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勝ち馬には血統的な背景があるオークス

  • 2018年05月19日(土) 12時00分


◆新種牡馬産駒の戦い方に注目

 オークス2400米という距離は、この時期の牝馬にとっては並大抵のことではない。ほとんどが初めての距離を戦うのだし、勝ち馬には血統的な背景があった。

 5年前のオークス馬メイショウマンボは桜花賞10着からの折り返しだったが、父が春の天皇賞馬だった。直線に向いた時の手応えが十分でしっかり伸びていた。

 4年前のヌーヴォレコルトは桜花賞3着からの勝利だが、ハーツクライの産駒だし、東京と中京の左回りで2勝していたのも味方していた。

 その後のミッキークイーン、シンハライトはディープインパクト産駒で実績もあったが、昨年のソウルスターリングも、父がフランケルに母が仏オークス馬なので、桜花賞3着をはねかえしての勝利は十分に納得できた。

 この5年でオークスに出走した桜花賞馬は4頭だが、2014年2着のハープスター以外は全て4着以下に敗れていた。

 4着に終ったアユサンは、自分のレースはしたが、若干距離が長かったと言い、10着に大敗したレッツゴードンキは、自分のペースで走れればと思ったが気の勝った面が出てしまったと、そして昨年のレーヌミノルは、好位で折り合ったが追ってからの反応が悪かったと、それぞれ敗因を述べていた。

 桜花賞馬でオークスも勝った馬は、ブエナビスタ、アパパネ、ジェンティルドンナの3頭がこの10年でいるが、やはりインパクトがある。

 今年のアーモンドアイは圧倒的な末脚が武器で、東京のマイル戦で初勝利を上げている点が魅力になる。桜花賞2着のラッキーライラックは正攻法の戦い方に好感が持てたし、この2頭は、一方がロードカナロアで他方がオルフェーヴル、いずれも新種牡馬の産駒という新鮮味がある。

 優れた繁殖牝馬を見い出すクラシックレースという視点からは、この2頭の戦い方は、今後の競馬に与える影響は大きい。

 オークス戦線で注目される前哨戦は、フローラステークスと忘れな草賞だが、ともに2000米。特にフローラステークス組は、左回りの東京という点が強味で、ここで好走した馬の活躍は、当然と言えば当然なのだ。

 でも母がエリザベス女王杯馬のアーモンドアイが、ジェンティルドンナ以来の春二冠を達成するかが最大の焦点だ。

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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