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「穴党記者対談! 日本ダービーで狙える穴馬とは?」<第15回>山河浩×川上大志

  • 2018年05月21日(月) 18時00分
山河浩×川上大志

穴党が多い東スポのなかでも抜群の知名度を誇る山河浩記者(左)と、報知の若手穴党のホープ、川上大志記者(右)。



大本命ダノンプレミアムの戦線離脱により上位人気が総崩れし、波乱に終わった今年の皐月賞。主役が復帰するとはいえ、一頓挫あったのは事実で、競馬の祭典・日本ダービーもキナ臭い匂いが漂う。そこで穴党の出番。今回は日刊紙きっての穴党記者二人にご登場いただき、それぞれの予想スタンスや考え方、今年の日本ダービーについて熱く語ってもらった。

予想は“答え合わせ”。穴党記者の予想スタンスとは?



スポーツ報知・川上大志(以下、川上) 穴党の大先輩、山河さんと語り合うのは恐縮ですが…(笑)。今日はよろしくお願いします!

東京スポーツ・山河浩(以下、山河) こちらこそ、お手柔らかによろしく!(笑)。

川上 まずは予想スタンスについて。お互い穴党ですけど、それぞれ考え方が違うと思うんですよ。ちなみに、山河さんはどういうファクターを大事にしていますか?

山河 究極は勘かな? ひらめいた馬を、取材やデータで突き詰めて“答え合わせ”をしていく感じだよね。ヤマ勘ではなくて、過去の経験や取材などに基づいた“正しい直感”というべきかな。大レースに関しては、とくにそうだね。

川上 出走予定馬を見て馬名が飛び込んでくる感覚は、僕も同じかもしれません。狙いたい馬がある程度先にあって、取材に向かいます。

山河 本命党とは逆の手法をとらないと、穴馬にたどり着かないだろうしね。

川上 穴党にとっては「この馬が勝つんだ」という“思い込み”も大事かもしれませんね。

山河 自分が東スポの大きな予想箱に入ったときの位置が、穴党の先輩のあとで。ただただ、無言のプレッシャーだったよね。

川上 競馬担当になる前から、僕は何かに逆らいたいタイプだったかも…。一発当てれば成り上がれるチャンスは、穴党の大きな魅力だと思います。

山河 現実社会ではあらがえないなかで、競馬の印なら嫌みなくあらがえる。結果が出れば、それが認められるからね。

川上 外れが続くと、それもそれで落ち込みますが…(笑)。

山河 さっきの川上の言葉にも通じるかもしれないけど、穴党の記者って一回思いこむと馬券を買わなきゃ気が済まない人が多いよね。若い頃は競馬場にいくら持っていっても安心できなかった(笑)。川上と同じくらいの年に競馬場に60万持っていったときがあったんだけど、その日、2回ATMに駆け込んだからね。

川上 マジですか!?(笑) よく読者の方とか友人から『印通り、本当に馬券を買ってるの?』といわれるんですが。山河さんのその日は極端なケースだったとしても(笑)、実際に体は張ってますよね?

山河 自信度のあるレース、ないレースによって当然バランスは変わるかもしれないけど、やっぱりそこは穴党の責任だと思う。

山河浩×川上大志

穴党の責任として、印を打った馬券は必ず購入するという山河記者。綿密な“答え合わせ”で穴馬券にありつくこともしばしば。



取材のキモは、関係者の性格を知ることにあり!?



山河 川上の場合、レース後とかによく関係者から『馬券取ったの? 取ってないの?』なんて聞かれてるのが印象的だよ。去年の北海道シリーズとかでも、単なる予想じゃなくて、ジョッキー連中から本気の温度差を聞いて、印の的中、馬券の的中につなげてた。そこが川上のすごいところだと思う。

川上 僕は山河さんのブレない姿勢を尊敬しています。印もコラムも取材姿勢も、いつもブレない。どんなに外れ続けた次の週も『当てに行く』ことがない。弱気になることがないですよね。

山河 昔、皐月賞でシンガリだった馬に本命を打ったことがあって…。それを見た読者から『これが山河だよね』と暖かい言葉をもらったんだ。もちろん、的中を目指してるけど、結果が出なくても印で納得してもらえるのはありがたいこと。

