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オーストラリアで修業中の坂井瑠星騎手、着々と勝ち星を積み重ねる

  • 2018年05月03日(木) 18時00分
ビクトリア競馬便り

▲矢作調教師と坂井騎手(C)netkeiba.com


(5月3日号 文=ポール・シムズ)

 昨年11月からオーストラリアに長期遠征をしている日本の若きジョッキー・坂井瑠星騎手(栗東・矢作厩舎所属)が先月2勝を挙げ、現地通算6勝目を挙げた。

 現在20歳の坂井騎手は遠征当初、不注意騎乗により騎乗停止処分を受けるなど、大変な経験をしたようだが、ビクトリア州のリーディングトレーナーの1人であるトロイ・コーステンス調教師の指導の下、徐々に自信を持っていったようだ。

徐々に経験を積んでいき、遂に手にした待望の初勝利


 オーストラリアで坂井騎手が初勝利を挙げたのは、今年3月、サウス・オーストラリアのぺノン競馬場での1Rだった。さらに、3月下旬にアデレードのモルフェットヴィル競馬場で、フィリップ・ストローク調教師の管理馬キャプテンダッフィーという馬に騎乗し、シティ開催初勝利を挙げたのだ。坂井騎手は、今週土曜日にモルフェットヴィル競馬場で行われるオーストラリアン・オークス・デイで、再びキャプテンダッフィーに騎乗する予定である。

ビクトリア競馬便り

▲坂井騎手にシティ開催初勝利をもたらしたキャプテンダッフィー


 日本の競馬を良く知るストローク調教師は、仕事でしばしば北海道の牧場を訪れており、彼の奥様は日本人で、坂井騎手の現地での生活のほか、語学研修についても様々なサポートを行っている方である。

 坂井騎手は、イッツハンフリーとのコンビで4戦4勝と非常に相性が良く、彼がオーストラリアで6勝目を挙げたのもこの馬によるものだ。さらに、今年のドバイWCで、彼が師事している矢作芳人調教師が管理するリアルスティールの調教に騎乗するため、ドバイに滞在し、海外での騎乗経験も徐々に増えているようである。

 矢作調教師自身もまた、1980年代初めに、トニー・コーステンス師の父、レオン・コーステンス厩舎や、メルボルンC12勝の伝説の調教師バート・カミング厩舎で修業をしており、現在も時々オーストラリアに足を運んでいらっしゃるようだ。

 坂井騎手は、半年の研修期間を終えて今月末に日本へ帰国する予定だが、私は、彼がオーストラリアで学んだ経験を生かして、日本で活躍することをとても楽しみにしている。また、今後も坂井騎手のような若い日本の騎手たちが、オーストラリアでチャレンジする機会が増えることを願っている。
(※坂井騎手は一時帰国して5月19日から27日まで日本で騎乗したのち、当初予定していた半年間の遠征期間を延長して、再びオーストラリアへ戻ることになりました)

1864年に創設された、オーストラリアのビクトリア州における競馬主催団体。メルボルンCなどの大競走が行われるフレミントン競馬場をはじめとした、ビクトリア州各地の競馬場で開催される競馬の運営・統括をしている。近年では日本調教馬の移籍も多数実現しており、日豪の関係に重要な役割を担っている。

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