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【初勝利一番乗り】西村淳也騎手(3)『武豊さんにアドバイスをいただいてすぐに初勝利!』

  • 2018年04月30日(月) 12時01分
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▲2017年の皐月賞優勝時の松山弘平騎手、西村騎手が松山騎手に憧れている理由とは? (C)netkeiba.com


デビュー時から「目標は松山弘平騎手」と公言している西村騎手。同じ兵庫県出身で、同じ阪神競馬場のスポーツ少年団出身という共通点がありますが、それ以上に目標にしたくなる深い理由があると言います。新人騎手にとって先輩騎手との関係は、礼儀作法から競馬の技術まで教えてもらえる大切な機会。西村騎手は積極的にコミュニケーションが取れるタイプだそうで、川田騎手や武豊騎手とのエピソードも明かしてくれました。(取材:東奈緒美)


人間的にも技術的にも、松山先輩からは学ぶところがたくさん


 デビューしたときの資料によると、目標の騎手は松山弘平騎手だそうですね。初勝利のインタビューでも、後ろで松山騎手がプラカードを持っていらっしゃいましたが、事前にお願いしていたんですか?

西村 はい。デビュー週から「勝ったときは、プラカードをお願いします」と松山先輩にお願いしていました。「もちろん、(プラカードを)持つよ」と言ってくださっていたので、早く勝ちたいとずっと思っていたんです。

 松山騎手のどういうところに憧れますか?

西村 とにかく周りの方からめちゃくちゃ愛されていて、そういう人柄に憧れます。あとは、GIを勝っても、それまでとまったく変わらずに接してくれたりとか。僕がもしGIを勝ったら、天狗になっちゃうと思うんですけどね(笑)。馬乗りに関しては、逃げが本当に巧いので、いつも参考にさせていただいてます。

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▲「GIを勝ってもまったく変わらない、僕だったら天狗になっちゃう(笑)」 (C)netkeiba.com


 減量を生かしたい若手にとって、前に行く技術を磨くことは大事ですものね。

西村 はい。僕自身、そういう競馬を意識しているので。人間的にも技術的にも、松山先輩からは学ぶところがたくさんあります。本当に優しいんですよね。競馬学校生のとき、1年間トレセンで実習をしたんですけど、そのときもずっと気に掛けてくださって。

 面倒見のいいお兄ちゃんていう感じですね。普段から仲がいいんですか?

西村 はい。松山先輩のお宅にお邪魔したこともありますし、本当に可愛がっていただいてます。時期はズレていますが、僕も松山先輩と同じ阪神競馬場のスポーツ少年団出身なんです。僕が在籍している当時、阪神競馬場に遊びにきてくれたこともあって、そのときもご飯に連れて行ってもらったりして。

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【憧れの松山騎手からSPコメント】
「同じ阪神競馬場の乗馬センター出身なのでがんばってほしいと思います。まだデビューして間もないのにレースを見ててもしっかり乗れているという印象ですし、僕がデビューしたころと比べても上手だなと思いますね。僕も負けないように頑張ります!」JRAジョッキー松山弘平
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 そういえば、同じ兵庫県出身ですものね。松山騎手以外の先輩にも、割と自分からグイグイ行くほう?

西村 どちらかというとそうですね。先輩とコミュニケーションを取りたいと思ったら、自分から話しかけないと始まらないので、教えてもらいたいことがあれば積極的に聞きに行くようにしています。川田さんにもゲートについて教えていただいたことがありますし。

 それはすごい! 川田騎手に話しかけられる新人はなかなかいないような…(苦笑)。

西村 そうなんですか(笑)? みなさんすごい人ばかりなんですが、川田さんのゲートの巧さって本当にすごいと思いますし、僕も少しでも近づきたいと思って。あと一度だけ、武豊さんにパトロールを見てもらったんですが、そのときはさすがに緊張しました。

 へぇ〜。それはどういう状況で?

西村 レースのあと、一緒にパトロールを見てくださって、アドバイスをしてくださったんです。今でもハッキリ覚えています。

 なるほど。同じレースに乗っていて、道中は豊さんの近くにいたわけですね。豊さんにも自分から聞きに行ったんですか?

西村 いえ、そのときは豊さんから「ちょっとおいで」と言われて。めっちゃうれしかった(笑)。

 そうだったんですね。その瞬間、「怒られる!」とは思わなかった?

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▲「豊さんから呼ばれて“怒られる!”とは思わなかった?」 (C)netkeiba.com


西村 まったく思いませんでした(苦笑)。実際、「ここはこう入っていったほうが外に出しやすいし、ロスもないから」というような、コース取りに関するアドバイスをいただいたんです。

 それって、「勝つためにはこういうふうに乗ったほうがいいよ」というアドバイス?

西村 そうですね。

 優しい! 名手ならではの余裕を感じますね〜。

西村 本当に光栄でした。そういえば、豊さんにアドバイスをいただいてすぐに初勝利を挙げられたんですよ。

 じゃあ、ひょっとして初勝利は豊さんのおかげ!? それにしても、みなさん優しいですね。

西村 はい。僕がいろいろ聞きに行くと、みなさん絶対に最後まで丁寧に教えてくださいますし、いつも見ていないようで見ていてくださっていることを感じます。先輩方には感謝しかないですね。

(次回へつづく)

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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