川上 穴党の理想系は、そこにあるかもしれません。

山河 取材対象の性格をわかっていることは大事だよね。常に強気の人もいれば、たまに超強気なことをいう人もいる。「嫁でも車でも全部質に入れて買え」なんてことをいわれたこともあったな(笑)。

川上 そういう昔ながらの人もいますね(笑)。たまたま行った居酒屋で、居合わせた関係者から「今週はこれがいいですよ!」なんていわれるパターンもありますし。厩舎の人たちは情報通も多い。ライバル馬の状態にも詳しかったり…。

山河浩×川上大志

“綿密な取材により“温度差”を感じ取って穴馬券にありつくことが多い川上記者。その予想センスは関係者のあいだでも高評価。



96年とダブる今年のダービー。馬券的な妙味は十分!



川上 さて、ここからは今年のダービーについてですが…。

山河 96年とダブるんだよね。

川上 僕、まだ6歳でした…。先輩、教えてください(笑)。

山河 皐月賞を使えなかったダンスインザダークがプリンシパルSを勝ってダービーへ。そして、すみれS勝ち馬のフサイチコンコルドとかぶるのが…。

川上 キタノコマンドールですね。

山河 ダンスインザダークがもし順調に使えていたら、ダービーを勝てたのか。見てみたかった気はするよ。

川上 キタノコマンドールは、体質面も考慮して、ここダービーまでを逆算したローテーションがプラスに出ていますね。今年から拡大された皐月賞5着馬までの優先出走権を、キッチリ取ったあたりも“持ってる”のかも。

山河浩×川上大志

“同じ穴党記者だけに、意気投合するシーンもたびたび。予想スタンスや考え方は、お互いに通じるところがあるのかもしれない。



山河 古くはタヤスツヨシとか、最近だとワンアンドオンリーとか、皐月賞で末脚を見せて4、5着だった馬が本番で好走するケースは目立つ。

川上 去年のレイデオロもそのパターンですね。

山河 今年も4着ステルヴィオ、5着キタノコマンドールあたりの末脚は侮れないかも。

川上 先ほどの例に話を戻せば、ローテは異なりますが、ダンスインザダークがダノンプレミアムと…。

山河 2歳のときは正直、今年の世代はダノンプレミアムとワグネリアンでしょうがないのかな? とも思ったんだけどね。

川上 プレミアムと争ってきたワグネリアンの皐月賞での負け方に、少し物足りなさを感じました。

山河 プレミアムはサウジアラビアRCがレコード勝ちだったんだよね。その前のレコードがクラリティスカイで、その前がロゴタイプ。どちらものちにマイラータイプになった。府中の2400mで絶対的な信頼を置くのはどうだろう?

川上 先ほど、末脚で見せ場を作ったステルヴィオ、キタノコマンドールが出ましたが、3着馬ジェネラーレウーノはどうでしょう? いびつな形のレースになったとはいえ、稍重で2分0秒8の勝ち時計。京成杯からの直行も疑問視されたなか、あれだけ粘った。僕のなかで評価が上がった一頭です。

山河 勝ったエポカドーロは、あの時点での完成度が高かった可能性もある。そう考えると、ジェネラーレウーノは想像以上に強いのかもしれない。

川上 別路線組はどうでしょう? 毎日杯勝ちのブラストワンピースは侮れないですね。条件戦とはいえ、その前のゆりかもめ賞が印象的です。

山河 僕も気になってる。別路線組ではあるけど、この馬の場合はこれが予定通りのローテーションだからね。

川上 あとは、京都新聞杯のステイフーリッシュも驚かされました。これまで見られなかった先行する形で、あれだけ突き抜けるとは…。

山河 今年のダービーは、馬券的にも面白い年になりそう。どこからでも入れそうだ。

川上 レースまで残り1週間弱。それぞれスタンスで、とっておきの穴馬を探していきましょう!

山河浩×川上大志

今回の対談で、二人の評価が高かったジェネラーレウーノ。京成杯優勝→皐月賞3着→日本ダービーというローテーションは、10年のダービー馬エイシンフラッシュと同じ。(写真=下野雄規)

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