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今年は4歳馬が10頭出走!ヴィクトリアマイル人気馬の追い切りチェック!

  • 2018年05月09日(水) 18時00分


前走時より速い時計を出してきたリスグラシュー


 来週はオークス、再来週はダービーということで、春の3歳クラシックも大詰め。これに伴って、次期POGの話題があちらこちらで出始めています。実際、栗東トレセンにも2歳馬が着用する緑ゼッケンがいろんなところで調教されています。そこで驚くのはディープインパクト産駒の多さ。今の時期からこんなにたくさんのディープっていたっけ?くらいの感じです。

 そして、そのディープ産駒が見映えして困ります(笑)。GW明けに入厩を予定している良血ディープもたくさんいるので、これからはもっと2歳が賑やかになってきそう。netkeiba.comのPOGもありますし、そろそろ情報収集されてはいかがでしょう。私もPOG関係のお仕事をたくさんやらせていただいているので、オススメはそちらを中心に見ていただければ。

【ヴィクトリアM/リスグラシュー】

 前走の追い切り本数は4本ですから、標準からは少なくなります。しかし、いつも少なくても好走するタイプで東京新聞杯はその典型。中11週でも4本ですから、本来なら本数不足と判断してもよいところ。それを牡馬相手に快勝するわけですから、本馬の場合は本数より中身。

 2走前1着時の最終追い切りは坂路4F49.8秒。これが自己ベストを更新しており、動ける状態だからこそスピードが出たという判断でよかったのだと思います。前走時の最終追いは坂路4F51.3秒。決して遅い数字ではありませんが、本馬にとっては4F50秒がひとつのめやす。そういった意味ではここへのひと叩きだったと思えますし、今回は1週前追いで4F49.9秒。この数字を出したこと自体を評価すべきだと思います。

リスグラシュー(5月8日撮影)

自己ベストに近い数字を出してきたリスグラシュー(5月8日撮影)


【ヴィクトリアM/ミスパンテール】

 そりゃあ見映えよく見えるよなあと思ったら、馬体重が506キロ。実はこの数字、惨敗時も連勝時も大きな違いはありません。しかし、昨年の今頃と今では見た目のボリューム感が全く違います。これは普段の調教から落ち着きが出るようになったという気性の成長が大きな影響を与えているのでしょう。

 それがCWでの1週前追い切りで速い時計を出すことができたり、最終追い切りも加減することなく、坂路で4F53.9秒、1F12.5秒という数字をマークできたことにつながっていると思います。最終追いの数字自体は遅く思えますが、3Fだと38.2秒と決して遅くありません。そしてなにより、弾むようなフットワークで動けていたのが充実の証。本命にするかどうかはまた考えるとして、重い印を打つべき状態にあることは間違いありません。

ミスパンテール(5月9日撮影)

心身共に成長し充実一途のミスパンテール(5月9日撮影)


【ヴィクトリアM/レッツゴードンキ】

 2016年、2017年とこのレースに参戦して惨敗。着順だけでなく、勝ち馬からの着差を考えても、このレースに対する適性が低いのかも知れません。調教内容としても、過去2年と今回はほぼ変わりなし。だったら推し材料はないと思いましたが、最終追い切りでひとつ明るい材料を見つけることができました。

 それが坂路での4F目のラップ。今回は11.9秒ですが、京都牝馬S以降で4F目12秒を切ってきたことが2回ありますが、それが京都牝馬S1着時とスプリンターズS2着時。これが好走のめやすだと判断すれば、今年は3度目の正直があっても不思議ないと思います。

レッツゴードンキ(5月8日撮影)

好走時と近いタイムで追い切ったレッツゴードンキ(5月8日撮影)


【ヴィクトリアM/レッドアヴァンセ】

 馬体重のことを気にしていた頃は追い切りを手控えることも多かった馬ですが、2走前のユートピアSはしっかりと時計を出す追い切りで馬体重が16キロ減。それでも結果が出たことについて「体重のことを気にして、攻めを控えると結果が出ないということが分かった」と音無秀孝調教師。結局、前走の休み明けも1週前追い切りで速い時計をマークして、増減なしの体重に仕上げたことが重賞2着という結果になりました。

 今回も1週前追い切りをしっかり。一杯に追うアメリカズカップに対して、こちらは手応え余裕で先着。4F51.4秒という時計も速く、負荷としては申し分ありません。最終追い切りも4F53.0秒はさほど速くないものの、1F12.2秒は速いラップです。今の5歳世代はアドマイヤリード、デンコウアンジュですが、桜花賞やオークスではこれらと差のない競馬。そのライバルが昨年の1着2着ですから、ここで能力的に通用しないということはありません。

レッドアヴァンセ(5月8日撮影)

OP馬相手に余裕で先着したレッドアヴァンセ(5月8日撮影)


【ヴィクトリアM/アドマイヤリード】

 昨年の優勝馬。東京新聞杯の調教内容はいかにも不調を感じさせるもので、最終追い切りもらしくない動きでした。そして、前走は坂路4F50.3秒で併せ馬はアドマイヤゴッドに先着。中間の併せ馬はすべて先着していたように、2走前からはかなり復調している印象。

 そして今回。坂路での4F時計55.9秒はかなり手控えたという印象。ちなみに昨年の最終追いは4F53.4秒。数字としては2.5秒差ですが、昨年は阪神牝馬Sが56.8秒だったという前提があります。本番に向けて速い時計の追い切りを消化する、これがひとつの好走パターンだとすると、前走の速い時計がひとつの鍵になります。最終追い比較では、昨年と真逆、これがレース結果にどう影響するでしょうか。

アドマイヤリード(5月2日撮影)

昨年時とは真逆の調教パターンがどう影響するか気になるアドマイヤリード(5月2日撮影)


◆次走要注意

・5/6 新潟大賞典【ハクサンルドルフ】(4人8着)

 今回もメンバー最速上がり。ということは距離は全く問題なかったということ。スローペースの展開は戦前から予想できたこと。だったら、それに対する準備として、直線一気の脚を使うための進路予想をしておくべきでしょう。

 新潟芝2000mは最高の舞台。乗り手が替わって、今回と同じ仕上げができれば、今度こそチャンス到来です。

[メモ登録用コメント] [新潟記念]最終追い切り栗東坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・ヴィクトリアM【ジュールポレール】

 昨年の3着馬ですが、どうやら今年は人気落ち。確かに前走のレースぶりはここで買いたくなるかというと首を捻ります。しかし追い切り内容は2週続けて抜群。勝ち切った時の最終追いが2F目から12秒台を踏んでいたことを思えば、今回の最終追いは勝ちパターンです。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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