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今年からトライアルが増えたNHKマイルC、セオリーは…

  • 2018年05月04日(金) 18時00分


◆好走馬重視ならアーリントンC組を評価

 アーリントンCがトライアル化されたことで今後どのように傾向が変わっていくか分からないが、NHKマイルCのセオリーはニュージーランドTの連対馬を信用しすぎないことと、クラシック路線からの転向組を重視すること。後者が走ってくるようだとアーリントンC組も苦しいと思うのだが、今年は転向組に絶対的な存在はいない。そのぶんマイル色の強い馬にはチャンスだが、それでもニュージーランドTの連対馬は軸にしづらい。好走馬重視ならアーリントンCのほうだろう。

 先にニュージーランドT組に言及しておくと、連対してきた馬はNHKマイルCで過去10年[1-1-0-16]。カツジにしてもケイアイノーテックにしても軸にするのは怖いし、目をつぶって消す手もある。敢えてどちらかを取るとしたら個人的にはケイアイノーテックのほう。朝日杯4着があるし大きく崩れないタイプ。平田厩舎はカレンブラックヒルでニュージーランドT1着→NHKマイルC1着のデータ破りに成功したこともある。

 このレースからは、ダメ元の穴馬を選びたいというのが個人的な意見。前走着順より前走人気順で見たほうが本番での結果が良いので、カシアスの巻き返しあたり。同じ趣旨でファストアプローチやリョーノテソーロでもよいと思う。

 前述の通り、アーリントンC組は素直に前走着順を評価。タワーオブロンドンは持ち時計や鞍上のコース成績といったプラス要素が多い。こちらは人気でも評価を下げづらい。パクスアメリカーナは父自身のころからこのレースと相性の良いクロフネ産駒という点が魅力。

 その他のレースから来た組ではギベオンが上位人気になりそう。今回の条件なら上がり勝負にはならないだろうし、距離短縮で臨む形はNHKマイルCでは良いパターン。マル外の成績が主だが、毎日杯は特に良いステップレースとして機能してきた。

 距離短縮組ではもう1頭、ルーカスに注目している。冒頭に書いたようにクラシックからの転向組はこのレースでの良いパターン。ピリっとした脚が無いので勝ち切れるイメージはないが、器用さが無いぶん中山→東京のコース替わりが効く可能性もある。ボウマン騎乗も魅力。

 牝馬では東京との相性でテトラドラクマが売れそうだが、先行タイプが残れる展開になるかどうかで結果は大きく変わりそう。配当妙味を考えるなら牝馬だとプリモシーンが面白い。脚質的にテトラドラクマとの両立は難しいだろうから、差し決着の想定で似た脚質の牡馬と組み合わせてみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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