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別路線組の参戦で豪華メンバーの安田記念!有力馬の追い切りをチェック!

  • 2018年05月30日(水) 18時00分


初G1制覇に向けきっちりと負荷をかけてきたサングレーザー


 先週の日本ダービー。当日は東京競馬場でイベントの仕事をさせていただきましたが、それに乗じて、パドックとレースもきっちり見せていただきました。何度経験しても、他のG1とは違う興奮を覚えるダービー。それはパドックから始まっていて、下見所へ入ってきたワグネリアンを見た瞬間、「今年の◎にも悔いなし」と思わせてくれました。

 そして、福永祐一騎手。スタートを決めて、ジェネラーレウーノについていった時に心の中で「小さくガッツポーズ」。向正面では「シメシメ」と思い、4コーナーから直線では祈るように伸びてくる姿を見つめていました。

 そうしたら、近くからレープロで机を叩く音が。これって、マカヒキの時と同じ?と思いながら、これに触発されて、私も大きな声を出してしまいました。途中で小さく叫ぼうと思っていたのですが、声を出すたびに馬が伸びているような気がして、もう最後は絶叫(笑)。入線後は友道康夫調教師に駆け寄って、抱き合って喜びました。

 今年のダービーは「福永祐一じゃないと勝てなかった」と思っています。そんなダービーが悲願の初制覇だなんて、本当に素晴らしいですね。

 来年も悔いのない本命を打てるように、今週からスタートするメイクデビューをきっちりと見ていきたいと思います。そして、東京競馬場は安田記念。ウマい馬券の成績好調で、きっと参考にしてくださる方も多いでしょうから、その期待に応えることができる予想を提供したいと思います!!

【安田記念/ペルシアンナイト】

 単純な競走成績から、中8週以上のレース間隔があくと1着はありません。富士S、中山記念がともに5着、特に富士Sは今回と同じ東京芝1600mという条件だけに、その判断が難しいところ。実際、レース間隔を詰めて、追い切り本数が多い方が1着2着という結果が出ています。

 ただ、富士Sにせよ、中山記念にせよ、最終追い切りの併せ馬での内容は軽め。ゴール前でしっかり追って、併せた相手に先着するというところまでの負荷はかけていません。しかし今回は併せたサトノノブレスはもちろん、周囲にいた角居勝彦厩舎の併せ馬も追い抜いての先着。6F85.4秒という時計に派手さはないものの、ラスト1Fは11.3秒の伸び。これなら中8週以上の間隔があいていても評価したくなる、そんな動きでした。

ペルシアンナイト(5月30日撮影)

間隔は空いたが力は出せる状態にあるペルシアンナイト(5月30日撮影)


【安田記念/サングレーザー】

 マイラーズCはレコード勝ち。休み明けでもきっちりと調教本数をこなし、ある程度の時計的な負荷もかけていたので、反動もないと思います。だからこそ、今回も順調に追い切りを消化していて、5月20日と5月27日に坂路で4F51秒台。前走時はここまで速い数字ではなかったので、明らかにG1に向けて負荷を強めています。

 最終追い切りはいつも通りの軽め。4F57.6秒は遅い数字なので、重要なのは4F目が最速になっているかどうか。モニターで確認した動きも折り合って動けていましたが、ラップもしっかり4F目に向けて加速。意外にも東京競馬場が初めてなので、気になるところがあるとすればそのくらいでしょう。

サングレーザー(5月30日撮影)

しっかりと加速して負荷をかけてきたサングレーザー(5月30日撮影)


【安田記念/リスグラシュー】

 前走のヴィクトリアM。調整過程が秋華賞の時に似ているということは競馬予想TV!でお話しした記憶がありますが、レース当日のパドックを見ても、秋華賞のパドックによく似た雰囲気でした。それだけに、今回がエリザベス女王杯のような結果になるのか、はたまた違うのか。そこに注目していました。

 まず、距離が違いますよね。そして、レース間隔も違います。5月25日の1週前追い切りも素晴らしい動きでしたが、最終追い切りも坂路で4F53.6秒、1F11.9秒。ちなみにこの日の4F目11秒台は4頭でしたが、そのうち2頭が本馬とリアルスティールの矢作芳人厩舎。リアルに関しては後述しますが、リスグラシューに関してはいよいよG1制覇のチャンスがやってきたのかも知れません。

リスグラシュー(5月22日撮影)

4F目に11秒を記録してきたリスグラシュー(5月22日撮影)


【安田記念/リアルスティール】

 リアルスティールの安田記念といえば、ドバイターフを制した直後の2016年のレース。中間の調教内容がハードで、行きたがるところが出ている印象を受けていましたが、レースでもそんなところが出てしまった感じ。同じローテーションだけに、そこが心配ですが、今回は2016年と違い、中間にCWで時計は出していません。

 だからなのか、坂路での追い切りも我慢の利いた走りができているように思います。1週前追い切りの併せ馬でも並びかけて我慢して、追い出しの指示があってから伸びています。最終追いも4F目が11.9秒。あの時のリベンジができる状態にはあると思います。

リアルスティール(5月22日撮影)

一昨年のリベンジに向け順調なリアルスティール(5月22日撮影)


【安田記念/ブラックムーン】

 有力馬が順調にきているだけに、人気薄の出番は少ないかもしれない今年の安田記念。それでも30日の追い切りを見て、ここに取り上げておきたいと思わせてくれたのがこの馬。きっと調教映像を見たら、どうしてこのくらいの時計で、とか、単走でこの動きでいいの、と疑問に思う方もいるでしょう。

 ここはずっとブラックムーンを見ているからこそ推せるポイントがあります。もともと自分から動いていくのは好まないタイプだと思いますが、それが今回は1Fごとにスムーズに加速しているラップ。また、そのスピード感がたまらなくて、ゴール前を走る時にはちょい鳥肌でした。自分のリズムで走らせてあげれば、とんでもない走りができる馬だと思います。今回はそれが叶うかどうかでしょう。

ブラックムーン(5月30日撮影)

レース本番でリズム良く走れるかが重要なブラックムーン(5月30日撮影)



◆次走要注意

・5/26 葵S【アサクサゲンキ】(1人5着)

 道中の位置取りはこれまでで一番後ろ。しかし、道中の手応えは決して悪くなかったですし、最後の直線の伸びもしっかり。馬群を割ってきそうな勢いは脚質問わない走りができることを証明してくれました。

 あとは次走の最終追いもきっちり坂路2F25秒を切る動きができれば。

[メモ登録用コメント] [CBC賞]最終追い切り栗東坂路2F25秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・3歳未勝利【メイショウキョウジ】

 前走がほぼ勝ちに等しい内容で、今のメンバーなら素質だけで勝ち負け必至。これに最終追い切りの反応の良さがあれば、まず負けないと思います。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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