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皐月賞敗北組の巻き返し/日本ダービー

  • 2018年05月22日(火) 12時00分


◆皐月賞4着以下が馬券に絡むにはひとつの条件が

 今年の皐月賞は、1〜3番人気が総崩れという結果だった。これはグレード制導入以降3回目で、かなり珍しいケースだ。

 弥生賞などステップレースで決め手・上がりの速さが要求され、皐月賞が持続型やハイペースになってがらっと好走馬が変わるというのはよくあることといえばよくあること。ただ、それが極端に働いたという印象だ。

 皐月賞→ダービーと使った馬のダービーから見た前走着順別成績(要するに皐月賞での成績)を振り返ると、前走4着以下からダービーで馬券に絡んだ馬は過去10年で9頭。皐月賞1〜3着馬でダービーも馬券に絡んだ馬は10頭だから、絶対数としてはそう変わらない(分母はだいぶ違うが)。

 ただ、皐月賞4着以下からダービーで馬券に絡むにはひとつの条件がある。皐月賞時点で6番人気以下だった馬は[0-0-0-36]で馬券に絡んでいない。皐月賞で人気薄かつ4着以下は単に能力が足りないことも多いのだろう。

 皐月賞5番人気以内・4着以下だった馬は[3-4-2-10]。該当馬がいてその該当馬が1頭も馬券に絡まなかったのは12年・16年と2回あるが、前者は該当馬1頭のみ、後者は4着と5着で惜しいところではあった。

 今年は皐月賞1〜5番人気馬(すべて4着以下)が揃って登録しており、これだけいればどれかが馬券に絡んでくるはず。決め手勝負タイプでいかにも皐月賞の展開は向かなかった感のあるキタノコマンドール、ワグネリアン、あと距離さえもてばステルヴィオ、このあたりが馬券上重要な存在になるのではと考えている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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