■東京優駿(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録21頭
【特注データ】〜レースデータより〜 ダービーでもっとも注目すべき予想ファクター、それは「前走馬体重」である。全体的に大型馬のほうが強いレースであるのは間違いなく、前走479キロ以下馬がトータル[2-4-2-79]に対して480キロ以上馬は[8-6-8-69]と、その信頼度には天と地ほどの開きがある。さらに、回収率ベースの数値も圧倒的に後者が上。つまり、勝ち負けに一定以上の馬格が要求されることが多いレースなのだ。
好成績である前走480キロ以上馬のなかでも、とくに目立っているのがダービーで3番人気に推されたケース。こちらはトータル[7-3-2-9]で勝率47.6%、単勝適正回収値132.4、複勝回収値110という素晴らしい成績を残している。ちなみに、今年の登録馬でこの条件を満たす可能性がありそうなのは、エポカドーロ、キタノコマンドール、ダノンプレミアム、ブラストワンピースの4頭である。
【コース総論】東京芝2400m Cコース使用
・コースの要所!
★人気サイドの勝率が高いが内容がいいのは4〜6番人気の中穴。紛れもある。
★外枠は信頼度や回収値が低めで割引が必要。狙って面白そうなのは中枠か。
★差し優勢のコースで上がり上位馬の勝率や回収値も優秀。中団待機組重視。
先週のオークスに続いて、東京芝2400mで開催されるダービー。1週分のデータが追加されてはいるが、集計内容にはほとんど変化がない。つまり、当欄で解説する内容もほとんど同じになってしまう。「先週も読んだよ」という方はさっさとパスして、レース総論へとお進みいただきたい。
正面スタンド前から出走して、大きな東京の芝コースをぐるりと1周するコース形態。幅員にも余裕がある広々としたコースで、しかも最後の直線は十分すぎるほどの長さ。いかにも紛れがなさそうなコース形態といえるだろう。
人気別で好成績が目立つのが4〜6番人気の中穴ゾーン。勝利数に関しては1〜3番人気が20勝と圧倒しているが、連対率や複勝率、単勝適正回収値、複勝回収値といった「中身」が優秀なのはこっちだ。同様に7〜9番人気も好内容で、紛れのないコースではあるのだがそうそう順当には決まらない様子。チョイ荒れを狙うのが美味しそうである。
枠番については、信頼度の高さは「内>中>外」の順なのだが、内枠は平均人気が非常に高く、枠番値はマイナス圏内。これを踏まえて考えると、枠番値が大幅プラスで勝率や連対率も見劣らない、中枠である馬番7〜12番のほうが内容は優秀だ。そして、外枠が成績、内容ともに振るわないのは間違いなし。こちらは少し割り引いて考えたい。
脚質は差し優勢。パッと見た感じでは先行勢と中団待機組が互角に張り合っているように見えるが、クラスが上がれば上がるほど差し優勢へとシフトしていく。実際はデータ以上に差し優勢であり、実際に上がり上位馬の1着に占める割合はかなりのもの。差し馬を重視すべきコースであるのは明白だ。
【レース総論】東京優駿(G1) 過去10年
・レースの要所!
★3番人気以内[9-4-4-13]と順当決着傾向が強いレース。無茶な穴狙いは禁物。
★コース替わりの影響か内枠が猛烈に強い。外枠はコースデータ以上に不振。
★意外に前が残るが、1着には差し馬を狙うべき。「差し→先行」決着を想定。
★キャリアが4〜5戦と浅めの馬が非常に強いレース。乗り替わりは大幅割引。
レースの平均配当は、単勝744円、馬連4893円、3連複1万7737円と、単勝平均の低さが目立っている。それもそのはずで、近年のダービーを4番人気以下で制したのは、2010年のエイシンフラッシュのみ。それ以外はすべて、3番人気以内の人気サイドである。2〜3着が紛れるケースはあっても、1着はほとんど紛れない。それが、近年のダービーなのだ。
注目したいのが枠番だ。先週掲載分と比較すると面白いのだが、外枠が不思議なほど強かったオークスとは対照的に、ダービーでは内枠が異様なまでの強さを見せている。馬番1〜6番に入った馬は、トータル[7-3-4-46]と過去10年でなんと7勝をマーク。2012年を除き、必ず1頭以上が馬券に絡んでいる。B→Cコース替わりの影響は、きわめて大きい。
次に脚質面。コースデータ同様に先行勢と中団待機組が互角に張り合っているような結果だが、上がり最速〜2位の馬が過去10年で7勝をあげているように、末脚のキレ味は勝ち負けに必須といえる要素だ。こちらもB→Cコース替わりの影響が大きそうだが、それでも基本的には差し優勢。「差し→先行」決着を前提に、馬券を構築すべきだろう。
ローテに関しては、いたって順当に皐月賞組が強いという結果。先週のオークスもそうだったが、前走でトップクラスを相手に好走している馬というのは、やはり強い。そして、近年になってより目立ってきたのが、「キャリアの浅い馬が強い」という傾向。昨年は、キャリア4〜5戦の馬が上位を独占している。
