを使ってから芝で能力が開花するなんて。まだまだ出世が見込めるんちゃうかな」

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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