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アーモンドアイに立ち向かえる馬はいるのか? オークスの追い切りチェック!

  • 2018年05月16日(水) 18時00分


ラッキーライラックは力強さが満載!


 先週のヴィクトリアマイル。レースは現地観戦でしたが、予想は○注◎でほぼ完璧予想。レース直後はうれしすぎて、検量室前までダッシュ(笑)。ジュールポレール陣営と喜びを分かち合いましたが、そこで印象的だったのが、レッドアヴァンセに騎乗していた北村友一騎手の表情。悔しいというよりも、すごく落胆した表情で「勝ったと思ったんだろうな」という感じ。きっとこの感触を何度も掴んで、藤岡佑介騎手のような初GIの喜びを得るのではないでしょうか。

 さて、今週はオークス。アーモンドアイは1週前の調教VTRを見るかぎり、盤石の状態で出走ということになりそうですね。それだけに栗東所属馬が桜花賞馬に立ち向かうには相当厳しい状況といった気もします。さて、ウマい馬券はどんな印を打って、どんな馬券の組み立てにすべきか。今から頭を悩ませています。

【オークス/ラッキーライラック】

 前走後から「もうマイルを走ることはないと思うので」とトラックオンリーでの追い切りになることを示唆していた担当の丸内永舟調教助手。この中間はその通り、CWでの追い切りしかありませんが、これがまさに実になっている、それを実感することができた最終追い切りでした。

 シャンティローザを追走していましたが、6F標識では2馬身ほど後ろ。しかも入りのラップが遅かったので、追い抜こうとして行きたがるところですが、そういった仕草が全く見られません。とにかく気分よく、それでいて力強さが満載。それを各ハロンで継続していき、最後の直線、ラスト1F標識手前で仕掛けられると矢のような伸び。この緩急はまさにオークス向きだと思います。

 時計は6F85.9〜5F69.3〜4F54.0〜3F38.7〜1F11.4秒。全体の負荷が軽いのでは、という方もいるかもしれません。しかし私はゆっくり走ることができた追い切りに意味があったと思います。あとはゲートインを待つばかりといったところでしょう。

ラッキーライラック(5月16日撮影)

あとはゲートインを待つばかりといったところのラッキーライラック(右・5月16日撮影)


【オークス/リリーノーブル】

 前走後、在厩のまま調整してきたこともあり、馬体がかなりシャープになってきた印象。これによって、馬がギスギスしてこないか心配していましたが、それは杞憂に終わったようです。それは見た目だけではなく、最終追い切りにも表れています。

 CWに2コーナーから入場して、6Fで時計を出すのは前走と同じパターン。しかし前回と違うのは3コーナーからかなり速いラップを踏んだ点。その分、時計が速くなって、6F79.6〜5F63.2〜4F49.9〜3F36.7〜1F12.0秒。現時点ではこれだけやれた攻めの内容を評価したいところです。

 ただ、道中の走りを見ていても、やっぱり力みがあるのはラッキーライラックよりはマイナス。この馬自身としてはかなり落ち着きが出た方ではありますが、頭の高い走りが完全に修正されたというところまではいっていません。だからといって距離が持たない理由にはなりませんが、道中でスムーズさを欠くような事象が起こった時にロスなく対応できるかどうか。ここが最後の伸びに影響するような気がします。

リリーノーブル(5月16日撮影)

これだけやれた攻めの内容を評価したいリリーノーブル(5月16日撮影)


【オークス/サトノワルキューレ】

 陣営コメントで馬体減を心配する内容が出ていましたが、個人的にはあまり気になっていませんでした。それだけに最終追い切りも前走程度の内容になるのかなと思っていましたが、予想以上に時計が遅い。これが率直な感想です。

 前走時の最終追いが坂路4F53.2秒に対し、今回が4F57.5秒。比較的走りやすかった16日の馬場で4秒以上遅くなっている時計はやっぱり気になります。しかし、これまでで一番レース間隔が詰まるわけですし、再び東京競馬場までの輸送があります。そんな状況を考えれば、これがベストと陣営は判断したのでしょう。ただ、いつもと変わらない調教がベストと判断すれば、この時計の振り幅は大きすぎます。

サトノワルキューレ(5月15日撮影)

予想以上に最終追い切りの時計が遅かったサトノワルキューレ(5月15日撮影)


【オークス/オールフォーラヴ】

 一戦ごとにレース内容に幅が出てきている印象を受ける馬。中4週、中5週と適度なレース間隔をとっていることによって、ダメージなく、調教を緩めることなく、レースを使えています。今回もトラックと坂路を併用して、しっかりと仕上げています。

 1週前追い切りが芝馬場で和田竜二騎手が跨っての走り。常に鞍上の指示を待てる状態で走っていましたし、下が緩い状態で動けていたことを考えれば、馬場が渋ってもきっちり対応できそう。あとは前日輸送や左回り、といった部分に対応できるかどうかで桜花賞組に割って入ることになりそうです。

オールフォーラヴ(5月16日撮影)

馬場が渋ってもきっちり対応できそうなオールフォーラヴ(5月16日撮影)


【オークス/レッドサクヤ】

 あまり強い追い切りを課すタイプではないと思っていただけに、1週前追い切りのCWはちょっと驚きました。ルペールノエルを大きく追走して、大きく先着。6F79.9秒、1F12.2秒は全体も終いもかなり速い時計でした。

 その分というわけではないのでしょうが、最終追い切りは6Fが86.4秒。前半からゆっくり進めて、最後をしっかりの1F12.3秒。先週同様、福永祐一騎手が跨っていましたが、折り合った走りでいい動きだったと思います。全姉エバーブロッサムがオークス2着という実績があるだけに、血統的な評価はできるでしょうし、あとは順調な現状でどこまでといったところ。

レッドサクヤ(5月16日撮影)

先週同様、折り合った走りでいい動きだったレッドサクヤ(5月16日撮影)


◆次走要注意

・5/13 ヴィクトリアマイル【ソウルスターリング】(5人7着)

 予想は無印、最終追い切りを見てもピンとこなかった馬ですが、パドックを見て、前走よりも良くなっている印象。それがレース結果にも表れたような気がします。次走は安田記念でしょうが、追い切り次第では当然注目の存在になりそうです。

[メモ登録用コメント] [安田記念]最終追い切りラスト1F最速ラップで併せ先着なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・メルボルンT【アフリカンゴールド】

 前走時にCWで2周調整の効果が出るだろうとウマい馬券でも本命。結果が出て中2週ですが、その勢いは止まりそうにありません。最終追い切りも素晴らしい動き。今回も引き続きの松若風馬騎手なら結果を求めたくなります。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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