そしてオークス同様に、鞍上の乗り替わりは大幅マイナス。このご時世にあっても、継続騎乗組がトータル[10-8-7-97]に対して乗り替わり組が[0-2-3-51]と、馬券に絡んでいる馬のほとんどが継続騎乗組だ。とくに人気馬は絶好調で、3番人気以内の継続騎乗組は連対率48.1%、複勝率63.0%、複勝回収値116という素晴らしい内容。このデータだけでいえば、今年の上位人気馬はかなり信頼度が高いと思われる。
そして最後にオマケの小ネタ。因果関係をまったく説明できないアノマリー系のネタだが、近年のダービーは「4月生まれ」の馬が妙に弱い。あまり人気になっていないという側面もあるのだが、最後に勝ったのが2008年のディープスカイで、最後の2着馬も2012年のフェノーメノと、勝利や連対からはかなり遠ざかっている。人気上位ではダノンプレミアム、ブラストワンピースが4月生まれ。今年が果たしてどうなるか、ちょっと楽しみだ。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
B→Cコース替わり。またもや超高速馬場になる可能性が十分にありそう。
・天候予測
週末までは天候が崩れそうな気配なし。このままならば良馬場が濃厚か。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、ルーラーシップ産駒○
コース&レースの枠番データでも解説したように、Cコース替わりの影響が非常に大きなレースであるダービー。先週も相変わらずの高速馬場で、今週は下手すると「さらに」高速化が進むかもしれない。雨の心配は今のところなさそうなので、土曜日の時計やレース内容は、必ず確認しておくべきだ。
血統面は2種牡馬の産駒をプラスに評価したが、成績上位種牡馬の産駒は基本的にどれも成績優秀。イマイチの結果であるスクリーンヒーロー産駒にしても、コースでの出走数がまだ少ないだけに、実際には何ともいえない部分がある。そういう意味でも、血統をあまり重視しないほうが、ここは好結果を呼び込めそうな印象を受ける。
★出走馬・総論×各論 トップ評価は、皐月賞を挫跖(ざせき)で回避した
ダノンプレミアム。弥生賞から3ヵ月の休養明けという変則的なローテがどうかだが、写真などで確認するかぎり、素晴らしいデキでレースに臨めそうだ。データ面での買い材料も豊富で、脚質的にもぜひ内枠を引き当ててもらいたいところ。1番人気になるならば、なおさら期待大といえる。
二番手評価に皐月賞馬
エポカドーロ。展開が向いたという側面もあったが、スプリングSでも同じようなレースで勝ち馬から僅差の2着に好走しているのだから、あの結果はフロックでもなんでもない。完全なキレ味勝負の流れになると分が悪いかもしれないが、このメンバーで超スローというのは考えづらく、この馬のよさが再び生きる展開になる可能性も十分ある。
三番手評価に
ステルヴィオ。皐月賞では展開に泣かされたが、それでも最速上がりで4着にまで詰め寄ったのだから、やはり力がある。東京替わりがいかにもプラスに出そうなタイプで、この父が配合次第で中長距離でもイケる産駒を出すのは、先週アーモンドアイが証明したばかり。差し脚が生きる流れになれば、この馬がいちばん怖い。
以下はゴーフォザサミット、キタノコマンドール、グレイル、サンリヴァル、ジェネラーレウーノ、ブラストワンピース、ワグネリアンという評価の序列。とはいえ、枠番の影響が非常に大きいのは何度も解説している通りで、内枠に入った馬は評価を大幅に上方修正し、逆に外枠を引いた馬は大幅に割り引く必要がある。
あとは、馬場バイアスの確認も怠れないところ。高速馬場になればなるほど、後方からしか競馬できない不器用なタイプは、勝ち負けに持ち込みづらくなる。そのあたりやオッズも加味しつつ、最終的な結論を慎重に導き出したい。現段階でのジャッジは「それなりに堅く決まる」だが、果たしてどうか。
■総論×各論・先週の馬券回顧
東京11レース 優駿牝馬(G1)
1着 13アーモンドアイ
2着 01リリーノーブル
3着 02ラッキーライラック
さすがに絞りすぎたか(#^ω^)ビキビキ13アーモンドアイの強さに、改めて驚かされた次第。父系からスピードを、母系からスタミナを──という血統論の「基本」に立ち返れば、2400mという距離をこなす素地は十分にあったんですよね。じつにうまく乗った01リリーノーブルを、並ぶ間もなく抜き去ってしまった脚は、まさにバケモノ。次走、宝塚記念に出ても勝てそうな気がする(妄想)。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2008年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!