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日本産馬サクソンウォリアーの無敗制覇なるか!? 英二千ギニー展望

  • 2018年05月02日(水) 12時00分


◆ここを白星でクリア出来れば、2冠が現実味を帯びる

 先週お届けした牝馬のG1千ギニーに続いて今週は、5月5日にニューマーケットで行われる牡馬3冠初戦のG1二千ギニー(芝8F)の展望をお届けしよう。

 30日に設けられていた登録ステージで17頭が出走への意志を示した中、前売り1番人気の座にあるのは、A.オブライエン厩舎のグスタフクリムト(牡3、父ガリレオ)だ。

 重賞入着馬マッサーラの9番仔で、G1伊グランクリテリウム(芝1600m)勝ち馬ナヤーラの半弟にして、G1セントジェームスパレスS(芝8F)3着馬マーズの全弟にあたるグスタフクリムトは、昨年7月にカラのメイドン(芝7F)を制しデビュー2戦目で初勝利を挙げると、続いて出走したニューマーケットのG2スーパーレイティヴS(芝7F)も勝って重賞初制覇を果たし、この段階でクラシック候補と目される存在となった。ここまでの3戦で2歳シーズンを終えた同馬の、3歳初戦となったのが、4月14日にレパーズタウンで行われたLRバリーリンチスタッド二千ギニートライアル(芝7F)で、ここでのグスタフクリムトは、9か月の休み明け、極悪馬場という2つの課題をクリアして優勝。この勝利によって、二千ギニー1番人気の座に躍り出ることになった。

 これを追うのが、接近したオッズで2番手グループを形成している3頭である。

 1頭は、C.アップルビー厩舎のマサー(牡3、父ニューアプローチ)だ。ゴドルフィンの自家生産馬マサーは、牝馬ながらG2UAEダービー(AW1900m)を制したコウラーの2番仔である。2歳時は5戦し、G3ソラリオS(芝7F)を含む2勝の他、G1ジャンルクラガルデル賞(芝1600m)3着などの実績を残した。

 今季初戦となったメイダンのLRアルバスタキヤ(d1900m)は、ダートが合わずに10着に大敗したが、ガラリ一変した競馬を見せたのが、4月19日にニューマーケットで行われたG3クレイヴンS(芝8F)だった。ここでマサーは後続に9馬身差をつける圧巻のレースを見せ、一気に二千ギニーに上位人気に急浮上したのである。

 2番手グループの1頭は、日本の皆様にも既にお馴染みのサクソンウォリアー(牡3、父ディープインパクト)だ。11年のG1モイグレアスタッドS(芝7F)勝ち馬メイビーが、引退して繁殖入りすると日本に渡り、ディープインパクトを交配されて日本で生まれたのがサクソンウォリアーだ。母と同じA.オブライエン厩舎に入り、2歳8月にデビュー。カラのメイドン(芝8F)を制してデビュー勝ちを果たすと、続いて出走したナースのG2ベレスフォードS(芝8F)を勝って重賞初制覇。更に、英国におけるダービーへの登竜門とされるドンカスターのG1レイシングポストトロフィー(芝8F)に駒を進めると、ここも勝って無敗の3連勝でG1制覇を果した。

 この段階で、英ダービーへ向けた前売りでは1頭抜けた1番人気となり、二千ギニーへ向けた前売りでもグスタフクリムトらと1番人気を争う存在となったが、その立場に微妙な変化を起こしたのが、マサーが圧勝したクレイヴンSだった。このレースで、オッズ1.62倍の圧倒的1番人気に推されながら、勝ち馬から9馬身+頭差の3着に敗れたロアリングライオン(牡3、父キトゥンズジョイ)は、昨年10月のG1レイシングポストトロフィーでサクソンウォリアーの首差2着に入っていた馬で、ロアリングライオンの評価が急落すると、これに呼応してサクソンウォリアーの評価も微妙に下がることになったのだ。サクソンウォリアーにとって、二千ギニーが今季初戦となるが、順調に冬を越し、馬体も大きく成長したと伝えられている。

 そして、2番手グループにいるもう1頭が、エラーカム(牡3、父フランケル)である。03年から05年にかけて現役生活を送り、G1英千ギニー、G1愛千ギニー、G1コロネーションS(芝8F)、G1サンチャリオットS(芝8F),G1メイトロンS(芝8F)と、5つのマイルG1を制したアトラクションの8番仔となるエラーカムは、タタソールズ10月1歳市場に上場され、160万ギニー(当時のレートで約2億3185万円)という高値でシャドウェルに購買されている。母も手掛けたマーク.ジョンストン厩舎に入った同馬のデビューは昨年の9月で、ヨークのメイドン(芝7F)を3.3/4馬身差で制して緒戦勝ち。続いて出走したニューマーケットのG3ソマーヴィルS(芝7F)も2.1/4馬身差で制し、無敗の重賞制覇を果した同馬は、その一戦をもって2歳シーズンを終了。二千ギニーが今季の初戦となる。

 この4頭による争いになると見られている二千ギニー。サクソンウォリアーがここを白星でクリア出来れば、2冠が現実味を帯びることになる。その行方に注目したい。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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