スマートフォン版へ

船橋競馬場ニ絶品ノ漬物アリ

  • 2018年06月05日(火) 18時00分


◆正直、最初は期待してなかったが…食べてみて、ああびっくり

 久しぶりの競馬場グルメは船橋競馬場から。

 競馬場グルメというと、普通はその場で食べるものがほとんどだが、今回のはお持ち帰りが基本。とはいえ試食はできる。

 船橋競馬場に登場して、今年で足掛け9年。成田山参道にある成田漬物本舗の漬物の数々だ。

ずらりと並べられた色とりどりの漬物。試食もできる


 なぜ年数をはっきり覚えているのかといえば、出会いは、忘れもしない2010年11月3日。船橋競馬場で初めてのJBC開催当日にさかのぼる。

 JBC開催では、土地土地の食べ物や物産品の販売が定番となったが、その最初は、おそらくこの2010年の船橋開催だったような気がする。

 晴天に恵まれた船橋競馬場で初めてのJBC開催では、スタンド裏のスペースに、千葉県内各地から集められた数多くの名産品を売るテントがずらりと並んでいた。その中のひとつに成田漬物本舗はあった。

 何かを買うつもりもなかったのだが、出店の数々を見て歩いていたところ、漬物屋さんか、と思って横目でちらりと見たのだが、正直なところ「どうせ添加物とか使ってるんだろう」と思って素通りしようとしたところ、「斎藤さん、グリーンチャンネル見てますよ!」と声をかけてきたのが、成田漬物本舗の篠塚専務だった。

 さすがに「テレビで見てます」と言われてそのまま素通りするわけにもいかず、しばし話をして漬物を1つか2つ、正直なところ義理と思って買って帰ったのだった。

 帰宅して、その日だったのか、翌日だったのか、何日もあとだったのかはまったく覚えていないのだが、どうせたいしたことないだろうと思いつつ、食べてみて、ああびっくり。スーパーなどで売っていたり、コンビニ弁当に付いてる漬物とはまったく別物。漬物としての自然なおいしさに衝撃を受けた。

 その後、どういう経緯があったのかは聞いていないが、船橋競馬場にときどき臨時店舗として出されるようになり、いつのころからか船橋競馬場の開催日には毎日、正門を入ってすぐの成績掲示板のところに常設店舗となったのだった。

 開催日には毎日、成田山参道の店舗から漬物を運び、雨の日も、雪の日も、店頭に立っているのが篠塚専務。柔らかな物腰で、話し込む馴染みのファンも少なくない。

いつも笑顔で競馬ファンを迎える成田漬物本舗の篠塚専務


 初めての人は、並べられたその品数に圧倒されると思うのだが、おそらく人気ナンバーワンでおススメは、きゅうりの浅漬。これをぼりぼりかじれば、誇張ではなく丼飯1杯は軽くいける。ニンニクがきいてるから、お酒のつまみにも絶品だ。

 女子に人気ナンバーワンは、セロリの浅漬。こちらはさっぱり味。ただし、セロリは季節ものなので、いつでもあるわけではない。あればラッキー、即ゲットすべし。

手前右がきゅうりの浅漬。左(とその上)がセロリの浅漬


 そのほか、ぼくの定番は、新生姜、きゅうりの葉唐辛子漬け、きゅうりのりんご漬けなどなど。そしておなじみの柴漬は、スーパーで百数十円で買えるようなものとは漬物としての次元が違う。毎日食べても飽きることがない。

 漬物はほとんどが1袋500〜800円くらいで、ちょっと高いかなと思うかもしれないが、その値段だけの満足感は間違いなくある。漬物だけでなく、佃煮などの惣菜類も売っている。

 日本人なら、炊きたてのご飯に、これだけで十分でしょう、と思わせてくれる漬物だ。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング